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本庄銀座ブルワリー(埼玉)

 コアなクラフトビールファンにとっては伝説的な人気を誇った、栃木県のブレストンエールブルワリー。同社が2020年3月に惜しまれて閉業した翌年、醸造担当として本格派のイングリッシュスタイルを学んだ中田翔さんが故郷・埼玉県本庄市で新たに興したのが、本庄銀座ブルワリーです。

 その確かな出自に基づく腕前に加え、本庄市特有の硬水で仕込むことで、「モルトの良いところが引き出され、飲み応えのあるビールをつくることができるんです」と中田さん。
 さらにもう1つ、すべてのビールに本庄市内で作られた米麹を原料に使っているのも、このブルワリーの大きな特徴です。

「醸造過程で米麹を投じることで、品質が安定し、非常にキレのいいビールに仕上がります。本庄市の水に由来する飲み応えと合わせて、この地域ならではのアイデンティティを存分に表現したつもりです」(中田さん)

 どこかクラシカルな作風でありながら、地域の産品を積極的に活用しながら美味しいビールを追求している本庄銀座ブルワリー。生家は明治時代から100年以上も続く老舗建具店を経営してきたという家柄だけに、今度は「これから100年続く事業をつくるつもりで立ち上げた醸造所です」と中田さんは語ります。
 今後、首都圏を中心に大ブレイクが期待される辣腕ブルワーの御手前を、ぜひ「ビビビ。」で味わってみてください。

〈Text By Satoshi Tomokiyo〉

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