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語学書の著者のコラム

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ベレ出版語学書の著者による、本を書くこと以外のお仕事の話、教えること、ことばにまつわること、言語について。
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2024年6月の記事一覧

言葉が増えれば世界も広がる —私が多言語に携わることとなったのは

青木隆浩 第四回:多言語を通して見えてくる文化 1.言語から文化を知るみなさん、こんにちは。今回は多言語を学ぶことで見えてくる文化や歴史的背景についてお話いたします。 私はこれまでに中国語、韓国語、モンゴル語、ロシア語などを学んだことがあります。これらの言葉が話されている国は互いに国境を接していることから、それぞれの言語を比較したり、その変遷をたどったりしていくことで、相互の関係が見えてくることもあります。 まず、単独の言語の話から始めましょう。 各言語の語彙から、そ

言葉が増えれば世界も広がる —私が多言語に携わることとなったのは

青木隆浩 第三回:多言語を学ぶ上で大切なこと 1.多言語を学ぶようになった動機みなさん、こんにちは。今回は私が多言語を学ぶようになったきっかけと、それらを学ぶ過程でのエピソードなどについてお話ししたいと思います。 私が高校生の頃、世界約20カ国の姉妹提携校の高校生が日本にやって来て、日本の文化を体験したり、互いにディスカッションをしたりする国際交流イベントが開かれました。学生スタッフに選ばれた私は、各言語で簡単な挨拶や誘導などのフレーズを覚えることにしました。 2.「

言葉が増えれば世界も広がる —私が多言語に携わることとなったのは

青木隆浩 第二回:スピーチコンテストへの挑戦 1.大会に向けての取り組みみなさん、こんにちは。今回はスピーチコンテストへの挑戦についてお話いたします。 中国語に夢中だった私は、中国語が学べる高校に進学しました。その高校では、1、2年生は週6時間、3年生は週9時間と、毎日中国語の授業があり、高校3年次に私は学習の集大成として、日中友好協会主催の全日本中国語スピーチコンテストに挑戦することにしました。 スピーチのテーマには、短期留学先の中国で出会ったおばあさんとの交流を選び

言葉が増えれば世界も広がる —私が多言語に携わることとなったのは

青木隆浩 第一回:私を魅了した中国語みなさん、こんにちは。昨年春の連載「言葉は話すためにある —勉強だけではもったいない!」に続き、今月再びnoteを担当させていただくことになりました、青木です。 今回は私が一番初めに外国語に興味を持ったきっかけや、当時の外国語学習方法などについてお話したいと思います。 1.外国語を学び始めたきっかけ私が小学生だった90年代は、出稼ぎや国際結婚などで外国人が徐々に増えてきた時代でした。そうした中、親の仕事で来日した外国人児童の受け皿およ