見出し画像

王様のカレー

インド料理にドピアザ(Dopiaza)というカレーがあります。
玉ねぎがたくさん入ったカレーですね。
もともとペルシャ語で2つの玉ねぎという意味です。
ヒンディー語で玉ねぎの事をピヤーズ(piyaaz)と言います。私の田舎グジャラートではカンダ(kanda)といいます。
その昔、ムガール帝国の時代、今のアフガニスタンにいた皇帝Akbar Mullah
Do Piazaという方が間違えて玉ねぎをたくさん入れてカレーを作ってから、そのカレーがDo Piazaといわれるようになったようです。
以来、デリーや北インドのヒンディー語やウルドゥー語をしゃべる人たちは玉ねぎをpiyaaz(ピヤーズ)と呼ぶようになったとか。

玉ねぎについてちょっと調べてみると、原産は中央アジア、5000年くらい前には食用として栽培を始めていたみたいですね。野性の玉ねぎはそれ以前から食べていたとかなんとか。一説によると、もしかしたら一番最初に栽培された野菜は玉ねぎなのじゃないか、ともいわれているそうです。
エジプトのピラミッドにも玉ねぎの絵が描いてあるそうで、玉ねぎのむいてもむいてもまだ玉ねぎが出てくる姿が「永遠」を連想させ、ミイラと一緒に置いて死者が蘇るかも知れないと思ったそうですね。それとは別にあの強烈な匂いで蘇らせようとしたとかしないとか。
カレー作りには欠かせない玉ねぎですが、名前の由来や伝わり方を調べてみるといろいろと面白いですね。
そんな玉ねぎですが、アナン邸に北海道は北見から美味しい玉ねぎがたくさん届きました。早速「dopiaza」を作ってみます。
ムガールの皇帝 Akbar Mullah Do Piaza のDo Piaza は後からつけられたのか最初からついていたのか、気になりますね。間違えて玉ねぎをたくさんカレーに入れてしまって出来たカレーは、今でもたくさんの人に愛されている料理になりました。どこか鎌倉のけんちん汁に似ているような。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?