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奈良県の村議会議員さんたち、ロンドン自然史博物館へ行く

 後で読む、とメモしておいて放置していた記事をようやく読んだら、思いがけなく感動的だったので拡散します。

 記事の著者は日英間で博物館のコーディネートをされている方で、奈良県東吉野村の議員さん達から、ロンドン自然史博物館にニホンオオカミを見に行きたいとの依頼を受けました。
 実はロンドン自然史博物館に収蔵のニホンオオカミの標本は明治末に村で捕獲されたもので、議員さんたちは村おこしのため、ニホンオオカミを返還して貰いたいと考えていたのです。
 博物館側の返答は勿論、否。しかし議員さんたちはそれでもニホンオオカミに会いに行きます。博物館側も非公開の収蔵品をしっかりしたプレゼンテーション資料と共に用意して、いかにこの標本が重要な意味を持つか丁寧に説明してくれます。

 きっと議員さんたちも最初は「非公開にしてしまい込んでいるくらいなら、返してくれてもいいじゃないか」と思っていたのではないかと思います。それがニホンオオカミが博物館でどれだけ大切にされているかや、ロンドン自然史博物館にニホンオオカミが収蔵されている意義を理解し、標本を博物館に託すことにする様子は実に感動的でした。

 僕も実は日本の地方に急遽作られた資料館で、ニホンオオカミをちゃんと管理できるか、世界最高峰の博物館に保管されていた方が良いのではないか、と考えながら読んでいただけに余計に感動したわけです。

 筆者の方の文章力も素晴らしく、是非リンク先を最後まで読んで頂きたいと思う次第です。

 ところで、さっき書いたことと矛盾しますが、一度くらい特別展で日本に来てくれないかなぁ、とも思うのです。日本国内に残された剥製も数が限られていますので。

ニホンオオカミ剥製
2019年名古屋市科学館の特別展で撮影
上と同じ剥製の頭部

 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。本業のサイトもご覧いただければ幸いです。


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