第1回:東大生が海外留学し挫折するまで
こいけかずとし
東大入試と英会話は別物です
私は福島県の田舎にある高校から東大に入学しました。受験勉強のおかげで英文法と英語の読み書きはある程度できました。しかしリスニングとスピーキングが苦手で、英会話はまったくできませんでした。
東大入試でもリスニング問題が出題されます。私の場合、リスニングはほぼ0点で、それ以外の部分でリスニングの失点を補っていました。振り返ると、リスニングが苦手だった原因は経験不足にあります。高校で英会話の授業はなく、授業で学んだのは英文法・読解・英作文だけでした。
もちろん基礎学習は大事です。中学~高校の授業は英語の基礎的な土台を作る上で非常に役に立ちました。しかし学校の成績が良くて東大入試の英語問題ができたとしても、英会話は全く別物です。英会話を伸ばすには英会話の学習が必要でした。
イギリス短期留学:はじめての海外
英会話ができるようになりたいという気持ちと海外への強い関心から、大学2年の春休みに2週間ロンドンに留学しました。はじめての海外はとても新鮮で、ただ街を歩いているだけで楽しいものでした。
語学学校に通い、ホストファミリーと交流する中で英会話にも多少慣れました。全然上手にはしゃべれませんでしたが、英語がぎこちなくてもコミュニケーションは問題なく成立するのだということを学びました。正確に話せるのに越したことはありませんが、コミュニケーション能力のほうがもっと大事ですね。とても重要なことなのに東大ではそれを教えてくれません。
カナダ長期留学:苦労も楽しみに変える精神を作る
ロンドン滞在後、フランスやスイスへ旅行もして海外の味をしめた私は、さらに長い期間の留学がしたいと思いました。そこで東大を休学し、ワーキングホリデーの制度を利用して1年間カナダに留学しました。
カナダでは語学学校に通い、レストランやカフェでアルバイトをし、旅行もしました。海外での生活は挫折の連続で、買い物から仕事探しまでさまざまな挫折がありました。長くなるのでこまごました話は省きますが、異国体験は心からおすすめしたいです。挫折も経験するでしょうが、それは転じて成長の種になります。挫折を乗り越えると、それだけいっそう人生は豊かになります。主人公の出会う困難が大きければ大きいほど、良い物語が生まれるように。
留学しても越えられなかった高い壁
そんなこんなでカフェで仕事ができるほどには英会話もできるようになりました。しかし英語で本を読むことはまだ難しかったです。十ページ前後の短編小説なら辞書を片手になんとか読めましたが、数百ページの本となると、挑戦してはすぐ挫折する、の繰り返しです。
難解な本を英語で読もうとしたわけではありません。ハリー・ポッターを英語で読もうとして何度も挫折しました。英語読書の壁は高く、カフェで仕事するのとは全く別物でした。
大学入試の英語問題を解く、英語で日常会話をする、英語で読書をする、それぞれ重なる部分もあれば重ならない部分もあります。だから何を目的にするかで必要な学習も変わります。
さて、ここで問題です。
英語読書を可能にするにはどうすれば良いでしょうか?
答えは次回に。
次回は挫折を乗り越えてたどり着いた最強の英語術の話です。
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