クレジット市場の落ち着きは信じて良いのか?米国財政は必ず通る
起債市場は落ち着いているが、重要なのは全体のクレジットスプレッド
FEDが今週の頭に追加のQEを発表し、法律まで変更して社債の購入を行うと発表した。
金額にするとプライマリー・セカンダリーマーケット合わせて$200blnという金額だ。
この発表を受けて、起債市場は活発で本日も約$24bln、この三日間で約$60blnも発行があった。(通常は$10bln/day程度)
また、発行額に対する投資家の需要も普段以上に強く、明らかにプライマリー市場はFEDのサポートが効いているといえよう。
しかし、下のグラフでもわかるように、以前ご紹介した青のクレジットスプレッドは”かなり”ワイドニングした状態が続いており個人的にはまだまだ警戒が必要と考えている。
なぜプライマリー市場と全体のクレジット市場に差が生まれるかというと、投資適格の中でも格付けが低いゾーンの会社のクレジットがまだワイドニング傾向にあるためである。
クレジット市場は格付けによって値決がまちまちであるが、投資適格の中でもBBBなど比較的格付けの低い会社は、これから格下げされてジャンク級になる可能性があり、このゾーンへの投資家需要は依然として弱いままである。
FEDが購入できる社債はあくまで投資適格に絞られているため、「今後」格下げが見込まれる企業への投資は細る一方であろう。
コロナ対策の財政は必ず通ると信じている米国投資家
「サンダースが財政法案に反対している」というニュースも見られたが、米国でこの報道を本気で気にしている投資家はいない。
今回の財政案は米国民全員が早急に必要な案であり、これを妨げることは共和党、民主党問わず非国民というムードになってきている。
今、議会で問題になっているのは「法案の文言や上院・下院間の細かい解釈の修正など、あくまでテクニカルな話」というのが、実際のところである。
今、ニューヨークでは、⑴巨大な月末リバランスフローと⑵財政への期待の二本柱で月末まではリスクオンが続くというのがコンセンサスになっている。
しかし、その後の展開(4月以降)はかなりの投資家が企業業績の下方修正を警戒しており、継続的なリスクオンには懐疑的な見方が多い。
Twitterでは記事にする程では無い情報をつぶやいています。
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