アメリカに住めば英語が話せるという誤解

子供の頃、日本に来ると「アメリカに住んでるの?じゃあ英語話せるんだ、いいなー」と言われた。
大人になって、日本で生活を始めてからも「アメリカ育ち?じゃあ英語ペラペラだ!羨ましい!」と言われる。
社交辞令として、羨んでみせているのかもしれない。
深く考えずに、ただ言っているのかもしれない。

それでも、違和感を覚えるのだ。

その違和感がなんなのかを考えた。

アメリカに住んでれば、英語が話せるのが当たり前だと思っていることだ。

「え、ちがうの?」と思った方には、ハッキリと「違う」と言いたい。
ただ住んでいるだけで、言語を習得できるわけがない。

現に英語の話せない人はアメリカに多くいる。
チャイナタウンに住む中国人で中国語しか話せない人も多くいるし、メキシコ人の多い地域でスペイン語しか話せない人も多くいる。
そういう地域のマーケットは結構おいしいものがたくさん売っていたりするが、買い物はジェスチャーでする。
「Does it taste good?」「おいしいの?」
「Yeah. Good. Good」(やー、ぐっ、ぐっ)
親指を立てて、にこにこと片言の英語で対応してくれる。
表情豊かな接客で「これも買っていけ」とジェスチャーで促す彼らは商売上手だ。
そして、美味い。

若干話が脱線したが、他にも実体験で言えば、小学生の頃から高校生になるまで、メキシコ人の友人が親のために通訳をしていたりしたし、中国人の友人の家に遊びに行ったときには友人の親の口からは「ハロー」しか英語が出なかったことだってあった。

アメリカに住んでいるからと言って英語が話せるわけではないのだ。

しっかり『努力』した結果、話せるようになっているのだ。

多くの留学生が、留学生のグループだけで過ごし、英語が上達しないまま帰る姿を見てきた。
『会話』できるようになった留学生は、必死な様子だった。
彼らは、勉学に励み、積極的に現地の人間と過ごしていた。

アメリカや海外で過ごして英語が話せる人に会った時には、その人の努力があってこそであることを、頭の隅に置いてほしい。

これから留学することを考えている方には、特に心に留めてほしい。

努力なくして言語習得はない。


Just because I lived there, that doesn't make me learn the language automatically. 
そこに住んでたからって、言葉を自動的に覚えられたわけじゃない。


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