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ラクロスがうまくなるってどういうこと?

こんにちわ。今回はラクロスがうまくなるってどういうこと?です。
一般的にうまいって聞くとテクニックがある選手だったり、すごいプレイをする選手といったイメージがあります。うまい=強いでもないし、うまい=テニクニックがあるわけでもない。では、うまいって何でしょうか。選手自身もうまくなったと実感できた時とはどんな時でしょうか。考えてみたいと思います。

うまいという概念

上手という言葉を辞書で引いてみると、物事の運びが自分の望むとおりである。都合がよい。物事のやり方が巧みで、手際のよいこと。また、そのさまやその人。といった感じで書かれていました。テクニックに富んでいるという選手をうまいというなら、やり方が巧みであるといえるでしょうか。これは一般的な方が選手を見たときに受ける印象でしょう。しかし、コーチや元選手のように知識のある人にとっては手際が良い、運びが思いどうり運べている印象を受けるプレイをうまいと表現することが多い。

日本のうまい選手と北米のうまい選手の違い

YouTubeのおかげで日本に居ながらにして北米の試合をたくさん見れるようになりました。ほんのと配信してくれてありがたいです。世界をけん引する地域は懐が広い。日本とは違う。冗談はさておき。
日本の女子ラクロスと北米の女子ラクロスを比較すると以下の違いがあるように私には感じられます。

日本:美しい、テクニカル
北米:知覚と判断、泥臭い

意外に思われる人もいるかもしれませんが、私はこのように見ています。フィジカルやテクニカル、ラクロスIQの部分は大した差はないでしょう。コンタクトの部分では北米は強いですが、女子はルール上強くは押せない。むしろ、スピードや小回りが利く日本のほうが本来有利なはず。ラクロスIQの部分についても勤勉な日本は北米に勝るはず。それは女子バスケや女子サッカーが過去に証明しています。

では、なぜ上回ることができないのか。

その原因ともいえるのが上記の違いだと私は考えています。日本チームはきれいな形で完全に崩せないと点が取れない。北米はきれいに崩せなくとも点を取れる。キャッチの個人テクニックに大きな差がある点は否めませんが、『空いているところが観えている』『そこに出す判断ができる』この二つが何よりも違う。

知覚+判断=情報処理速度

北米の選手はなによりも知覚の部分のスキルが高い。空いているスペース、アドバンテージのある味方をしっかり見ている、アドバンテージがない選手も自分のポジションとポジショニングが観えている。だから、とにかく判断が早い。知覚している情報量も多いうえに、最も重要な情報がどこにあって必要な情報がなにかを取捨選択できる。くわえて、知覚→判断→実行までが早い。この情報処理速度の速さこそが北米を支えている。実はサッカーと同じことがラクロスでも起こっている。

つまり
1.収集できる情報量の差
2.多い情報量から本当に必要なもの厳選できている
3.それらを判断→実行するまでのスピード

もっと言うと

これは北米と日本のラクロスのルールによる差とも言える。

ショットクロックである。

北米ラクロスにおいて、ショットクロックは単に競技の点数が動くことで観る側が楽しめるというだけではなく、ラクロスの競技の本質的な部分を強化することにも一役買っている。

それは、環境の変化への対応能力である。

ラクロスの本質的な部分とは

ラクロスの本質的な部分とは環境適応に他ならない。陸上最速の球技と言われるように、とにかくスピードが大事なのだ。これは単に球速を形容しているだけではない。その球速に合わせてあらゆるものが最速である必要が出てくる。いかに早くたくさんの情報を観て、優先の順位の高いものを分析し、判断し、実行に移す。それらを攻守にわたってお互いのチームが競い合っている。これがラクロスというスポーツの本質的な部分だと私は考えている。

実はラクロスIQという言葉だけが先行してパズルのような動きのシュミレーションができる人がラクロスIQが高いと言われるが実は本質的ではない。

誠にラクロスIQが高いと言われる人は、盤上の物事ではなく、フィールド上での点を取る、ボールを奪うを知覚から実行までのプロセスを最速で情報処理できる人のことを指している。

しかも、それを認知機能が低下する心拍数140以上の状態で、動きながら行う。

ラクロスインテリジェンス

ラクロスIQと同じような用語ですが、これは『変化し続ける状況に対して、チームが勝利につながる最適解を複数だせること、そして素早く導き出し、実行すること』です。

では、私たちコーチは何ができるのか。

1.知識を増やしてあげること。しかし、これはある意味ティーチングです。多用するべできではありません。試合中の最適解は自分で導き出すものです。
2.知覚することを促す。的確なフィードバックを与える。

これはティーチングではありません。観えてた?次はどこを変えたらできる?今のは〇〇になっていたね。とあくまで事実を伝えるもしくは事実を確認する。外的状況がどうなっているかを考えてもらう。自分の内面にフォーカスをもっていかない。

ラクロスがうまくなるとは

ラクロスがうまくなるとは、目まぐるしく変わる状況に対して、最速であらゆること知覚し、分析と判断(残り時間、点差、審判、疲労、相手の状態、自分たちの状態、)、最適解を複数だし、実行に移す。

おそらく、選手自身もコーチ自身もラクロスがうまくなったと感じるのはこういったことがスムーズにできるようになったときではないでしょうか。

本日も読んでいただきありがとうございます。常に新しいコーチ先を探しています。もしよろしければ声をかけてもらえたら幸いです。

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