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米株の調整は本当にコロナウィルスが理由だったのか?

新華社通信が専門家の意見として、新型コロナウイルスの拡大は1週間から10日以内にピークをつけるだろうとの見方を示したことで、米国時間はリスク資産がショートカバーされる展開。

特にアップル、マイクロソフト、アマゾンなど、決算を控えた銘柄のウエイトが大きいナスダックが強い。

米国時間に発表された耐久財受注は前月比+2.4%と予想+0.3%を大きく上回ったものの、その前の月が大幅に下方修正されており、基調としての強さは確認できない。一方、サプライズだったのはリッチモンド連銀指数で、こちらは前月の▲5から+20 と大幅に改善している。ISM製造業指数に換算すると 60近い数値となっており、他の地区連銀指数と合わせて考えると来月の ISMは改善が期待される。

先週はコロナウイルスといった、米経済に影響の少ないテーマでリスク資産が調整する中、本日は下げ止まった雰囲気もあるため、リスク資産をロングするのが投資家のセオリーである気はする。しかし、個人的には以下の話題が頭に引っかかっておりあまり乗る気になれていない。

一つはアイオアでのサンダース支持が急上昇していること。米国全体でもサンダースの勢いは伸びているが、特に重要なアイオアでの伸びは注目に値する。また、同時にウォーレンの支持が急落していることも気がかりで、ウォーレンが大統領選を早々に諦めれば票がサンダースに流れる可能性が高いことを意味している。サンダース対トランプとなった場合は、トランプ有利との見方に変わりはない。しかし、ウォーレンが早めに候補者争いを辞退し、副大統領候補としてサンダースの支持に回った場合、「サンダース大統領候補、ウォーレン副大統領候補」対「トランプ大統領、ペンス副大統領」の組み合わせは必ずしもトランプ優勢とは言い切れないと見ている。

二つ目は弾効裁判の証人としてボルトン元補佐官を召喚する可能性が出ていること。実現には共和党員4名の離反が必要となるが、どうも足元でそれなりに可能性が出てきいる模様。ボルトンはトランプに不利な情報を握っているとNYT紙が報道しており、実現したときに株式市場が嫌気する可能性は高い。

米国のリスク資産はコロナウイルスをきっかけにして始まったように見えるが、水面下では上記のような材料も出ており、コロナウイルス懸念の静まりをもって再びリスクオンに戻れると考えるのはあまりに短絡的と見ている。むしろ上記の材料が調整の真の理由だもすれば、調整は始まったばかりの可能性もあるだろう。

明日のFOMCはノーイベントになると思われる為、次は米テック企業の決算に注目が集まっている。

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