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映画と語学 3
曽根田憲三(アメリカ映画研究者・シナリオ翻訳家)
映画は魔法の学習教材か
映画はエンターテイメントのみならず、語学学習にも極めて有効だと書きました。ではどんな作品を選び、どう使えばよいのでしょうか。
学生さんたちからのそうした質問に私はいつも「自分の好きな映画を選ぶこと」と答えています。
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アカデミー賞受賞作品だからとか、有名な作品だから、あるいは誰かに勧められたからではなく、あなた自身が興味を持てる映画を選ぶべきなのです。好きな俳優が出演しているからでもいいし、ロマンスが好き、深刻なドラマが良い、かつて観て感動したことがあるなど、あなたの好奇心を刺激したり、興味をそそるものを優先することが重要です。
なぜなら語学の習得に大切なのは「継続」だからです。
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作品の一般的な評価がどうであれ、あなたが何度観ても飽きない作品でなければ、学習したいシーンを繰り返し観たり、セリフを聴いたりすることはできないでしょう。
なお、こうしてみなさん自身の好みで選んだ映画を学習するにあたって注意すべき点は、張り切り過ぎて、最初のセリフから最後のセリフまで徹底的に攻略しようとしないことです。
120分前後の作品の中には、あなたの興味や関心をひかない、あるいは現在も、また未来においてもあなたの人生とは全く無縁と思えるような場面やそれに付随したセリフが結構あるからです。
あくまであなたの好きなシーン、感動したシーン、また使ってみたいセリフなどが使われている個所に焦点を当て、DVDで日本語字幕を参照した後、英語字幕を呼び出して、入手できればその映画シナリオ対訳本を参照しながら、俳優のセリフに耳を澄まし、彼らを教師に音読し、口真似してみましょう。
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友人たちと劇中の登場人物になりきって、音声を消したDVDを流したまま、発音やジェスチャーを模倣しながらセリフのやり取りをしてみるのもきっと楽しいはずです。
曽根田 憲三 (そねだ けんぞう)
立教大学大学院修了。相模女子大学名誉教授。UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)客員研究員(1994、1997、2000)。映画英語教育学会元会長、アメリカ映画文化学会名誉会長、映画英語アカデミー学会名誉会長。映画を使った文科省検定高校英語教科書を初め、シナリオを利用した大学用テキスト、アメリカ映画シナリオ翻訳本、アメリカ映画・小説に関する研究書、実用英語本など、出版した書籍は170冊を超える。
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