見出し画像

競馬記憶が最も濃い時期のエッセイ。〜田原成貴「競馬場の風来坊」を読み返して。

こちらの本を久々に読み返しました。

1996年発行

田原さんと言えば、騎手生活の最後の数年、マヤノトップガン、フラワーパーク、ワンダーパヒューム、ファイトガリバーなどでG1を勝ちまくった華やかな姿が目に浮かびます。

もちろん、それ以前のトウカイテイオーマックスビューティなどとのコンビも有名ですが、自分はその頃はまだ、競馬ファンではなかったです。

しかし騎手引退後、調教師となるも、2001年に覚醒剤取締法で逮捕されると、調教師免許を剥奪され、競馬界から離れざるを得ないことになってしまいました。

当時はわたしは少し競馬ファンから離れ気味でしたが、ニュースを見てびっくりしたし、がっかりもしましたね、、

報道で、「またまた田原、また田原!(再逮捕)」など、ファイトガリバーで桜花賞を勝った時の名実況を揶揄した見出しも覚えています。


「競馬場の風来坊」に話を戻すと、久しぶりに読んだのにだいぶ内容を覚えていることに自分自身驚きました。

1994年〜1996年頃のエッセイや対談(相手は、武豊騎手や、小島太さん)を元に構成されており、その頃まさに競馬にハマり出した時期だったので、記憶が濃いんですね。

”ノリ(横山典騎手)には自分と同じ匂いを感じる”とか、”豊(武豊騎手)は何よりもレース全体を見渡せる目がいい”、”関西の藤田や上村、四位ら若手の活きがいい”など、後輩騎手について書いている部分に、ライバルでもあるけど同僚という、少し不思議なジョッキー仲間への愛情を感じます。

また、昔読んだ時もスカッとした思いがした裏話として、ある競馬雑誌が、1995年の桜花賞後に岡部幸雄騎手が田原さんの騎乗に対して苦言を呈した、と書いた記事について、何の根拠もないデタラメ記事であり、書いたやつは反省せよ!と一蹴しています。

岡部さんは怒鳴ってなんかいないぞ。私はともかく日本の騎手界の第一人者、岡部幸雄を侮辱するようなことは書くなよ、反省しろよ!

107pより引用。

小島太さん(当時は調教師)との対談も面白い。

当時、小島太ー田原成貴ー横山典弘のラインは、武豊vs岡部幸雄の対立軸とはまた別の存在感がありました。

”ライン”といっても、いわゆる仲良しグループではなく、それぞれ独立した個性なのに似通って尖った部分があったように思います。

この本の内容ではないですが、1995年の暮れに、フジテレビで放映された競馬番組で田原さん、小島太さんが出演し、「ノリはいいけど、まだもうちょっとかな。」みたいに楽しげに話していたのもよく覚えています。

ちょっとググったら動画も出てきました。
興味のある方は、1995、小島太、田原成貴で検索を・・。


・・あれからはや四半世紀、武豊騎手や横山典騎手はまだ現役というのは驚き。

しかも、横山典騎手に至っては二人の息子(和生、武史)がジョッキーとして活躍し親子共演も全然珍しくないほど。

小島太さんは調教師をすでに引退され、田原さんは最近は競馬評論家として活躍中。

馬の気持ちや騎手の心理をついた、
独特の予想。
いつも参考にしている展開予想。


個人的には田原さんと予想が被るとなぜか外れてしまうのですが、まあそれも巡り合わせだと思います。

これからも楽しみに参考にしたいと思います。

また、いつか武豊騎手やノリさんと久しぶりの対談なんて、実現して欲しいな〜。。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?