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『死の天使の光輪』

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初の短編小説。青年はささやかな物書きであった。彼は物語を書くために、ある廃墟へ赴く。
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『死の天使の光輪』第四章

『死の天使の光輪』第四章

「君の気が済むまで聞いてあげるから、話してごらん」
 風が少女の髪を揺らす。少女の表情は今まで以上に、更に明るく輝いていた。少女は《真理》を語り始める。
「目に見える世界と目に見えない世界には境というものは無い。二つの世界は境無く繋がっていて、互いに影響を与えあっている」
「目に見えない世界と繋がっているということは、目に見えない存在との繋がりもあるってことだよね。例えば守護天使とか……」
「そう

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