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ドイツの子育て-児童館と蚤の市-

★児童館

ドイツにも、日本同様、児童館がある。
Familienzentrum、直訳すると「家族センター」である。
私の今の家からだと、徒歩圏内に少なくとも3か所ある。

何歳からでも連れていくことができるが、設備によって、7-8歳まで(楽しめるという意味で)利用可能だろうと思う。庭が広くていろんな種類の遊具がある場合には小学生低学年でも遊べると思うし、季節の行事に合わせて年齢別のワークショップなんかもやっていることがある。イースターには卵のペインティング、とかランタン祭りには提灯作り、とか。

それ以外はやはり、外遊びがまだ難しいBabyが主な対象だ。Babyマッサージとかママヨガ、子どもと一緒にやる体操教室ダンスなど、複数回にわたって行われる有料の講座もあれば、予約なしでさっと立ち寄って朝ごはんが食べられたりもする。

決まった曜日・時間に育児相談をやっていたり、決まったグループ(双子の親、パパ・おじいちゃん、決まった出身の人たち―ロシア出身・トルコ出身など)を対象にした集まりがあったりもする。要するに育児をするうえで孤立しないよう、近所のネットワークをつなげる役割も果たす。

古着が置いてあって、ご自由に、だったり、持っていくなら交換で別のものを置いていくこと、となっていたり。

ドイツではその辺の道端にもよく、「ご自由に」と書かれた段ボールがおいてあり、子ども服だの、おもちゃだの、本、CD、雑貨―きっと引っ越しで不要になったもの―など、勝手にもらっていくことができる。
家具や電化製品が置いてあることもある。私は本棚と整理ダンスを見つけてもらってきたことがある。
法的に正しいことなのかどうかわからないが、いいシステムだと思う。使えるものを捨てるのは忍びないし、捨てるにしても大きいものは手間とお金がかかる場合がある。それらを一気に省くことができる。ただ、洋服に関しては、道端のものは私はちょっと抵抗がある。その点、児童館に置かれているものなら、抵抗なく手に取れる。

どこの児童館にもたいてい簡単なカフェがついていて、子どもの離乳食(瓶入り)や飲み物はもちろん、大人用にコーヒーもあったりして安価に買える。そこでママ友と知り合うこともある。日本人同士なんかが偶然一緒になれば、友達になれること間違いなし。日本の児童館はどういうシステムなんだろうか。こういう機関をみんながもっと利用すれば、育児で孤立することが減るだろうな、と思う。

★蚤の市(Flohmarkt)

ドイツには子ども服やおもちゃ、靴などのセカンドハンドショップがある。うちの近所にも、徒歩圏内に4か所ある。そのうちのひとつは子ども連れ専用カフェ(Kindercafe)で、柵で囲まれた室内には簡易のすべり台やおもちゃがたくさん置いてある。

こうしたセカンドハンドショップは買うだけじゃなくて、売ることもできる。私は人に譲ってしまうことが多く、売ることはしたことがないが、なかなか便利だと思う。

それ以上に便利&楽しいのは、蚤の市である。私の近所には毎週日曜に蚤の市をやっている広場がある。そこは、食器類や家具、本、洋服と、いろんなものを扱っている。蚤の市によってはテーマがあって、東ドイツのものを多く取り扱っているところや、家具がメインのところ、本がメインのところ、などがある。

そういった一般の蚤の市とは別に、子ども用品を扱った蚤の市がある。保育園や児童館の敷地内だったり、教会や一般の広場だったり、前もって告知をして定期的にいろんなところでやっている。季節の変わり目に増えるだろうか。売りたい人は、前もって申し込みをし、参加費(だいたい5-10ユーロ)を払うか、その場で販売されるケーキを寄付する。

そこには、子どもに関する、あらゆるものがある。とはいえ、目指すものが見つかる場合もあれば見つからない場合もある。特に目的はなくとも、こんなのが見つかったーということもあるし、今日は収穫ゼロ、という日もある。でも、子どもを連れて回ると、子どもが必ずなにかを見つけるし、値段も手ごろなので買ってあげてしまう。そう、なんといっても値段が魅力。

セカンドハンドに売るほどではないが、捨てるにはもったいない、でも、「ご自由に」の段ボールを外に出すよりは少しでもお小遣いになれば、という考えだから、たいして高くない。子どものTシャツやズボンだったら、1-2ユーロで買うことができる。おもちゃ類も、定価で買うのがばからしくなるほどだ。

もうひとつ、こういった蚤の市でいいなと思うのは、それらを使っていた子ども自身が販売に協力していることがあることだ。子どもはものの売買というシステムを学ぶことができるし、例えば親が、欲しいものがあったら自分で稼ぎなさい、と、古いおもちゃを市に出させ、それを売って買うよう促している場合もあって、ものの価値を考えるいい機会になっているのだ。子どもが自ら敷物を敷いて、お店を出している場合もある。子どもは売るために、商品のセールスポイントを一生懸命説明する。その姿はかわいいし、いい学習の場だなと思う。

この蚤の市は、リサイクルという観点からも、人とのコミュニケーションという意味でも、子どもの学習の場としても、なかなかいいシステムだと思う。

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