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本音を吐くきみに、僕も種明かしを

3月中旬のある日、職場の先輩から言われた一言がきっかけだった。

「のらねこ、裏切りの街観に行か「エッ行きましょ(即答)」」

裏切りの街とは、三浦大輔さん作・演出で我らがHey!Say!JUMPの髙木雄也さんが単独初主演の舞台である。

無気力なフリーター、菅原裕一(髙木雄也)と平凡な専業主婦、橋本智子(奥貫薫)。菅原には長年つきあっている彼女がいて、智子には結婚している夫がいる。その二人が出会い系サイトで知り合い、出会い、恋愛をし、逢引を繰り返す。二人はお互いに何かを求めるわけでもなく、この恋愛に発展性がないこともわかっている。お互い、大切だと思えるパートナーがいるにもかかわらず、「浮気」を繰り返す。会っている意味など考えず、「裏切る」という行為の罪悪感に苛まれることもなく、惰性ともいえる二人の関係は続いていく。そして、家に帰れば、お互いのパートナーに対して、別の愛情表現をする。それを壊す勇気などない。この先、自分はどうしたいのか。そんなことは考えない(ふりをした)まま、ただただ日常生活をこなしていく…。
(公式サイトより引用)


とても大人な舞台だと聞いていて気にはなっていたものの、1人で遠征するのもなと躊躇していたところに先輩からのこのお誘い。断る選択肢はなかった。先輩が車を出してくださるとのことで、弾丸で大阪まで行ってまいりました。
ちなみに道中は車内でライブDVDを流しながら歌い踊って楽しかったです。娘さんがJUMP担で無理やり巻き込まれた係長は後部座席でオタクの奇行に遠い目をしていました。


※ここからは舞台の感想です。ネタバレに抵抗がある方はレッツ自衛!



まあ〜噂に違わぬクズ祭り。裏切りの街というタイトルは、お互いパートナーがいるにも関わらず不倫関係に溺れていくふたりのことかと思っていたのですが、クズ祭りという言葉から察してください。
びっくりするくらいわたしは誰のことも好きになれなくて、どいつもこいつも気持ちが悪いと正直思っていました。好きなものは好き!とか気持ちのいいこと大好き!と割り切って開き直っていたのならまだよかったのに、裕ちゃんも智子さんもふたりとも全てが"偽り"なんですよね。
友人には大口叩くくせに、いざ智子さんに会うとオドオドする裕ちゃんも、アプリやってるくせに直接会うと反応が鈍くてすぐに帰ろうとする智子さんも何がしたいのかわからなくて気持ち悪い。
ついでに言えばヒモ男と化している裕ちゃんに文句も言わずにごめんねと謝り続けお金を渡す里美も、優しさにあふれ家事も分担し一見妻が出かけていることに対して許容しているように見せかけて遠回しに嫌味を言う(ようにわたしは感じた)浩二さんも気持ちが悪い。
それなら伸二や裕子さんの方が1000倍マシだし、わたしは好感がもてました。好感と言っても、作品内の登場人物ならまだマシというほどですが…

こんなことを言うと、つまり微妙なの?と思われる方がいるかもしれませんが、決してそういうわけではありません。それに、こう感じることがこの作品を観たひとつの正解でもあるのかなと思います。
わたしは強がりで、内弁慶で、でもプライドが高くて素直になれなくて、登場人物たちの気持ち悪いところが全て自分にも当てはまるような気がして、同族嫌悪だったんだと思う。人生は綺麗な部分ばかりではないので、こういった一言では言い表せない人となりを表現する作品は好きです。
そして何よりも、髙木さんのお芝居が本当によかった。


ここからはHey!Say!JUMPのオタクとして感想を書きますが、まず心から言いたいのは

高木さん、いつの間にこんなお芝居できるようになったの!?

です。わたしが髙木さんのお芝居を生で観るのは「薔薇と白鳥」以来2度目なのですが、あの時もすごく素敵なお芝居をするなと感動しつつ、あまりにも髙木さんが良すぎて八乙女光さんのファンとして嫉妬でとても悔しい思いをしました。終わった後に悔しすぎて一緒に観劇した友達の前で泣いた(厄介)。

それが、ここ数年でもっと表現の幅が広がっている…。
裕ちゃんのオドオドした話し方、猫背で運動神経があまり良くなさそうな走り方、開き直り方、身体をはったベッドシーン。普段のJUMPコンでみせるかわいい髙木さん(わたしは髙木さんのことをサンリオキャラクターだと思っているふしがある)(髙木さんというより、Hey!Say!JUMPは全員サンリオの世界の住人だと思っている)(JUMPコンはピューロランド)は全くいなくて。今回の舞台で一度も髙木さんのことをかっこいいと思わず、終始「気持ち悪くて内弁慶で口だけなクズ」としか思えなかった。

しかも何が恐ろしいって、本来であればこれが2年前に上演されるはずだったということ。2年前って…髙木さん30歳になりたてじゃん…まだまだ現役のアイドルがこんな身体をはった舞台にたつことだけでも驚きなのに、あまりにも若すぎる…。
逆に32歳の大人の色気と落ち着きと経験を経た今だからこそ、今回のように素晴らしいお芝居ができたし、ファンの方も多少は落ち着いて見ることもできたのではないかなと、勝手ながら思う次第です。

俺たちの絶対エース山田さんやパーフェクトヒューマン裕翔くん、有岡ナンデスくんや、指が綺麗な伊野尾慧くんはわりと映像でのお芝居の機会がコンスタントにあるので拝見しておりましたが、舞台が多いメンバーはなかなか観る機会に恵まれていませんでした。薮くんの主演ミュージカルも仕事の都合がつけばぜひ観に行きたいな。

今回、メンバーが観に行って絶賛したり驚いたり恥ずかしがったり気まずがったりしている様子を見ることができてとてもかわいくほっこりした気持ちになりました☺️
八乙女さんも観劇していたようで、お休み中もJUMPメンバーの出演作やバラエティをチェックしたり、舞台を観に行っていらっしゃるみたいで少しでも同じものを共有できたと思うとうれしいです。最後はめちゃくちゃ気持ち悪いオタクの一人語りみたいになってしまいましたが、髙木さんがお芝居をされる際はぜひ一度、気にしてみてください。

薮くんのミュージカルも山田さんのドラマも大ちゃんのドラマも伊野尾ちゃんのドラマも裕翔くんのドラマも各々のレギュラーバラエティとラジオもよろしくお願いいたします。
ちなみに5/25には新曲が出ます。15周年を迎えるHey!Say!JUMPもまだまだ目が離せませんね!!!!!!


たなみに今回のnoteのタイトルは狼青年の歌詞の一部をお借りしました。歌詞がまるで裏切りの街の人物のようだと思ったので。
世界観もダンスも素敵な曲なので、お時間あればぜひご覧ください。アヴちゃんさん、東京ゲゲゲイの皆さまありがとうございました。

15年目を迎えようとしていても王道アイドルソングからかっこいいダンスナンバー、EDMや甘やかしトンチキソングを歌って、まだまだ新しい顔を見せてくれるHey!Say!JUMP、愛……。

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