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0と1の間 | weekly vol.0108

息苦しさで目を覚ます。
寝汗で全身が濡れているのが分かる。
もうここ数日、真夜中、同じような息苦しさで目を覚ます。

全ては身の丈に合わないサイズのリスクを取っているからで、含み損の額は日を追うごとに大きくなっており、まさに雪だるまの如くという例えがぴったり当てはまるような転がり方だ。どこかで決断をして損を確定するために決済をしなければならないのだが、どこかで大逆転が起きるのではという希望、あるいは市場にとっては絶望を待ち望んでいるためにいまだにズルズルと先延ばしにしている。ちょうど評価額が含み損になり始めた頃から寝る前に蒸留酒を飲むようになった。濃度の高いアルコールでないと酔えないようになってしまったのだ。
そもそもなぜそんなに大きなポジションを持つに至ったのかを今となっては思い出せない。勝算があるというよりは、ただ単に口座にお金があったから、そして、たまたま相場が膠着状態に見えたから、大きく動くのではという予感があったのだろう。予感というのは厄介なもので、その時にはそれがすごく良いアイディアだと思われたのだ。

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彼女は音読を止めるといつものように窓の外に目をやりつつ、水を飲む。海底から採水した飲料用水は100層からなる濾過装置を経て運ばれてくる。地球環境の汚染は一時期に比べてずっと改善されているが、それでもまだそれだけ手間を掛けなければ飲料用に用いるにはリスクがあるということのようだ。1900年代後半から地球環境の汚染については警告がされてきたが結局人類はそれらの警告に従い生活を改めることなく自らの生存環境を破壊することで、人類そのものの存在を危うくすることでしか転換を図ることが出来なかった。それすらも自発的に、というよりはやむなく、という形であった。

過剰なリスクは常に感覚の麻痺を伴い、そして破滅がやってくる。リスクを取っているという感覚があり、眠れなくなるくらいならまだ健全なのかもしれない。そんな感覚すらなく、つまり自分が何に賭けているのかが分からなくなってしまうのが本当の恐怖なのではないだろうか。そもそも、未来への投機としてしか今という瞬間を生きることが出来ないわけで、そういう意味では生きるということ自体が大いなるリスクテイクであるのだけれども、それを自覚し、計測しようとしたらきっと人類はもっと早くに精神の病で滅びてしまっていただろう。だからある意味で、リスクに対する麻痺した感覚というものは自然な態度でもあるのかもしれない。生きるということのリスクの大きさを考えて生き続けるととしたらそれはとんでもない重圧になるわけで、それに耐えられるのは数パーセントもいないのではないだろうか。いや、もしかしたらそういった鈍化を獲得し適応したものだけが生き残っているのかもしれない。いずれにしても精神には逃避先が必要で、それは創作や創造といった現実の先に存在する何かを追い求めることであり、またその具現化の過程に没頭するということで得られる一瞬の恍惚なのではないだろうか。

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今号の担当はキノコです。
実に1ヶ月半ぶりくらいにWeeklyを更新することになり、この間何をしていたのかと言えばリスクを取ったり、夏休みを取ったりしておりました。リスクというのは相場の話だけではなく、転職活動だったり、真面目に仕事をしたり、子どもを塾に通わせるという判断をしたり、といった生きることに関わる全般を指しております。

Covid22という言葉が流行っており、実際に変異株が随所で散見されておりますし、これまでの傾向からデブは死にやすい、ということも明らかになっており、これは全デブに対しての警告であるということなんだろうと思います。同僚などから痩せたら?などと言われますが、感染する可能性がある期間内に十分にBMIを下げられるほどに痩せられるかというとそれはかなり困難だろうと思われ、それよりは快楽に身を堕としてでも好きなことをしていた方がマシなのでは、というまさに命を賭けたリスクテイクを行うか否かという判断になってくるわけです。まあ幸いにも間もなくワクチンを接種できる見通しがあるので、重症化は避けられるだろうと高をくくっておりますが、かからないに越したことはありません。

夏休みと言っても家族が休みで家にいる限りは家事というやるべきことが山積みになってしまうため、実際には何も休みではないのですが、仕事がない時間に少しずつ積読を消化したり、文字通り山積みになっている書籍を梱包したりして過ごすことが出来ました。現在図書室に送られるのを待っているのは14箱で、15箱になったら発送をしようと思っております。なぜ15箱かというと、クロネコヤマトの集荷依頼フォームから一度に頼める口数は5個口までとなっており、一度送信すると同じ内容で再度依頼をする画面に遷移することができ、つまり5の倍数個であれば何も考えずに3クリックほどすれば次の集荷依頼をすることができるわけです。それゆえ、とりあえず15箱になったら発送するというのをこれまでも繰り返してきております。実際、これが20箱になると玄関口まで運び出すのもけっこう大変ですし、何より家族の目が険しくなってきます。まだ子どもが小さいためほとんど子ども部屋というものが機能していないので一部屋余っているという状態なので何とかなっておりますが、そろそろ思春期を迎える娘のためにも本の処置については少し真面目に考えなければいけないのでは、と思い始めているところです。

転職活動は暑いのでいったん休止しており、また涼しくなったら活動を再開しようと思っております。一方で現職ではけっこう人の出入りがあり、新たに入ってきた人と話をしていると、こういう環境だからこそ後悔のないようにやってみたいことに挑戦しようと思って転職してきた、などというポジティブな話もあったりと、本当かな、と思いつつもそれを初対面の人に言えるというマインドがすごいなと感心してしまったりしました。大事ですね、前向きな動機。

というわけで、本日の話題はここまでの話とはあまり関係ありません、倫理の話です。

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