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VOCALOIDが無くても生きていけちゃう話【ボカロリスナー presents Advent Calendar 2023】

はじめに

 皆さん初めまして、そうじゃ無い方は4ヶ月ぶり。
B,F(@BigBigfriend333)と申します。

 普段はボカロリスナーとして全曲チェックをしたり、曲紹介配信をしたり、ボカクラでDJをしたり、曲レビュー記事を執筆したりと、ありがたいことに色々と活動をさせて頂いている者です。

 ここ数ヶ月は転職活動やら主催DJイベントやら2年半付き合った恋人との別れやら引っ越しやらで、てんやわんやな日々を過ごしていました。
 新曲聴く暇もねぇ、金もねぇ、恋人もいねぇ。

 クリボッチのみんな〜〜〜!!!かこいち(@M_kakoichi)さんとえるん(@eluun_vocaDJ)さん主催のボカボッチで会おうな!!!約束だよ!!!

 はい、という訳で今回はobscure.(@voca6458)さん主催の『ボカロリスナーアドベントカレンダー2023』2枠目参加noteとなっています。
 年末恒例となったこの企画、なんと今年で5周年!毎年欠かさず参加させて頂いているので、とても感慨深いです。
 改めてobscure.さん、毎年企画してくださってありがとうございます。

 そして今回、初めて1枠目を逃しました……。
 1日気づかなかっただけで満員になるほど盛況なのは嬉しいけれど、悔しすぎるので今からでもクリスマス26日ってことにならねぇかな……。

 1枠目の前日担当はふむじま(@2m4i0a)さん、2枠目はnusa(@nusa_voca)さんです。
それぞれの担当記事がこちら。

※投稿され次第、追記します!

 また、本日15日の1枠目担当は楽宮(@Praying_VDE)さんです。記事はこちら。

 さて、5年目にして初のゆるめ枠参加。一体何を書こうかなと迷い今年もTwitterにてアンケートを実施しました。
 39票も投票してくださって感謝しかないです、あと絶対この投票数見て止めたでしょ。

みんなお気持ち大好きねぇ〜〜〜????????
アタシも好き♡

 という事で今回は書く書く言ってそのままになっていた『VOCALOIDから離れた2021年の備忘録』の供養も兼ねて、VOCALOIDが “無い” 生活を度々送っている私のお気持ちnote書いていきます!

 他人事じゃないよ、読んでいるあなた。


ボカロリスナー活動遍歴

 本題に入る前に、まずは私のボカロリスナーとしての歩みを振り返っていきましょう。年表をご覧ください!

【2011年】
部活の先輩と人生初カラオケに行き、『VOCALOID』という存在と出会う
※『十面相(by YM feat. GUMI)
オタクとして開眼、YouTubeCDレンタルにてボカロ曲をdigるようになる

【2012年】
VOCALOIDだけではなく歌ってみたなどの派生コンテンツに出会い、
より深くdigり始め、ニコニコ動画の存在を知り興味を持つ

【2013年】
ニコニコ動画に登録し、再生数関係なく様々な曲をdigるようになる
同時にニコ生界隈に足を踏み入れ、歌生主へ曲の布教活動を行う

【2014年】
曲の好みがより鮮明になり、かつ好みの曲が沢山投稿されている楽しい時期
また周囲の人間が誰もボカロを積極的に聴かなくなる

【2015年】
同上、同時期にこの2年間はVOCALOID衰退期であると知りショックを受ける

【2016年】
受験期、なのにボカロリスナー達と出会い過去イチ曲をdigるようになる
所謂『リスナー界隈』ができたのもこの時期

【2017年】
大学生となり、以前より積極的に曲をdigらなくなる
また同時期にリスナーが続々とDJとして活躍を始める
※VOCALOIDが ”無い” 状態

【2018年】
同上、周囲のリスナーと比べ曲を聴けていないと思い劣等感に苛まれる
※VOCALOIDが ”無い” 状態

【2019年】
ボーカロイドへようこそ』というニコ生番組と、全曲チェックを始める
そのご縁でDJ活動レビュー誌への寄稿をさせて頂くようになる

【2020年】
院進のため少し活動をセーブしつつ、なるべく曲を聴こうと足掻く
DJ活動やレビュー誌への寄稿は継続

【2021年】
『ボーカロイドへようこそ』活動終了
DJ活動やレビュー誌への寄稿は継続するも、社会人となりネットワーク環境が11月まで整わず新曲をdigれなくなる
※VOCALOIDが ”無い” 状態

【2022年】
『苔氏とB,Fのボカロ10選放談ラジオ(苔餅ラジオ)』というニコ生ラジオ開始
同時に全曲チェックを再開する

【2023年(現在)】
苔餅ラジオの定期配信を一時休止、それに伴い全曲チェックを休止する
DJ活動やレビュー誌への寄稿は継続
※VOCALOIDが ”無い” 状態

 はい、ざっくりとではありますが2011年~現在までのリスナー歴を振り返っていきました。いわゆる黎明期に出会い、大体12年程VOCALOIDを聴いていることになりますね。私も年を取ったもんだ……。

 その内4年程、私はVOCALOIDが ”無い” 生活を送っている訳ですが、皆さん年表を見てこう思いませんでしたか?


VOCALOID、あるじゃん?


VOCALOIDが “無い” って何?

 皆さんにとってVOCALOIDが ”無い” 状態ってなんですか?
曲を全く聴かない?ライブに行かない?リスナー仲間と関わらない?

 私にとってVOCALOIDが ”無い” 状態とは、新曲チェックをしないことを指します。

 それって本当に無いって言えるの?と疑問の方もいらっしゃるでしょう。実際私も他のリスナーと遊んだりラーメンを食べたり、カラオケでボカロ曲を歌ったりDJをしたり、そういった活動をしていたので完全にVOCALOIDを遮断した生活を送っていた訳ではありません
 ただ、私のリスナーとしてのスタンスは元々曲をdigることにあります。知らない曲と能動的に出会い、咀嚼する。そして近年はもっぱら、その矛先は日々新たに投稿される曲たちへと向かっていました。

 つまり、私にとって新曲チェックを能動的に行わなければそれはVOCALOIDが ”無い” 状態と同義なのです。だって今までそうやって生きてきたんだから。他の人にいくら慰められたって、自分で言い訳したって、納得できなければそれまでなんです。

 度々VOCALOIDが ”無い” 生活を送っている私ですが、最初のころはかなりしんどかった思い出があります。
 この頃は長年没頭していた演劇からも距離を取り、あれ程好きだったも読まなくなりも描かなくなっていたので、本当に趣味方面でカラカラに乾いていました
 私って何が好きだったんだっけ?とまでは行かずとも、大好きで人生を捧げていた幾つもの宝物が色褪せて見えることそのものにショックを受けていました。


VOCALOIDは私にとって負の時代の象徴だった

 そもそも、VOCALOIDに何故そんなにも没頭していたかなんですが、これにはきちんと理由があります。
 ズバリ、現実逃避です。

 上記のnoteは創作エッセイの皮を被った、当時初めてVOCALOIDが ”無い” 状態へ陥った私が吐き出した本音です。ちょくちょく誤記があるのは許してまだ10代なんだこの記事書いてた時。

 私の20数年程の人生の内、辛い出来事が大半を占めていました。ここでそれを詳らかに話すには余りにも多くの出来事があったし、大っぴらに話すことでもないので割愛します。身近な人は知っていることだし。

 そして当時、実は私どん底の頃と比べると結構幸せで。先述したことでもあるんですが、演劇から距離を置いたことが大きいんですよね。
 中高生の6年間を演劇に費やすくらい、演劇のことは大切だったし大好きだったけれど、同時にとてもしんどくって。理由は部活の顧問がもうとんでもないパワハラクソ野郎だったからなんです。一回それが原因で顧問をクビになったのに、数年後パワーアップして舞い戻って来たもんだからかなり参ってしまっていました。
 また私は家庭環境も終わっていたので、マジで周りに頼れる大人がいない状況で、友人に吐き出しても本質的には分かってもらえないという痛みを抱え、ひとり蹲り耐え続けるような状況でした。

 そんな中で出会ったのが、VOCALOIDだった訳です。
VOCALOIDは私にとって希望の光でもあり、道しるべでもあり、寄り添ってくれる友でもありました。でも同時に、痛みと密接に絡みついたものでもあったんですよね。演劇も一緒、辛い記憶とセットになってしまったんです。

 どちらも大切で、本当に大好きで。でもそれを楽しむということは、今なおジクジクと赤く爛れている傷口に触れることと同義で。そしてそこから離れたことによって心が軽くなることを知ってしまったんです。
 辛い現実から逃れるためのものが、いつの間にか自分を苛んでいたなんて、皮肉な話ですね。

 私は現実逃避のためのものから、さらに逃げ出していた訳です。
いつか、きちんと自分と向き合えるようになるまでは、と。


好きってだけでいいです

 そんな私ですが、ついに自分と向き合えるタイミングが来ました。それが2019年1月。何があったかと言うと、当時付き合っていて半同棲までしていた人に振られてしまったんです。

 当時の私は皆さんお気づきでしょうが、がっつりメンヘラで。まあしっかりと相手に依存していた訳ですが、振られる際に相手に言われた「お前には自分と言うものが無さすぎる」という一言を受け、怒りのあまり行動力の化身と化しました。
 相手が望むままに髪形や服装を変えていたのを止め、家族に奪われるからと過剰に貯め込んでいた金を金欠になるまで自分へ投資し、曲紹介のニコ生やDJを始め、全曲チェッカーとなり……。
 とにかく【じぶん だいじに】のコマンド選択をし続けたんです。

 そうすると自ずと自身と向き合うことになり、はたと気づきました。

私、色々なしがらみ抜きにVOCALOIDのこと大好きじゃん。

 この気付きって私にとって結構大事なことでした。例えば辞めてしまった活動の内、絵を描くことは私にとって「ただ絵が好きだから」が理由ではなく、当時の行き場のない気持ちを形にするための手段だったんです。そしてもう絵にぶつけるような感情は無くなり、描けなくなってしました。
 VOCALOIDも、同じなのかなと思っていたんです。でも違った、それがどうしようもなく嬉しかったのを今でも覚えています。同時に、趣味というものはただ好きなだけで良いんだとも思えました。大切な気付きです。
 お陰で私は今でもVOCALOIDを好きでいられているし、その後別件で心が折れた後もまた戻ってこられました。今VOCALOIDが ”無い” 状況にあるけれど、多分。また戻ってこられると信じられています。


全曲チェックってしんどい

 さて、ここでちょっと別の話をしましょう。VOCALOIDが ”有る” 生活に戻ってきてから、私は全曲チェックを始めました。なんでって?

負けたくないからだよVOCALOIDが ”無い” 自分に!!!

 はい。ただ好きなだけで良いなんて先ほど言いましたが、だからってVOCALOIDが ”無い” 自分を良しとなんてしたくありません。だって ”有る” なら ”有る” に越したことないじゃないですか。

 負けん気を携え大体3~4年ほど全曲チェックを続けていた訳ですが、今年は諸々忙しすぎて曲チェックをできていません。
 そこで改めて気づいたんですが、全曲チェックってしんどいんですよね。

 社会人になり現在24時間365日のシフト制で働いている関係で、休みの日や暇な夜勤中などに曲を聴く(むしろそれ以外で聴けない)生活を送っていたんですが……。

いや~~~、時間が足りない!!!
毎日毎日コツコツその日の曲を聴ければ良いんですが、仕事のある日はデフォで12時間拘束なので、どうしても仕事終わりには聴けないんですよねしんどくて。
 そうなるとどんどん負債が溜まっていって、数日分まとめて聴かないといけなくて、休みの日は曲を聴く以外基本何もできないような状況になります。全曲チェックを始めてから中々コンシューマゲームなどやる機会がなくなってしまいました。

 そして全曲チェックを休止して、もう本当に時間が増えたんですよ。時間に追われないし、他のやりたいゲームもできるし、ふらっとどこかへ出かけることもできる。久しぶりの自由にすごくワクワクしたし、楽しかった。
 ただやっぱり、新曲を聴けていない=VOCALOIDが ”無い” 状態へのストレスがかなりありました。だってライフワークみたいなもんになってましたから。また全曲聴く以外の曲のdigり方も忘れてしまい、どうやって曲と出会えば良いのか分からない状態にも陥りました。身体が全曲チェックに最適化されすぎるのも困ったもんですね。

 「好きなだけで良い」と分かった後でも、それでも染みついた曲を聴くことへの強迫的な思いは消えないから。まだ負けたくないから、自分にも、周りのリスナー達にも。
 その気持ちがある間はまだ足掻いていたいと思っています。そのための準備期間だと、今はぐっと堪えて


「俺は弱い」と泣いた夜

 そんな地面で藻掻いているような日々を過ごしている中、ある日私の心が限界に達する事件がありました。それが『ボカクロ号泣事件』です。

 私はボカクラ(合成音声がメインで流れるクラブイベント)の主催やレギュラーを幾つかやらせて頂いているのですが、その中のひとつ『VOCALOID Crossing(以降、ボカクロ)』の10月回にて事件は起こります。
 私は準レギュラーと言う立場のため、偶数月にやっているボカクロですが、たまにお休み回があります。10月回はまさにそれ、その日は客としてまたイベントクルーとして、きちんと仕事をしなければと思い沢山お酒を飲み、周りにも勧めていました。

 ここだけ見るとただの酒クズと勘違いされそうですが、実はクラブイベントと酒には切っても切れない関係性があります。
 クラブイベントの収入は主にドリンクバックと呼ばれるもので賄っています。会場側が一定の売り上げ最低保証を設けていることが多く、そのラインを超えた分の内数%がイベント側にキャッシュバックされるシステムです。
 つまり、簡単に言うと酒が売れなければ売り上げが立たないんですね。実際私が主催をしている『VOCALOID White Chill Out』では、2回連続赤字となっています(元々売り上げを求めていないイベントでじはありますが)。

 またボカクロの直前、チーム主催でのイベント『Decaders』という1998年生まれDJ&VJオンリーのオールジャンルイベントが、様々な面で大成功を収めていたんですね。同い年の最強なDJ達と最高のイベントにできたことは喜ばしいし、誇らしかったんですが……。
 そこで思ってしまったのが「私は果たして何の役に立てたんだ?」と言うことです。

 Decadersの運営チームはFAIO(@FAIO1230)さん、KikKuU(@KikkuuSound)さん、temura(@temura_vit)さん、私、そして最近チームに入ってもらったh a r u(@haru_brvc)さんという、まあ各方面で大活躍中のDJ達なんです。マジでリスペクトしかない、皆ホントに凄い。
 イベント当日も素晴らしいプレイングを披露して、お客さんも呼び込んで、お酒も沢山飲んで、大活躍だったんですが、私は物凄く自分が情けなくて

 ただでさえ皆と比べてDJとして歴が浅く、スキルも無い。オープンDJとしてすべき仕事はきちんと果たしたと自信を持って言えますが、やっぱり比べちゃいますよね

 だからこそ、今後よりいっそう頑張らねばと思いボカクロでは沢山お酒を飲みました(飲めないお客さんに渡された分のお酒も)。だってDJとして出演しない回なんだから、貢献できることって売り上げしかないじゃないですか。
 そしてはい、潰れました。物の見事に酔っ払いと化して、DJとしてもリスナーとしても力不足な自分が情けなくって大号泣してしまいました。

 クソ迷惑野郎……。その節は皆さんご迷惑おかけして申し訳ありませんでした、記憶は一ミリも無くしていないので後日個別にごめんなさいしに行きましたが改めてここで謝罪します……。

 そして翌日リスナー仲間の服を買いに行って、残った私、「め」(@mememe_me_me)さん、ちるぶ(@chilb_lain)さんの3人で約7時間も鳥貴族で飲む羽目になったんですが、そこでもまた事件が起きます。
 前日のボカクロで泣いてしまった話を笑いながら話していたら、段々全員がVOCALOID由来の何かしらで現在苦しんでいることが判明し、もう全員で泣き始めるという珍事件が起きてしまったんです。ずっとVOCALOIDをしていると、やっぱり苦しいことがあるんだなぁ皆……。

 俺は弱いと泣いても、きっとそれは私だけじゃなくて、同じように足掻く仲間がいるんですね。

 ……ONE PIECEって実は人生のすべてだったりする?

閑話休題

 その限界飲み会で、どんな結論が出たかと言うと……。

 めさんが語ってくれたhyperpopの、ひいてはいおぎりょう(@Iogi_Ryo)さんの『KEEP YOUR HEADACHES』持つ、純粋な音楽への喜びとエネルギー、そして激励の話が思いっきり頬を殴られてしまいまして。

このまま
KEEP YOUR HEADACHES
万物を変えていこうぜ
痛みは己の炎で
焦がしつくすまで待て


音楽は祈りを越え
平熱で容(かたち)が融け
お前の光がまだ
世界を照らすと信じてるから!

 いや歌詞ヤバない???タイムリー過ぎるでしょ。

 サビの全てを掻き消すかのような轟音の中、本当に大事な言葉を隠すこの手法に度肝を抜かれました。
 しかも「平熱で容(かたち)が融け」と言う部分、形が融けるほどの高熱を「平熱だ」と言い切っているんです。こんな激励がありますか?私は初めて受け取りました。

聴いた人全員を抱え上げ、ただ真っ直ぐ光を放ち音楽の持つ力を信じて進む姿。あまりにも眩しいし、私もこんなところで自分の弱さに泣きじゃくって蹲っている場合じゃないんだと改めて思わされました。
 ありがとうhyperpop、ありがとう『KEEP YOUR HEADACHES』。


終わりに

 ここまで読んでくださりありがとうございました!
まとめると、「VOCALOIDが無くても生きていけちゃうけど、そんなの嫌だ俺はまだまだ抗うぞ」というお話でした。期待していた内容と違ったらごめんね。

 生きていくって色々なことがあって、己の不甲斐なさに蹲ってしまうこともあります。
 VOCALOIDのことが大好きで大切だからこそ、ちょっと複雑に考えすぎちゃうこともあるんですが、もう大丈夫です。

 胸に灯る確かな熱を原動力に、私は走り続けることができます。
そして、立ち止まったって良いんです。胸に宿るその炎は消えないのだから。また自分のペースで歩き出せば良いんです。

VOCALOIDが大好きだって気持ちは、どうやったって変わらないのだから!

 だからこそ皆さん、最後はこの言葉で締めましょう。


良きVOCALOIDライフを!!!


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