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壺と岩の寓話から考える自分にとっての優先順位とは何か?

子どもが生まれて半年たった。6ヶ月はあっという間だ。2,800gで生まれた子はすくすくと育ち今は8,000gになった。気がつけば母乳は卒業して、歯が生え始まり、喜怒哀楽の感情も豊かになってきた。子どもの成長を毎日身近に見届けるのは本当に幸せだ。僕には父親がいなかったこともあって、1分1秒と一緒にいたい。誰よりも愛情をもって接したい、あらゆる成長をひとつも見逃したくない。

実は僕にはもうひとり(ひとつ?)子どもがいる。それが自社で発売している男性用スキンケア商品BespokeWash(ビスポークウォッシュ)だ。こちらの成長はかなりゆっくりだ。なかなかうまく売れていないのが現実。モノがよくても誰も知らない会社の商品だからなかなか手に取られない。でも、この商品は自分の悩みから出発して心血を注いで開発して販売しているものだ。24時間、この商品がどうやったらもっと広まるのか考えてもまだ足りないぐらいだ。

話は一気に変わるのだが・・
昔、博報堂ビジネスデザインというところが書いた『ビジネス童話100』という本があった。その一発目の寓話が好きだ。残りの99個の寓話は覚えていない。その寓話は概ね、こんな話だった。以下、同内容が記載されているサイトからの転送。

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「クイズの時間だ」
 
 教授はそう言って、大きな壺を取り出し教壇の上に置きました。
 
 その壺に1つ1つ
「大きな岩」
を詰めました。
 
 壺がいっぱいになるまで詰めると
「この壺は満杯ですか?」
と学生たちに聞きました。
 
 学生たちは
「はい」
と答えます。
 
 「それは本当でしょうか?」
と言い教壇の下からバケツを取り出しました。
 
 そのバケツには
「砂利」
が入っています。
 
 岩の隙間に砂利を流し込み、壺をゆすって岩の間に砂利を埋めていきます。
 
 そしてもう一度聞きます。
 
 「この壺は満杯ですか?」
 
 学生は答えられません。。。
 
 1人の学生が
「きっと違うのでしょう」
と答えます。
 
 教授は「そうだ」と笑いながら
「砂の入ったバケツ」
を教壇の下から取り出します。
 
 そして岩と砂利の隙間に
「砂」
を流し込みました。
 
 「これで満杯ですか?」
と聞きます。
 
 学生たちは
「違います」
と答えました。
 
 教授は
「水」
の入ったバケツを取り出し、淵までなみなみと注ぎました。
 
 
教授は最後の質問しました。
「僕が何を言いたいかわかりますか?」

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この教授は何が言いたかったのだろう。壺を自分そのものを暗示していることは誰でもわかる。岩とか砂とかを何かの物事に喩えていることも誰でもわかる。自分の中に仕事とか趣味とかあれやこれや一杯にしてもまだまだモノは詰め込めるということだろうか。それもそうだけど今回の寓話の終着点は違う。これは優先順位の話だと本は解いていた。

一番大切なものをまずやろうという話だ。壺の大きさはいつだって有限だ。だから自分にとって最も大切なことを最初にやらないといけない。自分にとって小さなこと=砂や水を最初に入れてしまったらもう本当に自分にとって大切なこと=岩は入らないのだ。

いつだって心のシーソーは軽重を教えてはくれない。

己の優先順位は何かと考える。子どもなのか、商売なのか、はたまた。
世の中はなんでもトレードオフだ。1日は24時間と決まっている中、何かをすれば何かができない。僕にとって本当に大切なことってなんだろう。もちろん子どもなんだけど商品のことも頭から離れない。どんなにありがたい寓話だって現実に答えを導いてくれるわけではないのだ。答えはない。全力でやるしかない。