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「太陽の子」灰谷健次郎著の読後感【読書日記】

この児童文学書に目を通したのはいつのころだろうか。
10代の後半のころに読んだような記憶がある。内容はまったく忘れてしまっていた。
たまたま読む機会があり、再読してみた。読み進めるに従い戸惑いがひろがり、途中から読むことが辛くなってきた。その理由が理解できたのは、読み終えてからのことだった。物語の構成として、「伏線の張り方」に問題があるのではないかと思ったからだ。
物語が終盤に入り、この小説のきも の部分が力強く語られる。心に染み渡るような文章でよかったけれど、そこに至るまでの伏線の張り方に、すこし難ありといった印象を抱いてしまった。ひとつは登場人物の多さ。もう少し、登場人物を絞って光を当てたほうがいいのではないかと思う。伏線を広げすぎて、伏線回収に成功しているとは思えなかった。

「太陽の子 新装版/灰谷健次郎著」の小説の終盤のP-369~372にかけて、怒りの文章表現があふれているように感じながら読めたのは良かったと思う。


小学6年生[4]の少女・ふうちゃんは、神戸の海岸に近い下町にある沖縄料理店「てだのふあ・おきなわ亭」の一人娘。両親は沖縄出身で、店には母の遠戚に当たるオジやん、鋳物工場で働く青年のギッチョンチョンとその先輩の昭吉くん、左腕のない溶接工のろくさん、父の親友のゴロちゃんといったやはり沖縄出身の人々、そして神戸生まれで乗りのギンちゃんといった常連が集まっていた。神戸で生まれ育ったふうちゃんは自分のふるさとが神戸と沖縄のどちらなのだろうかという思いを抱いていた。

出典; フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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