累犯障害者/山本譲司著
トプ画の本、ぼろぼろでしょ。一年近く前にアマゾンで新書で購入して、一年、常にバッグに忍ばせて何度も何度も読み続けました。累犯障害者、つまり「何度も罪を犯し、刑務所に入っては出てを繰り返す障害者」についての膨大なルポルタージュである。私自身、まだこれについての感想はまとまっていない――それどころかまとめられる気がしなくなってきたので、ともかくこの「問題と現実」と、この書籍をなるべく早く紹介せねばという思いが募りきったので、本日書くことにしました。
*註・・近年、しょうがいしゃを「障がい者」と書く空気になってきていますが、ここでは著書どおり「障害者」と記述します。
これを読む1番のきっかけになったのは、たしか、こちら↓の映画を見て、どちらかのレビューで紹介されていたので知りました。この映画自体は、それほど映画として上出来でもなく、万人にお勧めする様なエンタメではもちろんない、ある社会派映画の一つなんだけど(嘘、いま調べたらヴェネツィア国際映画祭で監督賞など多数受賞していたw 失礼w)。
私のレビューはこう。
そして
したと(別に珍しくないが)。
あまりに強烈なので、全員に見てほしいとまでは言わないです。それよりも「累犯障害者」を読むか、検索するなどして少しでも知ってほしい、ということだけがこのnote記事の趣旨です。
著書「累犯障害者」
これについての詳しい解説は私にはいまだに難しいので、まずwikipediaからチャプターリストを引用して、そのリンク(端的にまとめられた説明がある)を紹介するにとどめる。
また著者による後書きが2つ(元版と文庫版化の時の)で、その後著者の活動で状況が変わってきている(改善しつつある)点の報告、また、江川紹子氏による解説が付随する。
ルポの流れとしては、まず衆議院議員であった当氏が政策秘書給与の流用事件で実刑判決を受け(よくあるやつ…蛇足だがそれによって氏が私服を肥やすなどは一切ない、控訴もしなかった)、短期間だが実際に本物の獄中生活を送り、その現場体験で実感した例の件をその後も調べて分かったことだが、現代日本(2004年)の受刑者の3割が知的障害者であるという事実(知的障害者が犯罪を起こしやすいと云うことではない)、知的障害者入所者の7割以上が再入所者、10回以上がさらに2割(累犯)、という事実。そして、その時代刑務所に障害者に適切に対処できる体制がなかったこと、入所を経験した障害者の多くは「獄中のほうがよかった」と言っていること、ろうあ者の裁判に至っては手話通訳者を立てるが、傍聴人のろうあ者・手話の理解者によれば、間違って・本人の意志と真逆に通訳され、簡潔に判決が出されていることが散見される、などを、大量のインタビューや裁判のルポによって明らかにされる。
たとえば、もう本当にこういうのはげんなりするのだが、
しかし、この知的障害者数は非常に疑わしいと。世界的には、人類の知的障害者の出生割合は全体の2%から3%なはずだが、我が国は45万人だとすると、我が国総人口の0.36%にしかならない、と。「日本は知的障害者は生まれにくい」そんな訳はない。つまり障害者手帳が行き渡っていないのである。あぁ…、げんなり。
貧困(障害者)の社会派映画を観る
その前からいろんな社会派映画を漁る様に見ていてはまっていたのですが、ヒットした韓国の底辺家族の犯罪映画「パラサイト」を観て、かなり近いタイプの邦画のヒット作「万引き家族」を観て、ついでに久しぶりに同じ是枝裕和監督の初期作、こちらは貧困家族をテーマにした「誰も知らない」を再聴して、フォーカスが定まり、そして上記の映画にたどり着いたんだと思う、たしか。
特に「誰も知らない」については特別で、だいぶ前(まあかなり若い頃ね…)に観て、それ以来「貧困」は自分にとってなにかしらの、というか何某かの(つまり自分にとってそれがなんと定義すれば良いかわからんけど、という)テーマになっていたと思う。私の家庭環境はそれとは関係があまりなかったのだけど…。
「誰も知らない」は、私の命と引き換えにでも良いから、全ての人に見てほしい…。
他にも、この時期にこれら。
わたしは、ダニエル・ブレイク
…これもめちゃショッキングだ。老いて貧しく生活を維持するのも苦しいダニエルが仕事を探したり保護を受けるために四苦八苦するのだが、その中で知り合った、若いが貧困に喘いでいる女性と一緒に食料配給を受けに行くシーン…
このシーンは本当に、胸にズサズサと刃物が突き刺さる感じで身につまされます。
おばあちゃんの家
こちらは、単なる貧困、というか。ソウルで母と共に暮らす7歳のサンウは一時的に田舎で一人暮らしのおばあちゃんの家に預けられる。しかしおばあちゃんの家は極度に貧しかったのだが、悪ガキしつけのなっていないサンウはそれを罵倒し悪逆非道のかぎりを尽くす…。
(韓国に限らず、多分日本でも)田舎の老人家庭の貧困、を想像させられます。
つまり・これらを観て
感じるのは、外国映画ではあるけど日本でも貧困対策ってどうなっているのか。特に、重度の障害者はもちろん、介護が必要な老人ととても手伝えない状況の家族・家族すらいない老人、そして私の周囲にもいるが、軽度の障害でも仕事・就職がほぼ不可能で、障害者手帳の等級も低く、障害者年金も貰えなく路頭に迷っている人たちがいるが(1から10まで手伝ったことがあるので知っているが、生来型の身体障害者年金を成人後認定して貰うのに膨大な…20年前のもう何度も引っ越した他府県の病院のレシートとかが必要、アホな。不可能でしょ。やったけど)、そういった日本の福祉はどうなっているのかということ。また、思わずシングルマザーになるが、やはり周囲の援助が得られない状況にある女性たち。風俗以外、無理じゃね?
これらについて、日本の福祉制度はどの程度なのだろうか。…などと、ふだん極度のペシミストっぷりで語っている私ベタが心配するのは、矛盾してますでしょうか。まるで、他人も自分も、いつ死のうが構わない的なこといってるベタが、でしょ?
でも私が言ってるのは、思想の矛盾(憲法や与野党政治家活動家ご意見家達の偽善に対して)や、制度の矛盾、歪められたプロパガンダについて憤慨している、と言っているのです。
こんなの全てに完璧に対応しようとすれば、それだけで国家予算がさらに破綻することは分かってる。
…でも、騙すな・隠すなよな、と。
そう言いたいのです。
ベタの障害者note記事
てまえ味噌であるが、私はnoteでも、たまに障害者について記事を書いてきた。
同じアニメファンの子(めちゃ仲が良い)との交流
(追記・彼女は先日、障害者手帳が外れました!と報告がありました!)
同じアニメファンの別の子にもいて、危なっかしい…目が離せない、と思っていたら、そうでした。
他にも。
これは自覚してもらうのに苦労した話。今はクリニックに通って元気に働いてるらしい。
これは失敗した話。その後は不明…、関わりたくないのが本音…。
また、小学校時代、クラスにいた知的障害の子がその後どうなったかをずっと気になっていた話を私小説風に書き尽くした記事も書きました。よかったら見てね。
…て言ってもみんなリンク先見ないでしょ?だから8割ぐらい貼るね(暴力⇦
ドラマ「コーキーとともに」
(追記・私の初期の代表作、高校時代を中心にそれ前後も描いた私小説VeryBest、ですな)
(続き)
コピペ以上。…以後は、記事で続きを読んでスキを押してくださいw
2022/3/7 betalayertale
5700文字
ところで…花粉症は今の所発症していない。勝った…!
楽しい哀しいベタの小品集 代表作は「メリーバッドエンドアンドリドル」に集めてます