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「ディオール、パリから日本へ」展

阪急梅田で開催されているDIORの展示を見てきた。

私はブランドに詳しい訳ではないが、それでも知っている。女性らしいアイテムが多く取り扱っているイメージだ。

無料で誰でも見れる展示だったので、ふらりと立ち寄ってみたのだが、とても素敵だった。

最初に入ったスペース。暗い夜、大きな桜がすっと立つ。その桜の下には7体の美しい衣装を身につけたマネキンが佇んでいる。それぞれが纏う衣装はオートクチュールのコレクションで発表された美しいもので、桜のような淡いピンク、レースや刺繍で作られた繊細ものだった。その桜の周りだけが不思議に光っているようなライティング。今から何かが始まりそうな気配さえする。とても静かで美しい世界。美しい物語の中の世界。

桜の衣装に数分心を奪われたのち、ふと右手の方に明るい光を感じる。

黒い壁沿いに真っ白なシャツやドレスが美しく並ぶ。桜の下の衣装とは対照的に、都会的な洗練された服が静かにこちらを向いている。白い服だけが暗闇の中に浮かび上がっているような不思議な感覚。こんなに服に集中できる空間で自分の着るものを選べたらなんて幸せだろうとうっとりした。

一番奥には壁一面に映し出された空と草原。その前にはまた全く違う印象の素敵な洋服達。同じ一つの部屋で同じブランドの作品なのに、受け取る印象が全く違う。なんて不思議なんだろう。

2つ目のエリアではカバンのアート。

3つ目のエリアではDIORのアトリエの中で
職人さんの手作業を間近で見るような空間。

3つの空間が独立していて全く違うものを見せているのに、違和感無くすっと次の世界に入り込んでいける。これが作りたいものが定まっているブランドの力なんだろうか。大きな美術館を回ったような満足感で一杯になる展示。

高級なブランドのアイテムを素敵と思う一方で、何が良いのかいまいち理解していなかった。このDIORの展示を見て、洋服やバッグという生活に密接しているアイテムも、アートの一つなんだとすっと理解した。

会期が3/22(日)まで延長されています。気になっていたという方は是非行って欲しい。服や作品はもちろんですが、あの空間を感じて欲しい。阪急梅田は、現在19時までの営業なので、行かれる際には時間に気をつけて。

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