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七つのロータスと、第1章について

 七つのロータスは僕が30代前半を費やして書いたものの、まだまだ完結には遠い状態にある書きかけの小説です。完結までの大まかな流れは、最初から頭にあったのですが、何分にもボリュームの大きな物語なのです。当時は月に原稿用紙30~40枚程度のペースで書いていて、ずっとそのままのペースで書き続けられるつもりでいたのですが、結婚・子育てで完全に筆が止まり、未だ再始動できずにいます。
 この自分の手に余るほどの大作が、また一万年物語と名付けたシリーズの一部であるという泥沼っぷり。一万年物語全体の構想については、場を改めて語るか、このまま自分の胸に留めておくかわかりません。
 とにかく歴史物が書きたかったけれど、歴史考証に無限の時間を割くことはできないので、架空世界の人類の歴史というファンタジーに逃げ込んだのです。ファンタジーですが魔法は無し、流行りのゲームみたいなステータス表やスキルなんかも無し、リアル路線です。と言いつつ現実離れした描写もあるかもしれません。その辺は盛り上がり重視です。

 「七つのロータス」は「一万年物語」の古代パート。青銅器時代末期をイメージしながら、農耕民族と騎馬民族の戦いを描きたくて始めた作品です。同時に三国志のように多数の登場人物を動かす物語を書きたいという野心もありました。具体的には4人の主人公を設定し、それぞれの物語を並行して書いていくつもりでした。結果として死ぬまでに書き終われるかどうか、という状態に陥っております。とりあえず、再始動しなくてはいけないのですが。
 もともとは古代中国と古代エジプトの混ざったイメージで考えていたところに「マハーバーラタ戦記」というインド神話を小説化した本を読んだことで、古代インド風の物語として一気に頭の中でイメージが固まったもので、その後に勉強したメソポタミアの要素も入っています。

 もし「どれ、どの位の文章を書いたのか見てやろうじゃないか」と思っていただけたのなら、是非ご覧ください。

 ここからは第1章について。
 一人目の主人公アルタスを配してのボーイミーツガールで物語は幕を開けます。
 オアシス都市「サッラ」の名前は、クラーク「遥かなる地球の歌」の舞台となる惑星「サラッサ」からもらったのですが、自分のサイトで公開していた時代に「読みにくい」という感想をもらったので、書き直すことがあれば名前を変えるべきかもしれません。
 アルタスの前に現れるヒロイン、ネムは隣のオアシス都市から逃げてきたわけですが、今読み返してみると、街道を外れた半砂漠の草原を単身10日間歩くのはあり得ないですね。とは言え、サッラとタラスは基本敵対的だったので、あまり近すぎると互いの敵愾心が強くなりすぎてこの後の展開に支障があります。さてどの位の距離が適切だったのか・・・。【追記】ここは馬に乗って脱出して一昼夜駆けてきた、くらいが妥当かと思うようになりました。馬は途中で乗りつぶしてしまったことにしましょう。・・・。馬を乗りつぶすって、書くだけで心が痛むのですけれど【追記ここまで】
 白銀をはじめこれから出てくる馬たちには、現実の青銅器時代にはいなかったような大型の馬が含まれています。今回のネムもそうですが、主人公たちとは違う勢力に属している人々は、いちいちサッラの馬の体格に驚いてくれることでしょう。青銅器時代らしい小型の馬が多い中で、サッラ産の馬は現代の軽種馬くらいの体格がある想定です。それでも二人乗りさせたのは拙かったかとも思います。書き直すことがあれば、ネムを背に乗せてアルタスが手綱を引いて歩いてゆく描写にするべきでしょうか。
 細かく描写はしていませんが、鞍と鐙は時代的にまだありません。手綱とハミは現実の歴史でも早めに登場しているので、すでに使われている設定です。無しでは馬を扱うのは無理ですし、何より絵にならないです。

 読み返すと色々ツッコミどころがあるんですが、書き直しで無間地獄に陥るよりはとにかく完走したいので、書き直しは今のところはしません。今後「~章について」で、いつか直す時のための覚書を残しておくことにします。

 アルタスの水浴びシーンは今読んでもまあまあ満足ですね。マンガの方が良く読まれるし、個人でアニメ作る人すらいる時代に文章で勝負する以上、ビジュアルで描写しにくいものをしっかり描写していこうと思っているのですが、そこは良くできた気がします。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。同じ一万年物語の中で完結した作品もありますので、良かったら読んでみてください。こちらは時代が全然違う、複葉機と飛行船の物語です。

 本業のサイトも是非ご覧ください。


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