変わるアスリートとスポーツチーム
こんにちわ。今日も続きでエコロジカルアプローチや制約主導アプローチについてです。
ずっと書いて来ましたがエコロジカルアプローチや制約主導プローチにおいて環境や状況を設定することでそこから得られるアフォーダンスが選手の動作を作り、環境や状況に適応変化させていくことこそがスキル習得に重要である。としていました。ちなみにアフォーダンスとは環境から得られる外的な知覚のことです。
先日も書いた通り、伝統期なアプローチでは「事前計画+正確な実行」という運動制御モデルでした。これらは、環境の変化の少ないところで安定的にパフォーマンス発揮できるという利点がある。一方で、予測が困難なトラブルや邪魔が入ると機能しづらくなるのがデメリットです。サッカーやラクロス、バスケなど闘争のスポーツでは非常に再現性が低いものになります。
これに対して、エコロジカルアプローチでは絶えず運動課題(制約)を与え、学習自体が探索するタイプのトレーニングを推奨しています。常にプレイしながら機能機な解決策を探索し発見を続けることが重要だとしています。つまり、『学習者のプレイ中の探索+適応的なプレイの実行』を引き出す方がスキル学習でも、味方の選手との協調に関する学習でもパフォーマンスが高くなるというエビデンスです。
やったことがないからできません!ではなく、未知の状況でも解決できるアスリートを育成するにも、答えを教える指導者ではなく、環境提供できるコーチへの進化が必要です。選手の中には新しいメニューにメニューの変化に対してネガティブな選手もいます。コンフォートゾーンの外側のメニューになるからです。うまくいかないメニューを『やらされている』と感じる選手もいるでしょう。挑戦的なチームが伸びるのは新しいことに対して『探索→解決』が染みついている気がします。
スキルを習得するとはどういうことか?
これも面白いところで、パワプロとか、ウィイレとかゲームやっているとたいてい使い分けられている概念です。ステータス数値、スキル、タレント、など。多くの場合、スキルは試合中に発揮されるも。他者に影響を与えるものもしくは与えられるモノを示している。そして、ステータス数値が更新されることがあってもスキルは変動しない。ゲームによるとは思いますが、数値の合算よって得られるものはテクニックとされ、一定の条件下の環境を積み重ねると習得できるような形になっているものが多いような気がします。ゲームもただの遊びじゃないですね。。。。
話を戻しますと、環境は常に変化するし、学習者自身も常に変化を続けています。それらに常に自身の動作を適応させていく。これがスキルです。エコロジカルアプローチでは、『人は動作を学ぶ』ことができるのではなく、『動作を学ぶことを学ぶことができる』としています。ラクロスでいえばパス&スロー、シュート、クレイドルのコントロールはあらゆる距離や角度でして置かなければならない。スキルとは眼の前のタスクのために身体が利用可能なアフォーダンスを瞬間に知覚し、動作を適応させることです。
例えば、壁の穴を塞ごうとして、その場では思いつかなかったが、あるものを手に取った瞬間にこういうふうにも使える!とあるモノの使い方を適応させるのもアフォーダンスです。これが身体であればスポーツになることが多い。エコロジカルアプローチの提唱者であるキース・ディビットはこの本質を『スキル習得はスキル適応』と表現しています。
ラクロスにおいてまったく同じ状況でパスを受けることもドライブすることも、シュートを打つこともありません。類似した状況はあるかもしれませんが。。これを前提した場合、トレーニングの目的は特定の動作の解決策を蓄積していくことではありません。プレイをしながら自身で解決策を探索し、発見する能力を養成していくべきなのです。コーチは不慣れな練習課題を提供し続けるべきです。このソリューション(解決策)を探索実行を繰り返し続けることが『プレイの自動化』です。
注意のフォーカスとプレイの自動化
近年、『プレイの自動化』『動作の自動化』という言葉を耳にすることがあります。認知した瞬間に判断の時間を可能なかぎり短縮し、実行するという意味で使われています。しかし、それは少し誤解があります。プレイの自動化とは絶え間ない探索と実行の繰り返しのことを意味します。
では、どうやったら探索実行を繰り替えず、『プレイの自動化』を行うことができるのか?それには『注意のフォーカス』が重要になってきます。
プレイの自動化は『外的な環境に対する適応』です。つまり、重要な情報は、学習者の『外側』にあるということです。プレイヤーが『自身の動作』ばかりに目を向けているとは『重要な情報』は得られないとうことです。
しかし、ラクロスの指導の難しいところはここです。
多くのラクロス指導者は初心者を対象に指導することが多い。クロスを持ったことがない人がボールを投げる、取る、持って走る。このときに多くの指導者がやっていること過剰な口頭指示による動作指導、それによる内的フォーカスの促通です。後にのべますが、学習には2段階あるとされています。ある程度は仕方ないのですが、可能な限り早急に外側に注意を向けさせる。それに適応させるほうに指導を変化させることがきっと今後のラクロス指導者全体の課題となってくるのではないでしょうか。。。
今日はここまで次回は学習の段階に触れていきたいと思います。
読んでいただきありがとうございます。普段はコーチとして指導していますが、新しい活躍の場を探しております。興味のある方は気軽にお声がけください。ラクロッサーでnote見える人少なそうですが。。。
最近YouTubeチャンネルを開設しました。よかったらOne play wlaxで検索してください。数秒~1分程度の得点シーンなどの動画を上げています。フリーシュートやドローも含めてあげています。学びの参考に。
でわ。また。。
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