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"プレゼント" の本当の意味を、わたしは今日まで知らなかった

プレゼントをもらった。家族でも彼氏でも友達でもない人に、プレゼントをもらった。

明日がわたしの29回目の誕生日なのだが、今日前職で一緒だった2人とたまたまご飯を食べることになり、到着するとすぐにプレゼントをくれた。

プレゼントをくれたのは前職の元取締役の方で、わたしが会社を去ったのとほとんど同時に彼も事実上会社を離れていた。今年の2月の話です。正直なところ、けっこうひどい会社で、わたしとその取締役が抜けてからたった3ヶ月で社員の9割が退職している。

わたしたちは、社長と社員の間に立つクッションの役目を果たしていて(わたしよりも彼の方が信頼はものすごく厚かったけど)、なんとか組織を良くしようと一緒に考え、動き、落ち込み、慰め合っていたような間柄だったとわたしは認識している。彼は社長と一緒に会社を立ち上げたような方なので、もちろんわたしよりも遥かに経験もあったし、思考も深く、とても尊敬していて、「わたしたち」と一括りにするのは恐れ多いのだけれど、それでも、わたしはある種同志のような、そんな感覚を抱かせてもらっていた。

そして今日、プレゼントをくれたのだ。ニートを存分に満喫している彼からもらったプレゼントは、Pelicanの万年筆とインクだった。

誕生日と、これまで色々助けてもらったから、と言って渡してくれた。その場ではなんとなく予想がつかなすぎて中身を直接聞くことができなかったのだけれど(バスソルトとか、なんかのクリームとか言われた時にどう反応すればいいか分からなかったので)、家に着いて、リボンをほどき、包装紙を破り、箱を開けた時、胸がぐんぐん高鳴って、なんだろう、とにかくものすごくときめいたのだ。胸のあたりから頭の先に向けて、何かの物質が勢いよく湧き上がる感じ。

決して、わたしは万年筆が特別好きとかではないし、実際にPelicanの存在すら申し訳ないが知らなかった。それでもこんなにときめいたのは、インク瓶のフォルムのかっこよさとか、書くこと自体が元々好きだけど万年筆は持ってなかったからとか、箱のデザインがすごく好みだったとか、色々あるのだけれど、万年筆の色が白とターコイズで、インクが緑(JADEという名前)である点もかなり大きい。というのも、わたしは青緑的な色が激しく激しく大好きだからだ。

好きな色をもらったから嬉しかったのか、というのではなく、緑のインクとターコイズ色の万年筆を選ぶのって、簡単にできることじゃないことが良く分かるのだ。わたしのことを良く知っていて、それでいてすごく考えて、予算よりも何よりもあげたいもの、そして、わたしが喜んでくれそうなものを選ぼうと思わないと出てこない解だと思うのだ。

本当にわたしに感謝の気持ちを持ってくれているんだなってことがこんなに伝わるプレゼントをもらったのは初めてで、なんだか胸がいっぱいです。こんなに意味が込められたプレゼントってあるんだなってとても感動していますし、物にこんなに意味を込められること自体にもすごく感動している。そして一緒に働いた時間をすべて承認してもらえたような気持ちがして、シンプルに嬉しい。過去を意味のあるものに変換させてもらえたような、大袈裟だけどもっと言うと、わたし生きててよかったんだ、そんな気持ちです。本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

こんな素敵なプレゼントを贈れる人間に、わたしもなりたいと思います。

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