人間の熱量は、負の体験から生まれる

人間の熱量は、負の体験から生まれると聞いて、やっぱりそうだよな、と思った。

1992年に生まれたわたしの同年代は、2011年の関東大震災に影響された人がたくさんいる。そんな社会的な負から、家庭環境などの個人的な負まで、人間が体験する強烈な負は、その人の価値観形成に大きな影響を与えるというのだ。

やっぱりそうだよなと思う。わたしも人生で一番わたしに大きな影響を与えたのは高校時代の負の体験からだ。

何度もnoteでも触れているけれど、高校時代の摂食障害の経験は、わたしにかなりの影響を与えてくれた。あそこまで心身ともにきついことは、もうこの先、死ぬ時くらいだろうと思っている。

保健室の先生には、このままだと死ぬから階段を使わずにエレベーターを使えと言われたし、生理が半年止まっているのも気づかなかったし(当時17歳だったけれど、女性ホルモンの値が小学生以下だった)、髪は細くなり、肌はガビガビに乾燥し(ハウスダストアレルギーの値が尋常じゃなかった)、人と会話しようと思っても脳が追いつかず言葉が出てこなかったり、それでも太りたくないからバレー部を続けていたら筋肉が落ちていたせいで肩を脱臼して気絶したりした。人生で唯一、死にたいと思った。

摂食障害の内訳は、拒食症と過食症で、拒食症の期間は1年半くらいで、食べ物に対して正常な反応ができるようになるまでは7年くらいかかったと思う。「正常」というのは、「お腹すいた」と他人に言うことができて、「お腹がいっぱい」という感覚があることである。

どういうことかというと、摂食障害を経るとわたしの場合は、「基本的に食べ物は罪悪感のあるものである」という概念が植えつけられてしまっていた。だから食べないことはいいことだし、食べているのは恥ずかしいことである、と思っていたのだ。そして食べ物をカロリーとしか考えていないので、お腹がいっぱいかどうかは、カロリーが多いか少ないか、つまり数字を頭で判断することによって決まるのだ。身体的な満腹感などは存在しない。

あれから10年経ったいまは、摂食障害になる予兆はもうない。お腹が空いたらお腹が空いたと言葉にして伝えられるし、満腹かどうか体が判断してくれるようになった。

でも、肩の脱臼や、拒食症から過食症になって急激な体重増加によるたくさんの肉割れとか、ハウスダストアレルギーから派生したアトピーとか、子供も本当に産めるのかどうか定かではない(特にここ最近は生理不順だ)けれど、検査に行くのも怖い。

と、こんなにわたし苦しかったんだよということが書きたかったのではなくて(またいつかもっと詳細に書いて昇華させたい)、わたしが摂食障害になったきっかけを書こうと思っていたのだ。

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当時わたしは中3で、中3らしくニキビがたくさんできて、ちょっと体もぶくぶくし始めていた。そんな時、中1からずっとわたしのことを好いてくれていた男の子がいたのだけれど、彼がわたしの友達を好きになったのだ。そして「細くてかわいい」と言った。なるほど、女は細い方がかわいいのか。単純にそう思った。たしかに雑誌に出ているモデルはみんな細いし、細い方がかわいいんだ。

その日からわたしはレコーディングダイエット(自分が食べたものとカロリーをすべて書き出すダイエット法)を始めたのである。

見事に半年くらいで158cm55kgくらいだったわたしの体は、38kgまで落ちた。このくらいになると、もはやお風呂の鏡で自分の全身を見るのが嫌になってしまった。気持ち悪いと思ったけれど、食べるのはもっと気持ち悪かった。

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「架空の理想」を突きつけるメディアが悪だと思った。人間には特徴のひとつである骨格があって、健康状態の見た目は人によって違う。それなのに過度にダイエットを促したりだとか、「綺麗」「かわいい」の架空の理想を堂々と大きく提示してくるんだ。白くて細くて目が大きければ良いわけじゃないだろうよ。

Abemaの高校生の恋リアに出演しているような子のインスタもよく見ているけれど、彼女らのファンもいつも、使っているカラコンだとか、ダイエット方法だとかを聞きまくっていて、怖いなと思う。

まだわたしの時代は、提示された架空の理想が遠い存在だったから、細いか太いかくらいしか分からなかったけれど、いまではまるで友達かのように直接聞いたりして直接的な影響を受けられるから、怖いなと思う。手が届く存在だと思うと、余計に劣等感に駆られるんだろうなって。一生懸命真似をしたって、自分はどこにもいないのに。

美容整形も今後どんどん加速するんだろうな。普通に居酒屋でも軽々しく整形の話をしていたりするから、どんどん安価で一般的なものになっていくんだと思う。遺伝子は自分の元の顔なのに。遺伝子レベルで変わってくれるならいいなと思うんだけど笑。わたしは整形、反対派です。というもの完成がないと思うから。芸能人だって整形するくらいなんだから、一般人の整形は際限ないのではと思ってしまう。

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と、まあこういう体験や想いを仕事に繋げていきたのだけれど、どう繋げようかなとずっと考えて生きているわけである。いま書いていて、やっぱり後半の、この体験からどう考えたかの部分はあまりタイピングする手がそこまで速くならなかったから、ここをもっと深掘りして、本当の気持ちを炙り出すのが先決かな。




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