チョコレートとわたし


好きな食べ物は?と聞かれたら
私は必ず チョコレート を答える。

プリンも餃子もハンバーグも好きだけど、他に何を答えるかは気分による。
不動のセンターはチョコレートだ。


ある時、大学の授業で好きなものについて紹介することがあった。
多くの人が家族や推し(アイドル?)について話していた。
私はチョコレートを選んだ。

当たり障りのないことを話した。


そうしたら、精神看護の先生が私の時だけ質問してきた。

どうして好きなのか。
どのようなチョコレートが好きなのか。
どんな時に食べたくなるのか。
どういう時にチョコレートから幸せを感じられるのか。

色々質問されて、少し困った。
理由なんて考えたことがなかった。


授業が終わって、先生に聞きに行った。
どうして私にだけ質問をしてくれたのか。
「なんだか色々とまだ隠れた部分がある気がしたの〜」とふわふわ笑って言った。
そして、私の目の奥をスッと見て、
「依存性には気をつけるのよ〜」と。

ドキッとした。
私は依存しやすいタイプだと見抜かれている。

それからどうしてこんなにチョコレートが好きなのか、考えるようになった。


チョコレートを食べると安心する。
他の甘い物で代用出来なくはないが安心感が桁違い。

なぜ?いつから?


記憶の中で初めてチョコレートを食べたのは家のテーブルの下。
父と母の大喧嘩の最中だったと思う。
兄と逃げるように隠れた。
多分私がぐずったんだと思う。
兄がそっと私の口の中にチョコレートを入れた。
そして目を瞑らせ、耳を塞いでくれた。

残念だけど、その後の記憶がなくてこれ以上思い出せない。
でも多分これが私のチョコレートとの出会い。

何か不安なことがある時
体調が優れない時
何も考えたくない時
心が騒つく時

お金があればチョコレートを買って食べる。

一番安心するのはスーパーで買える板チョコ。

高いチョコレートも食べたことある。すごく美味しかった。たまらない。
でも、私が無心でむさぼるには濃厚すぎる。

私は板チョコを何も考えず、たくさん食べている時に幸せを取り戻せるのだと気がついた。



今日も読んでくれてありがとう。


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