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ポートフォリオ/230522


今生で、満足のいくポートフォリオを作れるのだろうか、否、できない。

つい反語を使いたくなるこの構文。

デザイナーのお仕事に必要不可欠なのがポートフォリオ。
作品集という意味で、美大の人はこの言葉を大学時代から使っているので染み付いている。
なのでついそれを非美大の人に言って「なにそれ?」と言われる「共通言語だと思ったら全然違ったやつ」というのはおそらく美大あるあるだ。
そんなポートフォリオが、私に関係がある日が来るとは、と今でも首を傾げつつ作っている。

モデルだとポートレート、服飾だとLOOK BOOKとかになるのか。
とりあえず「今までこんな仕事してきましたよ〜」という視覚的履歴書のようなもんがポートフォリオ。
イタリア語っぽい。

2月から作り始めて、現在第6稿くらい。
最初から作り直しという大幅なのが3回、修正が最低3回くらいで、日々アップデートしている。

ポートフォリオはそれ自体が一つの作品とも言えるので自分の作品をまとめて見せながら、それらをも作品にしてしまうことも大切な気がしている。

ポートフォリオの作品例も沢山見てなんとかやってきたけど、それと比べると「ぜんぜんダメ」だったのが最初で、今は「言って、ダメ」になっている。
どちらかと言うと、スキルよりも圧倒的にセンスが足りない。
もうこれってしょうがない。
しょうがないから頑張るしかない。

noteのヘッダーは毎回作っているけど、20分以内で終わらせるのが目標で、今は10分かかってないと思う。
使っているソフトはAdobe expressで、スマホ版の簡易な簡易なイラレ/Illustratorのようなもの。
しかし使い方がだいぶイラレと違って自由度もすごく低いので、思ったようなエフェクトができないことも多く、与えられた環境の中でどうにかやっている。

数をこなすしかないし、こだわれば誰でもいくらでも良いものは作れる。
納得なんてできないのが当たり前で、とにかく与えられた時間や素材でどうにかしなければならないのが、プロ…なのかもしんない…急に自信ないじゃん自分。

転職する時にみんな履歴書と職務経歴書を作るけど、我々はそこにポートフォリオも入る。
すまん、じゃっかん、じゃっかんソンしてる気がしてる。
だってめんどくさいから…。
作るの大変なんだもん…。

「良い子だなぁ」
「立派なことを考えてる…」
「デザインが好きなんだろうなぁ」

知らん若い人のポートフォリオを眺めていて勝手にストーリーを作ったりしている。
老婆心。
「そっか、デザインを通して私は何を伝えたいのかな」みたいな投げかけももらって、本当に良い機会だった。

デザイナー駆け出しの私の感覚としてはデザインは作る側からするととても論理的なお仕事であるということ。
なのに受け手には本能的な感覚や感情として入ってくる不思議なお仕事だ。
考えるより先に「温かそう」「おいしそう」「なんかおしゃれ」というようにまず本能の機先を制するようにするのがデザインの役割。

見過ごせなくて思わず「お?」と思ってしまう、その「お?」をわざと作るのがデザイナーかなぁと。
広義だと好奇心を刺激したり作ったりしてるのかも。
本能に訴えかけられる仕事なんてかっこよすぎる。
まるで直接脳みそを触って動かしているような気分になれるから。
支配欲か。

とりあえずそう思ってもらうように逆算してデザインする。
多分こうしたらこう見えるよね?感じるよね?みたいな感覚を作る。
だから作り手は論理的でいないといけないような。
偶然、たまたま、じゃなくて、確信的に、わざと、「お?」と作為的なものを作らなければならない。

とは理解しつつも頭の中でのデザインデータベースがまだまだ足りない。
そこが増えると引き出しが増えるし、早く作れるし幅も広がる。
「センスないわぁ」と思いつつ、「いやーでも、センスないわぁ」と改めて思う。

街を歩けば看板から何から何までデザインが気になるし、友達と一緒にいてなんらかのチラシをもらうと「はーなるほどこうでこうだからこうしてる?のかな」と眺めて考えるのは、職業病っぽい。

とりあえずそんなこんなで全く納得できないポートフォリオを提出した今日。
なんであんなに下手なの?

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