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長瀞かりんのカレーペースト

荒川の上流、ライン下りが有名な埼玉県の長瀞にてカリンを使ってカレーを作ってきた。



穏やかに流れる川を眺めながら、夏や祭りの時は熱気で溢れているんだろうなぁと静かな長瀞でのひと時を楽しんだ。



7,000人の人が住んでいると言われている長瀞は観光と農業などに従事している人が多いらしく、地域おこし協力隊として長瀞にやってきたまどかさんは長瀞の農家さんが作る野菜などを紹介しながら通販などで盛り上げている。そんなまどかさんからかりんの話を聞いたのは3、4ヶ月前だったような気がする。長瀞町として初めての地域おこし協力隊だった彼女は途方にくれあてもなく長瀞の町を自転車で走っていたら様々な家の庭にかりんの木があり、それが地面に落ちているのを見て不思議に思ったそうである。聞いてみると縁起が良いから昔植えたことや、かりんシロップなどは少し作るがほとんどはそのままにしていることなどがわかったそう。せっかくなのである資源を活用して新しい名産を作ろうと奮起したまどかさん。半年くらいはかりんペーストを日々食べながら何を作ろうか悩んでいたそうだが、ひょんなことから我々と知り合い、カレーペーストを作ってみようということになり、先日長瀞にてかりんカレー試作会が開催される運びとなった。当日は町長や役場の方々、県の方も来てかりんトークに華が咲いた。



かりんをスパイスと合わせてカレーを作ろうと思った時、思い浮かんだのがインドで使われている様々なフルーツたちである。代表的なものとしてはマンゴーやパパイヤがある。どちらも青い状態のものから完熟されたもの、またマンゴーだとアムチュールというパウダー状にしたもの、パパイヤだとカチョリパウダーといったパウダー状にしたものもある。アムチュールパウダーは酸味がありインドのピクルス・アチャールを作る時やカレーを作る時に結構活躍している。パパイヤから作られるカチョリパウダーは肉を柔らかくする効果が高いため、ヤギ肉や豚肉の料理によく使われている。パパイヤ、キウイ、パイナップル、マンゴーなどには肉を柔らかくする酵素が含まれていてそれらを加熱して調理することによって肉のタンパク質を壊し肉を柔らかくしてくれるそうである。

かりんカレーを作るにあたって、かりんの酵素が肉を柔らかくしてくれるのではないかと思い、効能を調べてみると、抗菌、抗炎作用、殺菌効果、喉の炎症を収める効果、風邪などの感染症を予防する効果、免疫力アップ、疲労回復、体を温める効果、むくみ予防効果、便秘や下痢を解消する効能、整腸作用などがあるらしい。色々と探してみたが、肉を柔らかくするという効能を見つけることができず、それならばマンゴーの力を借りようとアムチュールをスパイスミックスの方に配合してカレーを作ってみたらかりんの甘みと酸味が重なり合いなかなか美味しいのができた。



体を温めたり、喉に良かったり、風邪予防に繋がったりとかりんが採れる秋にそれらの効能を欲している人たちが多いと思うので、今までそのまま放置されていたかりんが活用され、喜ばれる商品がもしかしたらできると思うとワクワクする。



「かりんカレーの季節になったね」と数年後、長瀞の町の人々がかりんの季節を美味しく楽しみ、来たる冬仕度の一つとしてカレーを食べていたらと思うと、形になったら嬉しい。

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鎌倉・極楽寺にあるスパイス屋・アナン㈱3代目。 オリジナル商品の開発や、スパイスの面白さを伝えるため料理教室などで全国を飛び回ったりしている。 好きな映画は『男はつらいよ』シリーズ。 アナン公式サイト:http://www.e-anan.net/