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「臆病か堅実か?エバートンの守備/CKを分析する。」後編 NSNO Vol.16 / 22-23 エバートン ファンマガジン


※こちらの記事は「後編」です。

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今季序盤戦、12試合を経てエヴァートンが与えたコーナーキックの回数である。

この記事を書くまでに、今季全ての守備/コーナーキックを振り返ることができた。しかし、ここに書かれたものはその一部に過ぎない。筆者なりの注目点をまとめ、チームの特徴を捉えたものだ。

後編では、実際のゲーム内の事象に視点を移し分析を行っていく。

現在、プレミアリーグを視聴できる「SPOTV NOW」では各試合のアーカイブが残されている。もし契約中の方、映像も確認したい方は該当シーンの時間(分数)も記録しているので是非ご参照いただきたい。

では早速、本題に移ろう。


◇コーナーキック分析

1.基本配置

図1.エバートンの基本配置

守備/CKの基本配置と役割の詳細については前編にて。


2.-高さと数的優位-ニア対策

a)プレミアリーグ第1節 
vsチェルシー(H)

守備/コーナーキック
17',18',18',19',19',26',33',33',33',45'+3',45'+3',45'+4',83',88' 

1試合における守備/コーナーキック数で最も多い回数を記録したのが開幕節のチェルシー戦である。この日のチェルシーは計15回ものコーナーキックを獲得した。特徴的だったのは、約半数の7回にも及ぶ「ニア」へのボールを送り込んだことだ。彼らの前半の狙いは明らかだった。

出鼻を挫かれたのはDFベン・ゴドフリーの負傷。代わって入った4/メイソン・ホルゲイトはプレー開始とともにコーナーキックを迎えることになった。
そのホルゲイトが直後からニアのポジションに入り、メインキッカー24/リース・ジェームスのキックを弾き続けたのは印象的だった。

図2.チェルシー戦33分のシーンより。

では、その図2のケースから確認してみよう。
33分には3回連続で守備/コーナーキックが続き、チェルシーは全てニアへボールを送った。

前編の図1で説明したように、エバートンのマンマーク・ディフェンスは3名。

7/マクニールが29/ハヴァーツ
に、16/ドゥクレが6/シウバに、17/イウォビが26/クリバリに付く形。

クリバリがゴールライン近くまで入ったことで、マーク担当のイウォビがその位置まで下がり、ファーの19/ミコレンコがやや中央ゾーンにポジション取り。ちなみに、イウォビは各ゲームで相手チームのメインターゲットをマークする役割を担っている。

ゾーンディフェンスの中央は2/ターコウスキと13/ミナ。1/ピックフォードの前に立つ5/ジョルジーニョと28/アスピリクエタには敢えて張り付かず、あくまでもボールの行方に集中する。

リース・ジェームスは右足でボールを蹴り、インスイングのボールを放り込む。ペナルティエリアに入った攻撃側の選手たちは一斉にニアへ。

▼チェルシー側の意図

  1. ニアにエバートンの選手と意識を引き付け、ファーのクリバリと17/スターリングにスペースを与えること。ニアに入る選手はゴールを狙いつつ、スクリーンの役目も担う。送られたボールを後ろへ逸らすなどの試みが垣間見えた。

  2. ハヴァーツはマークを振り切れば、エバートンのニアエリアの選手に対し死角からヒットすることができる(実際に、マークしていたマクニールが離される場面もあった)。

  3. ニアからこぼれた(あるいは繋いだor落とした)セカンドボールを19/マウントが拾えば、大きなシュートチャンスになる。

▼対するエバートンの防ぎ方

  1. ニアへ入るアスピリクエタを3/パターソンがチェック。その後方に連なるジョルジーニョをミナが対応する。しかし、ミナはゾーンディフェンスのため複数の相手に対応するケースも発生する。どちらもゾーンでのマークとして自分のテリトリーに入ってきた相手をマーキングし、ボールと対象選手の間に身体を入れる。

  2. ポイントはホルゲイト。落下地点を的確に読み、自身のゾーンを簡単に譲らない。パターソンがテリトリーに侵入する相手をチェックするのとは違い、あくまでもボール優先に対処。ホルゲイトの背後はミナが守る形を取り、前方視野に集中できるからだ。

開幕から4試合連続で出場したホルゲイト。第4節の試合後に負傷が明らかとなり離脱。現在は戦列に復帰し、「難しい」と語るターコウスキ&コーディからのポジション奪取を目指す。


以上から、同じゾーンディフェンスでもパターソンとホルゲイト、そしてミナには異なる役割が任せられ、数的優位の中で役割分担ができている。よって、ニアを狙うチェルシーのアプローチを跳ね除けることができていた。

一方でチェルシー側③の例を挙げると、ニアに人が密集する分、ペナルティエリアの大外には人が少ない状況になりやすい。18分には、ショートコーナーからマウントにフリーでシュートを浴びたシーンがあった(動画はその該当シーン)。



b)プレミアリーグ第8節 
vsウェストハム(H)

守備/コーナーキック
3',8',20',21',21',22',27',44',57',67',68',71',84',90'+2'

開幕戦でチームのベースを確認できたところで、別のゲームにおけるニア対策にも触れておきたい。チェルシー戦の次に1試合の守備コーナーキック回数が多かったウェストハム戦を見てみよう。

図3.ウェストハム戦20分のシーンより。

ウェストハムは3/クレスウェルをメインキッカーに、8/フォルナルス20/ボーウェンもプレイスキッカーを務める。キックの種類もインとアウト、ストレート含め複数のパターンを採用している。しかし、このゲームでもエバートンはニアエリアでの対策と強さを発揮した。

ここでの開幕戦からの変化は、アマドゥ・オナナが加入しスタメンを確保したことにある。

まず、チェルシー戦と異なる部分を確認しておきたい。

▼ウェストハム戦での特徴

  1. ゴドフリー、ミナ、ホルゲイトが負傷離脱しており、第5節のリーズ戦から3CB→4バックへシステムが変更。したがって、ニアエリアの中央にホルゲイトではなく8/オナナが入っている。

  2. ゴードンが守備/コーナーキックの配置変更。自陣低いニアポスト側から、ニアエリアの最も高い位置に。そしてパターソンがニアポスト側へ移行。この部分については次項にて解説する。

図3のケースではクレスウェルが左足でアウトスイングのボールを蹴りあげる。ウェストハムはペナルティエリアの上部で4/ズマ28/ソウチェクがくっ付いた状態から分散してニアとファーへ。中央では9/アントニオ11/パケタがフリーでポジショニング。24/ケーラーはニアからトリッキーな動きでマーカーを外す動きを見せた。

今回のバトルエリアでは3人の相手選手がニアに侵入してくる形。

▼ニアで優位に立つオナナの高さ

192cmの体格を活かしたダイナミックな動きが持ち味のオナナ。攻守におけるセットプレイでもその存在感は大きな影響力がある。


ここでオナナが前に立ちはだかることは大きなアドバンテージ。背後の相手選手の視線を遮り、後ろから30/コーディのサポートで侵入する選手を挟むことができる。ニアに複数の選手が寄る分、オナナとコーディ間のスペースが少ないため、オナナの高さを超えない限り、攻撃側は向かってくるボールにヒットすることが難しい。

オナナの左右もゴードンとパターソンが脇から入る選手を食い止める動きが可能。エバートンは開幕からのニア対策に数的優位役割分担を構築したが、その土台にオナナの高さを加えたことにより質的優位も達成することができているのだ。

尚、オナナをポジションに置くニア対策は、第5節リーズ戦に始まり、直近のトッテナム、ニューカッスル、クリスタルパレスとのゲームでも引き続き採用されている。


▼「いつでも頼れる」ターキー&コーディなのか?

今やリーグ屈指の英国産CBペアと呼び声高いターコウスキ(左)とコーディ(右)。オープンプレイのみならず、ドレッシングルームから、セットプレイに至るまで味方へ声をかけ士気を高める。


しかし、オナナの質的優位を活かした対策はあくまでバトルエリアがニアだった場合の話。もし、相手がペナルティエリア中央にスピードあるハイボールを蹴ってくると状況が変わってくる。第6節リヴァプール戦、63分のシーンはその最たる例だ。

公式ロング・ハイライトより。該当シーンから再生。
 Everton Football Club's official YouTube

ニアに人が密集すれば選手間の距離が狭まりスペースが限られる。だが、上記のシーンのようにリヴァプールはニアへ選手を送らずに、中央からファーへかけて選手を配置。エバートンのマンマーク担当は3名の為、当然ながらマークを受けない相手選手もいる。

ターコウスキとコーディの役割は中央でのゾーンディフェンスであり、危険なスペースに飛び込んでくる選手とボールに反応するため、敢えてマークを外している。よって、3人のマンマークを受けていないフィルミーノはフリーとなっている。

このシーンでは、ニアでのバトルと異なり、基本的な初期配置のままにオナナとコーディに距離感があることがわかるはずだ。そこにポジショニングセンスと駆け引きに秀でたフィルミーノ、オナナの頭上を越えるハイボール。鋭い軌道の高精度キックを繰り出したのはロバートソン。この相互間による状況が重なると見事にギャップを突かれてヘディングシュートを放たれてしまった。

幸いにもシュートコースがピックフォードの正面に。事なきを得たものの、失点をしてもおかしくないピンチだった。わずか数歩の駆け引きと、ボールの軌道によってゾーンディフェンスの目を搔い潜られる可能性がある。

対人能力の高い代表クラスのターコウスキとコーディは「声」を出せるピッチ上の副官であるが、「対人守備ができない位置とタイミング」では効力を発揮できないことを理解する必要がある。最もその場合には我らが守護神、ピックフォードの腕の見せ所でもあるのだが。


3.-危機を好機に-
ゴードンとグレイの配置

エバートンの両翼。10月、最前線にDCLが戻ってきた。序盤で苦しんだ彼らの攻撃バリエーションにも変化が期待される。

▼ピンチはチャンス

先ほど挙げた、ゴードンのニアエリアにおける配置。私はこの変更には理由があると考えている。同じくリヴァプール戦からピックアップしたい。

それは守備/コーナーキックにおけるポジティブ・トランジション対策だ。

c)プレミアリーグ第6節 
vsリヴァプール(H)


守備/コーナーキック
3',45',52',54',58',63',64',64',65',67'

65分、守備/コーナキックから相手陣内まで高速カウンターを繰り出し、モペイのシュートがアリソンに阻まれたシーンは記憶に残っている方も多いだろう。以下の要点をチェックして、そのシュートシーンを自陣ゴール前まで巻き戻してみよう。

  1. 前編で言及したが、エバートンは守備/コーナキックにフィールド・プレイヤー10人を動員する。そのため前線に攻め残りする選手が不在。

  2. ボールを大きくクリアすることはポジティブ・トランジションに移る前にポゼッションを失うことになり、ピンチの時間が継続してしまう。その状況を出来るだけ生まないために、自陣でリカバリーした後のカウンターでは素早くボールを運ぶ必要がある。

  3. ここで発揮されるのがエバートンのウインガー、グレイとゴードンのペアだ。このどちらかにボールが渡った時、それがカウンターのトリガーとなり、反撃の合図となる。

図4.リヴァプール戦65分のシーンより。

ターコウスキがクリア、こぼれたボールをカットしたオナナは素早く前進、近い位置をとるグレイにボールを渡す。ゴードンもすぐさま反応してカウンターで並走。この場面ではモペイなど他の選手もアグレッシブについて行く姿勢を見せるが、ここには時間帯とスコア、強気に人数をかけるダービーという特色もあったかもしれない。直後の67分には、守備/コーナキックからゴードンが単独でボールを運び、最終的に攻撃/コーナキックを獲得している(このシーンではモペイがゴードンを追い越す動き:動画8:38~)。

ちなみにこのマージーサイド・ダービー60分台の5つの守備/コーナーキックは非常に見ごたえのあるシーンばかり。コーナーキックに至った要因、耐えてからの反撃なども含め、改めて見返してみるのも面白いだろう。

他には第8節ウェストハム戦(21分)、第13節クリスタルパレス戦(51分)の守備/コーナーキックからのカウンターも非常に似通ったシーンだ。ウェストハム戦ではコーディがリカバリー後にグレイへ浮き玉パス。グレイとゴードンが並走し、相手のファイナルサードまでボールを運んだ。クリスタルパレス戦では相手にミドルサード手前付近でカウンターを阻まれたが、同じく2人でプレッシャーをかけ、近い距離感でポゼッションを奪回。再現性のある狙いとして汲み取ることができる。チームには守備/コーナーキックからのポジティブ・トランジションでの狙いが共有されている。

同様のケースからゴールに繋がった例として、昨季オールド・トラッフォードで決めたタウンゼントのフィニッシュは最もイメージしやすいだろう。グレイがキャリーしドゥクレがフォロー、タウンゼントが追い越していく動き。ゴードンとグレイの仕掛け、そして成功するには3人目の動きが今後のポイントになりそうだ。

上記の試合は前任者のチームだが、守備/コーナーキックのスタイルを考えれば、前線のスピードを活かしたカウンターは頷けるアプローチ。ピンチとはいえ、相手の守備も手薄になり陣形を整えるのにタイムラグがある。大きなチャンスに変わる場面でもあるのだ。


4.セカンド・アクションに用心を

今季、唯一セットプレイから失点した第4節ブレントフォード戦(A)。

コーナーキックはひとつのアクションで終わるゲームではない。ニア、中央、ファーと蹴り分ける以外にもショート・コーナーを利用するパターンも戦術のひとつである。また、守備側のファースト・インパクト(クリアやブロック)、1本目のパスに限らず、ファーに蹴った後の折り返しなど、ボールが行き交うケースも頻繁に発生する。攻撃側は素直にハイボールを送るだけでなく、守備側のズレを誘発させるため、意識を多方へ分散させたり、陣形を揺さぶることが可能である。

ブレントフォードを始め、多くの場面でキッカーを2人並べたリーズ、ショート・コーナーを多用したマン・ユナイテッドも特徴的だった。
ここでは第4節のブレントフォード戦をピックアップ。


d)プレミアリーグ第4節 
vsブレントフォード(A)


守備/コーナーキック
1',20',40',70',81',81',84',90'+1'

図4.ブレントフォード戦1分のシーンより。

ブレントフォード戦、開始1分のシーンを抜粋。
コーナーアークにはキッカーが2名。19/エンベウモ(左利き)と8/イェンセン(右利き)だ。ペナルティエリア上部には攻撃側の相手選手が1か所に集まった状況でスタートされる。インスイングかアウトスイングか、もしくはショート・コーナーなのか守備側に選択肢を絞らせず、序盤で対戦したチームの中でも独特なデザイン性がある。

キッカーが助走をとると、固まっていたペナルティエリアの相手選手たちは持ち場へと散り散りになる。ここで守備側にはマークにつく選手は誰なのか素早い判断が求められる。

▼守備の無効化

このシーンを観察すると、エバートンのマンマーク担当は基本の役割通り3名。5節以降、ニアエリアの担当になったオナナ(この4節のゲームではマンマーク役)、メインターゲットをマークするイウォビ、先発だったマクニールだ。

  1. 相手選手が散らばっていく中、マクニールは16/ベン・ミーを捉えているが、イウォビとオナナは相手を互いに分担しきれておらず、2人で13/ザンカを見てしまう瞬間が生まれている。

  2. ここでブレントフォードがとった選択肢はショートコーナー。エンベウモがイェンセンへ短いパス。受け取ったイェンセンはクロスを上げず、近寄ってきた2/ヒッキーへミドルパスを送る。

  3. この時点でエバートンの守備陣は既に錯乱されていた。オナナはイウォビとマーキングが被ったと判断したのか、別のマーク相手を探し視界に入った6/ノアゴーアの方へ。イウォビはこの時点で既に相手選手を見失っており、首をキョロキョロと振る仕草が見て取れる。

  4. そうこうしているうちにヒッキーはイェンセンからのパスをダイレクトクロス。エバートンのゾーンディフェンスは自分のエリアに入ってくる選手とショートコーナーによるセカンド・アクション及び、クロッサーであるヒッキーの方へ意識が向かい、完全にボール・ウォッチャーになっている。

  5. クロスの行方はそのボール・ウォッチャーとなったエバートンのディフェンス陣を越えていくファーにある。迂回してファーへ移動していたのはエースの17/トニーだ。開始直後の地に足がつかない中だったが、このピンチを防いだのは最後方のピックフォード。見事にパンチングで弾き返すことに成功した。

ディフェンスラインを越えられたなら、一番視野を保てるのはGK。一連の動きはほんの数秒の出来事ではあるが、10人の守備を無効化されたような守備/コーナーキックだった。

動画&補足:84分。エバートンが、今季序盤戦のセットプレイで許した唯一の失点シーン。得意なはずだったニアへのボールを相手に先に触られバックヘッドを許す。逸らしたボールはゴール前に詰めたヴィタリー・ヤネルトがゲット。まさにセカンド・アクションによってゴールをこじ開けた形。ここで注目したいのはこのゲームで先発していたオナナの交代。78分にトム・デイビスと代わっており、高さを失っていたことにある。そしてデイビスはこのコーナーキックでニアエリアの中央を担当している。バックヘッドでデイビスの前に出たのは途中出場のルイス=ポッター。決して上背があるわけではないが、一番前に出たゴードンの頭上を越え、ゾーンで捉えきれなかったデイビスとのギャップを突いた。

オナナやホルゲイトなど別の選手配置、開幕からの役割分担がされていれば失点は防げたかもしれない場面だった。逆に言えばこの試合を経て、次節からオナナがニアエリアを担当し始めたことは修正点のひとつとして理解できる。同点に追いつかれ勝利を逃したゲームだが、以後の改善のため勉強代となった出来事かもしれない。


◇さいごに

▼守備/コーナーキックまとめ

  • ニアは盤石に近く、数的優位(全員守備)と質的優位(高さ:オナナ)を保ち、役割分担ができている。

  • ゾーンディフェンスの中央から離れたスペース(ターコウスキとコーディが競り合えないエリア)や、ニアエリア以外での選手間の距離(ギャップ)を突かれると脆さが出る。

  • 守備コーナーキックをカウンターのチャンスに。ゴードンとグレイの突破力を活かす。

  • ショートコーナーや、一度弾いた後、ファーからの折り返しなど、セカンド・アクション、第2波の守備に課題あり。


流れの中では、杳として見えてこないセットプレイ。得点が生まれれば記憶に残るものの、そうでなければ忘れていくものばかりである。

未だセットプレイからの失点は「1」ではあるものの、研究され相手の精度が上回ればいつ状況が変わってもおかしくない。選手の離脱や構成の変更を余儀なくされる場合もまた然り。一方で、ここ最近の守備/コーナーキック回数は減少傾向にある(クリスタルパレス戦は4回)。

完全復活が近い。

また、DCLの復帰でセットプレイはより心強い構成になっている。現在はミコレンコなどが担当したゾーンのファー側にポジションを取るケースが多い(直近のクリスタルパレス戦では、その分ミコレンコがマンマーク担当に)。


次戦、クレイヴン・コテージで対するフラムは要注意だ。現在、プレミアリーグにおいてセットプレイからの得点数が7得点。これはリーグトップタイの記録である(10月29日時点)。試合中にはなんとなくしか見えなかったセットプレイでも、繰り返し覗いてみることで新たな強みや課題が発見できるだろう。フラム戦も楽しみだ。

できるなら、守備よりも攻撃/コーナーキックの回数が増えることを期待する。ピッチで散りばめられた少しの変化を摘み取れるよう、オープンプレイに限らず、セットプレイも引き続き観察していくつもりだ。今号の分析が後にひとつの過程として参考になっていれば幸いである。

課題と改善、様々なバトルと策略。あなたにはそのセットプレイ、どのように見えただろうか。


2022年10月 
月刊NSNO Vol.16

「臆病か堅実か?」
エバートンの守備/CKを分析する。

後編


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次号をお楽しみに!


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