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#14 自分の身を守る為に記憶を消す

小学二年生のとき、交通事故に遭った

しかし、事故が起きた時の記憶が一切ない

9月23日の午後、近所の文具屋に行くために家を出たことは覚えている

その後の記憶がない

目覚めたら、病院で横になっていた

母にこう言われた。

私が道路を渡ったときに左から走ってきた車に左脚をぶつけた。
その後、私の左脚がプラプラしてた。
私は身動きが取れず、大泣きしてた。
私が救急車に運ばれた。


母に言われたこと全てが全く思い出せない。
というか、記憶にない。

家を出てから病院で目覚めるまでの間の記憶がない。
私の中では無かったことになっているのだ。

結局、左脚骨折で全治2ヶ月の為入院となった。
これが一番ショックだった。
家に帰れず、一人で眠るのが辛かった記憶は残っている。

後日事情聴取で警察官達が私の元を訪ねたのだが、事故当時の記憶がない為、何も答えられない。

警察官「近所の文具屋さんに行こうとしてたんですよね?」

私「はい。」

警察官「文具屋さんの反対側の道に渡ったようなんですが、反対側の道で涼む為に渡ったんですよね?」

私「多分そうだと思います。」

その時に文具屋さんとは反対側の道を渡って事故に遭ったことを知った。

事故当時は晴れてて暑く、反対側の道が日陰になっていたらしいので、涼を取る為に渡ったのだろう。

自分でやったことなのに全く思い出せないので、全て推測でしかない。
だから自分が取った行動を「多分」でしか言えなかった。

事故に遭って2ヶ月後に、骨折した骨は繋がり、私は無事退院できた。

あの事故から20年以上経った。
事故の記憶が全くないので、車道や横断歩道に全くトラウマを感じることなく普通に歩けるし、

運転免許も取得し、今も普通に車を運転できている。

「事故の記憶が残るとトラウマになるから、脳が記憶を消したのかな?」と思った。


先日、友人にこの話をした。

彼が答えてくれた内容をまとめると、次のようになる。

体に受ける衝撃が大き過ぎると自分自身でその衝撃を受け止めることができないので、それを避ける為に本能がその時の記憶を消している。

私が経験した交通事故の場合、私の左脚が車にぶつかった衝撃があまりにも大きく、私の本能が私の記憶を消した。



友人の話を文章にしながら、こう思った。

がんなどの手術で全身麻酔をした状態に似ているのかな。

全身麻酔している間は意識なくなるから、手術したことの記憶は残ってない。
それと同じ原理なのかもと思った。


ちなみに友人曰く、飛び降り自殺したときに体に受ける衝撃の大きさは約1トンらしい。

この場合も飛び降りたときの記憶は無くなる訳だ。

まあ飛び降りて助かるかどうかは分からないが。

1トンの衝撃ではないにしろ、

事故で私が受けた衝撃は本能が記憶を消すほどかなり大きかったんだろう。

すごい経験をしたなと、今になって思う。




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