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両生類についての出題ミスの記事についてご教示いただきました。

 入試シーズンには出題ミスについての報道が毎年あります。今年のシーズンにはたまたま両生類に関する出題ミスのニュースを2件続けて目にしたのでそのことを記事にしたところ、不明だった出題ミスの詳細についてコメントで教えていただきました。

 出題ミスとされた問題の詳細はコメントしていただいた女王まりかさんのnoteに詳しいのですが、鳥取県の公立高校の入試で出題された両生類の特徴を答えさせる問題で「卵を水中に産む」を正解としていたところ、モリアオガエルは樹上に産卵するので「卵を地上に産む」という選択肢も間違っていない、という物言いがついて結局、全員が得点したこととする、という措置が取られたとのことです。

 せっかく教えていただいた方にあまり反論するのは気が引けるので、最初こちらの記事を読んで「考え方が違うな」と感じた部分の半分以上は、追加のコメントで教えていただいた次の記事で解消されたということを先に申し上げておきます。

 その上でどうしても自分の考えと違うのは、入試とは教科書の内容をどれだけ把握しているか問うもので、僅かな例外は「教科書にこう書いてある」で押し通してしまえばいい、という部分ですね。
 これは僕自身が教科書より図鑑で動物の知識を身につけたせいなんでしょうけれども、学校の試験といえども教科書以外の教材から、学校以外の場から身につけた知識でも正しければ学問的に正しければ通用すべきだと思うんです。
 女王まりかさんの記事とどうしても違うのはここだけ。

 この問題の扱いについては、確かに僅かな例外を配慮しすぎると何も問えなくなるというのは確かなので「一般的に」とか「例外を除き」とかいう文言があれば、出題ミスとまではならなかっただろうにとは思ってはいたんですよ。ですから後からリンクされていた記事(当記事3番目のリンク「つれづれぐさ/二十三回という記事)で、「正しいものを選べ」と「適切なものを選べ」の違いについて言及されておられたのを読んで、ちょっと納得できずにいた部分のほとんどは消えて無くなってしまったのです。


 女王まりかさんへのお返事は以上です。後は蛇足というか、記事への直接の感想を離れて更に考えたことを。

 僕自身はマイナーな物、主流に反するもの、一般的な法則から外れたものに愛着を抱くタチで、そういう例外について「何故これは例外なのか」を考えることで全体についても見えてくるものがあると思っています。特に生物において、近縁種との生態、形態の違いがどうして生まれたのかを観察し考察するというのは非常に示唆に富んでいるのです。
 だからたとえ中学生の理科といえども、例外的な生物の存在を無視していい物のように扱われると悲しいです。「一般的に」と「例外を除いて」のひとことを忘れないとか、「正しいものを選べ」ではなく「最も適切なものを選べ」とするとかくらいの配慮は欲しいな、と思いました。そうでないと「円周率は3.14として計算する」でも「円周率は約3.14である」でもなく、「円周率は3.14である」と言い切られたような「それで良いのか?」感を拭えないです。

 また「例外」が本当に例外と切り捨てて良いか、というのもあります。この記事の元になった記事(当記事最初のリンク)で書いたとおり、僕の中学理科の副教材には脊椎動物の各綱の特徴を示した一覧表があり両生類は体外受精すると書かれていました。ところが両生類には交尾こそしないものの胎内で受精するものは少なくありません。カエルの特徴を無批判に両生類全体に適用してしまったか、交尾しない=体外受精という短絡が働いたかどっちかでしょう。体外受精:カエルと一部のサンショウウオ、体内受精:イモリと大部分のサンショウウオ、では体内受精を例外とは言えないでしょう。
 これについては中学時代の副教材が間違っていた、と思っています。

 最後に、出題ミスがあると全員正解扱いになることが多いようですが、これは頑張って勉強してきた人に不利なので、このような出題ミスはできる限り少なくなると良いな、と思います。と書こうとしたんですが、自分の中の天邪鬼な部分が「お前がそれを言うのか?お前がセンター国語で満点だったのは「本来の正解は2だが、4も正解とする」のお陰ではなかったか?」と問いかけてくるのでした。(自慢ぽく聞こえると思いますが、就職氷河期直撃を上手いこと乗り切れずにその後自慢することもない人生なんで、これくらい許してください)

 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。本業のサイトもご覧いただければ幸いです。


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