数江良一

BBT大学院教授 ケロッグMBA 飲食店経営 JASソムリエ 早稲田大学卒後日産で北米…

数江良一

BBT大学院教授 ケロッグMBA 飲食店経営 JASソムリエ 早稲田大学卒後日産で北米向け製品企画担当 ルイヴィトンジャパンMKT部長、バカラパシフィック代表、米国タイメックス駐日代表を歴任、1997年マーケティングスコープ社創業 夜学の経営塾BLTCを主宰 ジャズピアニスト

最近の記事

ダイナミックプライシング

昨今ダイナミックプライシングという言葉が話題になることが多い。 卑近な例がタクシー料金。長期化するタクシー不況の打開策として、雨の日や月末など需要が大きい日は値段を上げる。その代わり空車待ちの多いような日は下げて利用を促進する。そのような検討が国土交通省を中心に実証段階にあるとのこと。目的は異なるが高速道路の混雑を回避する手段として高速料金を変動化するという案も。オリンピック下で首都高利用車に1000円を付加したのが発端だ。今後様ざまな場面でこういった検討が始まり、導入事例も

    • クレームは宝の山?

      そもそもクレームという表現は典型的な日本語英語。本来のクレームとは契約条件を違える際に申し立てる損害賠償のこと。それに対して日本で日常的に使われるクレームという表現は、買った製品や受け取ったサービスに対する不平不満を意味している。更に拡大して騒音やごみ問題等生活上の苦情を申し立てる場合にも使われる。不満感情を露にすることから、執拗にクレームを言い立てる人物はクレーマーと呼ばれることも多い。だからここでは敢えて馴染みのある日本語英語のクレームという表現を使って考える。 概して

      • 初めての転職

        初めての転職 僕が足かけ16年勤めた日産からルイヴィトン・ジャパンに転職した切っ掛けは、バブル前夜の1986年暮れ、ヘッドハンターの紹介でルイヴィトンを世界的なブランドに押し上げた立役者秦郷次郎氏にお会いして気に入られたこと。二回目に飲みに誘われてこう口説かれた。「EUの統合でルイヴィトンへは、ファッションや化粧品、お酒など多くの老舗ブランドがルイヴィトンの成功にあやかりたいと自分たちから傘下に入って来た。本社からはそれらの再立ち上げを頼まれているが片腕が欲しい。僕は流通革命

        • シニアマーケティングついて思うこと

          シニアマーケティングについて思うこと シニアマーケティングという言葉が盛んに使われるようになったのは、いわゆる団塊世代と呼ばれる昭和22年4月から24年3月生まれのベビーブーマー合計約750万人が、そろそろ当時の定年基準だった60歳に差し掛かるころだったように記憶している。持ち家のローンも完済し、退職金も満額手に入れた上での年金生活という意味で逃げ切り世代ともいわれる。当時女性の進学率は1割程度でまさに男性社会。転職などの事例は少なく、その多くは企業戦士として働くことを生き

        ダイナミックプライシング

          D2Cに関する考察

          D2Cという言葉が至るところで聞かれるようになった。響きはB2BやB2cに似ているが、その延長線にはなく、革新的なビジネスモデルと理解すべきである。文字通りの訳はダイレクト・トゥー・コンシューマー(直販)だが、一旦それは忘れた方がよい。 D2Cを語るには最新のテクノロジーを駆使していることが大前提だ。飛躍的な進化を続けているIT,AI技術は更なる応用技術の進化をもたらし、今やモノづくりから販売マーケティングに至る様ざま分野に拡散し、その利用コストの低さからスモールスターターに

          D2Cに関する考察

          私的マーケティング論

          私的マーケティング論 一概にマーケティングといってもその分野は広く、かつ日進月歩、AIの進化にコロナ禍が後押しする形で遅々として進まなかったDXが動き出し、SNSにも新手の手法が目白押し、こういった目まぐるしい環境変化とともにマーケティングの方法も多岐に亘り、進歩している。玉石混交、バズワードに類するものも多数横行するが、ビジネスパーソンにとって取りあえず知りおくことは悪くない。こういった用語を並べ立てていっぱしのマーケッターを気取る若い人たちが多いのも事実。こういった用語は

          私的マーケティング論

          マーケティングブログ再開

          2011年の震災以降中断していたブログを10年振りに再開することにした。10年ひと昔というが、当時丁度ガラケーから切り替えたばかりのスマホで簡単に発信できるツイッターを始めた。140文字以下に調整することで冗漫な文章を律することが出来ると重宝していたが、機種変更時にアカウントが上手く引き継ぎできず、腹が立ちそれまではツイッターに連動させていたフェースブックのみに絞り現在に至っている。 日頃思うことを中心に、専門のマーケティングや最新の政治動向、国際問題などに言及するとともに

          マーケティングブログ再開