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スパイスセッション

刺激的な人に会うとワクワクする。面白い人に会うと興奮する。それが毎日だとつまらないのでたまに会ってみたりするともっと刺激的だったりする。

そんな勝手に刺激を受けたりする会があったら良いなと思っている。

スパイスで料理を作ると一言に言ってもインド料理、トルコ料理に東南アジア、スペインやらドイツやらフランスに南米料理ととても幅が広い、同じようなスパイスを全然違うように使ったり、全然違うスパイスを同じように使ったりする。「私はこんな風に使うんだよ」と料理で見せ合いする場がとても楽しい。経験してきたものと学んできたものや挑戦してきたものがブワブワブワッと出てくる。それを見るのも食べるのも好きである。

ちょっと前に台風の隙間を縫うようにして尾道の向島で料理を作った。何人かで集まり別に何かを決めるわけでもなく料理を始める。持ち寄ったアイディアとスパイスで色々な料理を作る。同じ名前の料理を作ったとしてもそれは同じ料理にはならない。それが良い。ゆっくりとメインディッシュをお膳立てするような副菜のスパイス料理を旬の野菜やら豆やらで作っていく。それぞれの料理が次々と作られる、それぞれの見せ場があり、一緒に調理するとそこに皆注目する。注目された人は嬉しそうだ。メインディッシュは一番の盛り上がりである。スパイスをブレンドして調理したり、スパイスをローストして深みのある香りを醸し出したり、驚かせようと小技を使ったりと。出来上がっていく過程と出来上がったものはまさに作った人そのものだったりする。

決まってないからおもしろい。
なんだかJAZZみたいだとずっと思っている。

ジャズの演奏を聴きに行ったりすると演奏者がずっと演奏したがっている。なんだかわかるような気がする。刺激的な人たちと料理をしていたりするとずっと料理をしていたいものである。

そんなジャズセッションみたいなスパイスセッションを尾道の向島で行った。集まった人たちはまたそれぞれのフィールドに戻っていき、1、2ヶ月後にまた集まり料理をする。また新たなセッションが始まり、「私はこんなことができるようになった」や「こんな経験をした」やら斬新な手法を学んだり、思いついたりしたものをその場で見せつけていく。

1回目は尾道の向島でやったので、今度は違う島でやってみようと話している。転々としまなみの島々でスパイスセッションしていき、それぞれの地で刺激的な人が加わりいつしか、なんだかわからないけどおもしろいことになっているのだと思う。

スパイスというのは単体でも刺激的だかブレンドされるとアートになる。

たぶん、人も。

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