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【第2回】変わりたくても変われないのはあなたのせいじゃない!脳の仕組みがそうなっていた!!

■脳科学と心理学の違い

●心理学をザックリ説明

 心理学では、文字通り「心」を扱います。心は見えないので、外側から刺激を与えてみて、対象がどんな反応するのかを観察します。

 同じ刺激を与えて、10回のうち9回は同じ反応を示した。ということは、心はこんな動きをしているんだろう、と推定していく学問です。

●脳科学と心理学の対比

 脳科学では、基本的に「脳と心は同じものである」という立場です。脳が、心を作っていると考えます。心は見えないけど、脳は実体があるので動きが見えます。

■脳科学でわかること

●技術の革新により、脳科学も発展した

 FMRIなど計測器の技術が進み、脳科学も大きく発展しています。計測器によって、刺激を与えたときの血流で脳の動きがわかるようになりました。

 刺激Aを与えたとき反応A’が見られ、刺激Bに対しては反応B’が見られたとします。また別の刺激Cを与えたところ、刺激Aと同じ反応A’が見られました。

 刺激はAとCで違うけど、反応は同じA’であることが、視覚的にわかるようになったのです。

●意識は前向きでも、無意識は嫌がっている

 例えば、刺激Aは「氷水に無理やり手を突っ込まされる」とします。冷たいし痛いので、反応A’は「やめてくれー!」という反応だということはわかります。

 刺激Cは「難しい問題を考えてもらう」。この時に、意識では前向きに取り組もうとしていたとしても、脳は無意識に、氷水に手を入れられた時と同じ反応をしているということが、視覚的にわかるようになりました。

 つまり、意識と無意識の不一致が起こっていることが、明らかになったのです。

■意識と無意識

●意識と無意識のパワーの差

 意識と無意識は、よく氷山一角に例えられます。無意識の方が意識よりも圧倒的にパワーが強く、パワーの差は1:9とも1:99とも言われています。


 変わりたいけど変われないのは、意識と無意識の不一致が起こっているからです。どれだけ意識で「変わりたい!」と思っていても、無意識が反対の方を向いていたら、そちらに引っ張られてしまうのです。

■なぜ無意識はジャマをするのか?

 せっかく意識がより良く変わりたいと思っていても、強力な無意識は止めてしまう働きをするのです。

 無意識は、命を守る働きをしています。寝ている間も呼吸を続けたり、心臓を動かしたりできるのは、無意識の力です。

 無意識は、これまでと何も変わらなければ、命を守れると考えるのです。なので、意識が変わろうとすると、邪魔をして元に戻そうとするんですね。

■まとめと補足

・脳には意識と無意識がある、無意識のパワーの方が圧倒的に強い
・意識がより良く変わりたいと思っていても、無意識に引っ張られてしまう
・無意識は、命を守る働きをしている
・新しいことを始めようとすると、「死んじゃう!」と思って邪魔をする

 以上が、変わりたくても変われない脳の仕組みです。「だったら、どうしようもないじゃないか!」という声が聞こえてきそうですが、無意識をより良く変わるための見方にすることもできるんです。

 そのためには、無意識の仕組みをもう少し詳しく見てみましょう。


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