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バーチ・ディ・ダーマ・・・ それは貴婦人のキス!!

Bicerinでも人気の焼菓子に「バーチ・ディ・ダーマ」があります。
イタリア語でBaci di damaというつづりなのですが、貴婦人/マダム(dama)のキス(baci) という意味があるトリノの伝統的な焼菓子です。
アーモンドプードルで焼いたクッキーで、チョコレートをサンドし、サクサクとした食感が特徴的なのですが、形状がキスマークに似ていることからその名前が付いたと言われています。
イタリアではアーモンドプードルを使った焼菓子の総称を「アマレッティ」と言います。もともとは、13世紀にアラビアから地中海を渡ってイタリアに伝わった焼菓子だといわれています。現在、イタリアでは「アマレッティ」の中には杏仁を入れたものや、カカオ風味のものなど様々なフレーバーがあるのですが、「バーチ・ディ・ダーマ」はトリノ風のバリエーションの一つだといわれています。

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さて、この「バーチ・ディ・ダーマ」ですが、実は歴史的にマカロンの原型になったお菓子だといわれています。
時は16世紀。イタリア、フィレンツェの貴族メディチ家(レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロのパトロンなどをしていたほどです)の娘であったカトリーヌ・ド・メディシスが、時のフランス国王アンリ2世のもとへ嫁ぐ際に、イタリアから様々な食文化をフランスにもたらしたといわれています。
その中の一つに彼女の好物であったアマレッティもあったとされています。そしてその後アマレッティは、フランスではアーモンドプードルとメレンゲで焼き上げたマカロンと変化していくのですが、当時のマカロンは現在のマカロンのように間にガナッシュやジャムは挟まっていない片面焼の物でした。
実はいま日本で知られているいわゆるマカロン(ガナッシュなどがサンドされている形状の物)の正式名称は「マカロン・パリジャン macaron parisien / パリ風マカロン」といい、フランスで片面だけのマカロンが広まった後に、トリノの「バーチ・ディ・ダーマ」をフランス風に発展させたものだとされているのです。

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焼菓子の中にもいろいろな歴史的エピソードがあります。当時の情景を思い浮かべながらその焼菓子を召し上がっていただくのも、素敵なスイーツの楽しみ方だと思いませんか?

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