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+1読書会

 +1読書会(プラスワンどくしょかい と読みます)というものを始めたいなと思っています。今日はその構想(素案)のお話です。

 +1読書会はおもに1対1の読書会を想定しています。
 私と誰か(希望される方)の二人でおこなう読書会です。

 ケアに関する本の読み合わせを通して、対話しながらケアについての理解を深めていくという内容です。
 現場での実践をもとに対話を進めるので、ケアの現場(医療、福祉、保健、教育など)を持った方を対象にしたいと考えています。

 私は子どもの頃から本が好きなのですが、本好きの私でも「なかなか読み通せない本」というのが存在します。「何か大事なことが書いていそうな気がする、だからいつか読み(切り)たい」と思ってそっと置いてある本があります。読書に親しんでいない人にもそういう本があるのではないでしょうか。ひとに勧められて買ったけど、読めていないとか。
 そういう本がきっと誰にでもあって「自分一人では読み通せそうにないけど一緒に誰かが伴走してくれるなら…」というニーズをお持ちの方にはこの+1読書会は最適かもしれません。

 まあ、本来、読書会というのは、そういうニーズに応えるものでもあると思います。私がこれまでに開催していた“ケアを深める読書会”もそうでした。
 これまで対面&シリーズもの、かつ10~12人くらいで“ケアを深める読書会”を数年間、開いてきました。
 職種は看護師、作業療法士、公認心理師、精神保健福祉士など、ケアの現場で働いている人たちです。数十年というベテランから新人さんまで、いろいろな人に参加していただきました。

 ところが2020年初頭から新型コロナの感染が広まって、ケアの現場で働いている人たちが集まることが難しくなりました。資格を保持するための研修、あるいはオンラインでの研修会しか参加できなくなったからです。
 これは何も医療従事者に限ったことではありません。世界中の人が集まって何をすることが困難になりました。
 
 どの集まりもオンライン化が進みましたが、読書会も全国でオンライン化が一気に進みました。ケアを深める読書会をオンラインで続けることも考えましたが、自分の技術的な問題(今はZOOMにも慣れましたが)、心身の疲労の問題などで、なかなか継続する気持ちになれませんでした。
 おそらく参加される方々も、新型コロナの席巻以降、私と同じく疲れ切って、読書会どころじゃないという状況が続いたのではないかと思われました。

 私自身、疲弊して現場を離れる(退職する)という決断をしましたが、あらためて思うのは読書会をはじめとする“さまざまな集まり(コミュニティ)”でアウトプットすることが自分にとっていかに大事な時間だったかということです。

 現場から離れて、蓄積した疲労からも回復しつつある今、ふたたびこの“アウトプットの場”を作りたいという気持ちが再燃しています。で、オンラインで読書会を再開しようと考えた時に思いついたのが+1読書会でした。

 オンラインでやるのであれば、場所や地域に縛られることなく、全国から参加してもらうことができます。これまで遠方など物理的な理由で参加できなかった人も参加しやすくなります。
 しかし一方で、まだ新型コロナの脅威は去っておらず、見知らぬ人とグループで自分の現場の話をしづらい状況が続いているのではないか、とも思っています。

 医療現場では、現場での新型コロナにまつわる話が外部に出せない状況が続いています。法的に個人情報が持ち出せないのはもちろんですが、それ以外の部分(法の規制がかかっていない部分)であっても新型コロナの話は外に持ち出せない、というか持ち出しにくい、暗黙の規制がかかっています。
 ただ、新型コロナにまつわる対応はケアの話と深くかかわっているのも確かなのです。なので、コロナ以前にはなかったような「グループでの読書会ではオープンに話しにくいこと」が今はあって、でもその話を抜きにしてすると、本当のところが話し合えないといったような、ジレンマを生む状況になってしまっています。

 加えて、コロナ以前からグループの読書会では「なかなか自分の意見が言えない人」がいるのを感じていて

(あ、もちろん、読書会は自分の好きに参加していいので、べつに発言しなくてもいいのが前提ですが)

「アウトプットしたいけど、気後れしてできない人」がいるとしたら、1対1だったら、たどたどしくても大丈夫だし、ゆっくりと、自分のことばを見つけながらアウトプットできるんじゃないかなという気持ちがどこかにあったのです。置いてけぼりにならないというか。

 けれど、みんなの前で緊張する人が、はたして見ず知らずの私と1対1だなんて余計に緊張するのでは?という気もしますし、夫には「そんな需要はないよ」とあっさり言われてしまいましたが、まあ、どこにでもニッチな需要は存在するかなという気がするし、店を開いてみないと分からない部分もあると思うんですよね。

 いつ頃から、どんな形で、何の本を使って、いくらの参加費で…というのは、現在、構想中です。

 このnoteに書きながら、ゆっくり案を練っていきたいと思います。

 

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