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なぜダイバーシティのオフィスアワーをやるのか

ANRIの江原です!来月11月6日に、D&Iオフィスアワー第二弾をやるにあたり、なぜこれをやるのか改めて発信したいと思いこのnoteを書いています。

日時:11月6日(金)17時-19時(一人あたり20分程度)
場所:オンライン(参加者の方々には別途リンクをお送りします。)
対象:①女性をターゲットにしたサービスを提供中/構想中の起業家の方(男女問わず)②女性の起業家の方
①と②のどちらか、または両方にあてはまる方を対象にしています。
内容:DCMベンチャーズ本田・ANRI江原・Spiral Capital立石と共に20分程度ライトに相談できるオフィスアワーです。相談内容は、事業壁打ちやファイナンス相談等なんでも大歓迎です🌿

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D&Iオフィスアワーとは

D&Iオフィスアワーは、ダイバーシティ(Diversity:多様性)とインクルージョン(Inclusion:包含、包括 )を軸とした壁打ち・事業相談イベントです。

「ダイバーシティ」および「インクルージョン」には本来、ジェンダー、国籍、宗教、年齢などさまざまな切り口がある中で、本オフィスアワーでは主に「ジェンダー」にフォーカスし、女性の起業家のみなさんや、女性をターゲットにしたサービスを展開する起業家の方々を対象としています。

わたしたちは、多種多様なバックグラウンドを持つ人々が関わり合うことが、新たな発見につながる、従来不可能だったことを可能にする糸口の一つであると信じています。多彩な人びとの存在に想像力を働かせること(Diversity)、そして彼ら・彼女らおよびその考えを積極的に採り入れていくこと(Inclusion)は、スタートアップ業界にとっても大きな強みになると考えています。

実施に至った背景・なぜやるのか

私がキャピタリストとして働いているANRIでは、今年の春に以下のような宣言をしています。

ANRIの投資や寄付、自社の採用についてダイバーシティ観点で活動方針を作ります。
日本のVC業界は強い危機感を持って取り組む必要があります。専門家のみなさま、アドバイスお願いいたします。

そこでまずは、ファンドとしての施策云々の前に、自分の経験を振り返ってみました。

私自身、ANRIに入る前からスタートアップ業界にいますが、ジェンダーバランス(アンバランス)についてはいろいろと思うことがありました。

そもそも同性の友達できにくくない?とか。(起業家もVCも、総数として男性が多く女性が相対的にレアなコミュニティなので、「なんとなく勝手に仲良くなる」とか、「気軽に相談できる先輩みたいな存在ができる」が起こりにくい気がする。体感っぽい話で説得力に欠けるのは承知の上で書いていますが、いわゆる「つよつよ」っぽい人とか割と自分をゴリ押ししていける人しか、"同志"や"ゆるい横のつながり"みたいなものができにくいのではと感じた。)

関連して、集まるときも男性社会を前提として群れるので自分が入っていくのが難しいなと感じる時があった。飲み会等で、参加者が全員男性で初対面のメンバーが多いと参加するのにちょっとハードルがある(そもそも向こうも気を使って誘ってこないときもあるだろうから、そうなると輪からはずれてしまう)。

他にも、ロールモデルやサンプル少ない問題とか。(起業家も投資家も女性が相対的に少ない中で、"自分と地続きのところにいる"と思える人や、こんなふうになりたい!と自分のキャリアやライフプランの参考にできる人が少なくなってしまうと思う。これは今も感じる。)

ロールモデルについてはYOUTRUSTのイワヤンさんのこのnoteがとても良いのでこちらも是非。

他にも色々ありますが、こういった要素が相まって、男性の起業家に比べて女性の起業家が増えにくいサイクル(エコシステム?)があると思い、このサイクルを打破し、女性の起業家の方々へのサポートを強化しようと考えました。

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具体的なダイバーシティ施策を検討するにあたり、周りの起業家やVCの先輩方にヒアリングや壁打ちをしていただきました。その中で、一つ示唆的だったのが、女性の起業家の方からの「いろいろなオフィスアワーやイベントがあるが、あまり自分がwelcomeされていると感じない」「自分に参加資格があるのは知っていても、なんとなくinviteされていない感覚がある」という声でした。

ANRIでもこれまでオープンなオフィスアワーを何度も開催していますが、確かに応募は圧倒的に男性が多かったのは事実ですし、イベント等に足を運んでも、数字上男性が多いのは当たり前のように受け入れてきたと思います。

"自分が行っても浮くかもしれない"、"あまり話す人がいないかもしれない"。私がシード期の起業家だったとしても、そう感じるだろうなというのは想像に難くなかったのです。

このような声やさまざまな方からのアドバイスをもとに、ターゲットを女性の起業家(+女性向けのサービスを行っている起業家)と明示したうえでオフィスアワーや投資家(それも同性の)を実行する必要性を感じ、D&Iオフィスアワーの実施に至りました。

9月に第一回を開催した際には、

非常にエンパワーメントされる時間でした。それにしても良い取り組みだなあ。続いて欲しい。
領域のマニアックな相談が聞いてもらえて、とても満足度高かったです・・・・あと10回くらいやってもらいたい!!

といった好評の声をいただきました。実施の背景にある思いがしっかり伝わっていると感じています。

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また、本オフィスアワーの実施をアナウンスした際、おおむね応援の声を頂いたのですが、「女性優遇は逆差別じゃないのか?」という声を数件届きました。これは、多くの方に混同されがちなクリティカルな指摘だと思うので、以下回答させてください。

私の結論から言うと、「逆差別ではない」と思います。

これは「同等」と「公平」を混同していることに起因するご意見なのかと想像していますが、こちらの議論についてはDNX Venturesさんのこちらのnoteが非常によくまとまっているので、こちらをご覧いただけますと大変嬉しいです。

以下、一部該当箇所を引用させていただきます。

画像1

イラストに描かれているのは、左にぐにゃっと曲がったりんごの木の下に、二人の子どもがいるようす。

左上の何も手を加えていないありのままの環境では、木が傾いている左側の子どもの方にだけりんごが落ちてくる "Ineuquality(不平等)" な状況が生まれています。この状況を解決するために、 "Equality(同等)" のサポートをしようと、同じ高さのハシゴをもってくる。左側の子どもはりんごに手が届くようになったけれども、木が傾いているので右側の子どもは手が届かない。イラストで "Equality?" とクエスチョンマークが付いている理由が、まさに「同じサポートをしたら本当に "Equality(同等)" は生まれるのか?」という問題提起なわけです。

そこで出てくるのが、 "Equity(公平)" という考え方です。ふたりともがりんごに手が届くためにどうしたらいいかを考え、木の歪みに合わせて右側の子どもにより長いハシゴを差し伸べた状況です。ようやく右側の子どももりんごに手が届くようになりました。サポートの大きさだけを見ると、「平等ではないじゃないか」という声も聞こえてきそうですが、ふたりの子どもがりんごにありつけるためにはどういうサポートが必要かを考えて、異なる対応をすることが、この "Equity(公平)" の考え方です。

最後に、そもそも曲がった木を直せばいいという考え方もありますよね。傾きもりんごの数も整えば、同じサポートで同じようにりんごに手が届くようになる。こうした根本解決の考え方が "Justice(正義)" と呼ばれます。当然これを実現するのが一番理想的ですが、実現までには時間もかかりますしコストもかかる。だからこそ、それまでの間にいかに "Equity(公平)" を実現するかを考えていくことが大事かと思います。

女性に向けたイベントは逆差別にならないのか?と疑問に思った方、またこの疑問を見て「たしかにそうなのかな...」と思った方にとって、これが少し参考になると良いなと願っています。

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ほかにも、ファンドとしてのダイバーシティ施策は着々と仕込まれているのですが、それらは追って別のnoteやプレスリリース(!)等で公開していきたいと思っています

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D&Iオフィスアワー2

【まとめ】11月6日開催です!応募待ってます!

日時:11月6日(金)17時-19時(一人あたり20分程度)
場所:オンライン(参加者の方々には別途リンクをお送りします。)
対象:①女性をターゲットにしたサービスを提供中/構想中の起業家の方(男女問わず)②女性の起業家の方
①と②のどちらか、または両方にあてはまる方を対象にしています。
内容:DCMベンチャーズ本田・ANRI江原・Spiral Capital立石と共に20分程度ライトに相談できるオフィスアワーです。相談内容は、事業壁打ちやファイナンス相談等なんでも大歓迎です🌿

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ワーイありがとうございます!