広告運用の手詰まりを解消するためのネタ帳

株式会社バイオフィリアという会社でココグルメというペットフードD2Cのマーケティングをしている矢作です。

日々広告運用していると、グロースがひと段落する踊り場みたいな状況が年に2~3回くらい発生します。

打ち手が見えないとメンタルがしんどいので、落ち着いているうちに手詰まり解消のためのネタを整理しておきました。

1. 現状分析する

手詰まりになって闇雲にいろんな施策に手を出すと、
結局何が問題だったのかもわからず解消できてもすぐに次の踊り場がやってくるので、冷静な現状分析は重要。

・ボトムアップ: 自社データ
・トップダウン: 市場全体のデータ
の両面から分析していく。

ボトムアップでの現状分析

運用広告は細かくデータを収集できるのが強み。
毎日全部のデータを追っても優れた知見は得られませんが、踊り場にいった時こそ細かくデータを見直して要因を探すべき。

ぐんぐん成長している時と踊り場に達した後で比較し、何かしら変化がでやすいKPIを挙げてみた。

  • クリエイティブ別のImp数

    • 当たっているクリエイティブが変わっている可能性がある

  • フリークエンシー

  • クリック率

    • 表示されすぎて飽きている可能性がある

    • フリークエンシーと連動して悪化していたらクリエイティブ枯れの可能性

  • CPM

  • CPC

    • 単価が急上昇していることもしばしば

    • CPM入札の媒体とCPC入札の媒体がそれぞれあるので各媒体の特性は理解しておきたい

  • PV数

    • クリックしてもLPが表示されていないと、入稿ミスや誤クリック多発などの可能性もあります。

  • ファーストビューでの離脱率

  • 滞在時間

  • フォームまでの到着率

    • 誤クリックが多発しているか、クリエイティブとLPの差が大きすぎるのかも

    • 当たっているユーザー層が変わってしまっている可能性もある

  • フォーム入力完了率

    • システム上のバグはないか?ページが重すぎてないか?操作性が変わっていないか確認

    • スマホ + Non-WiFi環境でスムーズに動作することを確認すること

  • 確認画面の遷移率

  • 確認画面での滞在時間

  • 完了画面への繊維率

    • ボタンとCTA変えたり、フォーム周りの遷移率はCVRに直結するので要チェック

上記のデータを時系列・媒体ごとの比較・キャンペーンごとの比較をしていき、何が変わったのか?を見つけていく。

トップダウンでの現状分析

ボトムアップでの現状分析だけでは、日々数値をきちんと追っかけている場合はあまり新しい発見が得られないことも多い。

そんな時は今一度マクロにマーケットを見直して見ると気づきが得られることがある。

トップダウンで現状分析する際のアクション例をあげておく。

  • TAM / SAM / SOMの確認

    • 対象となりうるターゲット層は世の中にどのくらいいるのか?

    • そのうち自社商品がどれくらい購入してもらえているのか?

    • どの程度の割合でリーチできているのか?

  • 購買動機 / 離脱動機の確認

    • ライトユーザー・ヘビーユーザー・未購入者に選択した理由を聞いて見る

    • その理由の統計も取得するインタビュー/アンケートで取得する

  • 競合の状況

    • 競合キーワードの検索数やUGCの推移の確認する

    • カテゴリ全体の検索数やUGCの推移を確認する

    • 1次競合だけではなく広く2次競合の動きも確認する

どんなに広告を打っても認知度100%に達することは基本的にあり得ない。(それこそメガブランド以外は…)

落ち着いて市場を見直すと、必ず新しい切り口は見つかるはず。

2. 情報収集する

現状の分析だけだとどうしても新しいアイデアは出にくい。
分析した情報を一旦頭に入れたら、次はフラットに世の中の情報を収集していくと、新しい気づきが得られる。

・誰に(ユーザー理解)?
・何を(商品理解)?
・どのように(媒体理解)?
を一つづつ情報を整理する。

ユーザーを理解するための情報収集

ユーザー理解はマーケティングのための第一歩ではあるが、手詰まりを感じたら一から見直して見るのも良い。

  • ユーザーヒアリングの実施

  • 数百人以上のデータを集計したアンケート調査

  • 業界団体等が定点観測している公開データの確認

商品を理解するための情報収集

何をサービスとして届けるのか?を見直すのは重要。
商品を提供する立場とユーザーが捉えている価値には差があることも多いので、フラットに見直していく。

  • 商品サイドの情報を一つ一つ見直す

  • ユーザーヒアリングを実施して、ユーザーが認識している価値や、使い方を理解する

  • 自社商品・他社商品を実際に使って見る

  • 二次競合にも触れる

媒体を理解するための情報収集

HOWの部分はマーケティングで軽視されがちだが、
実際踊り場を抜け出すための方法の鍵はちょっとした媒体ハックにあることもしばしばある。

  • 媒体側にコンタクトをとってみる

    • 正直あんまり良い情報はもらえないから当てにしてはいけない。

  • SNSで発信している人の情報を見る

    • テクニカルすぎる情報は自社に当てはまることが少ないので、簡単に鵜呑みにしてはいけない

  • 媒体のオーガニックコンテンツのトレンドを確認する

    • 媒体はユーザーのためにもなるべく広告を出したくない

    • オーガニックで伸びているコンテンツのフレームワークを参考にする

市場を理解するための情報収集

自分が関わっているマーケットだけに閉じて情報をみていると、新しいインサイトは得られない。

季節性のイベントやトレンドに積極的に触れてみて、自社のマーケティングに活用する方法はないかを考えてみる。

  • 新サービス・商品を体験してみる

  • フィクション・サブカルなどの一見関係のないコンテンツを漁る

  • カテゴリ問わず本/ノンフィクションを読む

  • 他社のクリエイティブをじっくり調査する

3. マーケハックを活用する

世の中で成功しているマーケハックは、どのサービスでやっても大体成功します。

本質的ではないですが盲目的にやりきるのも重要。

トレンドへの追従

世の中のトレンドに合っていると、それだけで反応率がグンと上がる可能性があります。

  • 季節性に合わせる

    • クリスマスなりハロウィンなりのイベントごとと絡める

    • 春夏秋冬の変化に合わせる

  • IPコンテンツの活用

    • ファンプールがあるIPと何かしら絡めると、その層のユーザーを一気に取れる

    • コラボやMADなどで絡めていくのもあり

  • バズってるもののフォーマットを活用

    • バズりそのものは再現性はありませんが、フォーマットを生かすのであれば再現性は高い

人間心理を生かす

マーケのノウハウ本にかいてあるような、人間心理を逆手に取ったマーケハックも実際は大事。

以下に限らず普段から情報収集して使えそうなフレームワークはストックしていきたい。

  • ついつい目についてしまうキーワードの活用

    • 限定

    • 無料

    • 割引

  • 自分ごと化を高める

    • (多少無理矢理でも)セグメントを区切った見せ方

  • 行動経済学の活用

    • アンカリング効果

    • 損失回避バイアス

    • サンクコスト効果

    • おとり効果

    • 現在価値バイアス

4. まとめ

踊り場にハマってしまった時の打ち手リストをまとめました。
まだ未完成なので今後も定期的に修正していきます。

こんな感じにマーケのTipsを定期的に更新しているので、ぜひフォローしてください!

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