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汝、己の安売りをするべからず。

twitterで何気なしにつぶやいたことが、わたしのアカウントにしては(いいねが)伸びています。

この記事は当該ツイートでは文字数などの関係で言葉足らずとなってしまっている部分を補うものです。

まず何の指導かというと、それはわたしが半生にわたって取り組んできた(現在お休み中の)中国武術(カンフー)です。

タダ同然とはいくらだったのかというと、当時(2005年くらい)はたしか週2回の練習で

月1000円。

…これで飯を食っていこうとしていたのですから、当時の自分に対しては笑いしか出てきませんね。

今でこそ言えますが、多くのお金と時間を武術に費やしてきたわたし自身に対する冒とくですらありますね。

というのも。

当時わたしが所属していた武術団体(消滅)の先生は月謝をまったくとっていませんでした。それには明確な理由があったのですが、ここでは割愛します。ともかく、ここで私は根の深い勘違いを起こしてしまいました。

この先生はなんて素晴らしいんだろう。タダは難しいけど、自分の学んできたものを安く提供すれば多くの方に喜んでもらえる! 素晴らしい!

「ん~? ほかの武道教室で月謝をもらっている所、たくさんあるけどなあ~?」と少しでも疑問に思えばよかったのですが…ともかく、そういう勘違いからの価格設定でした。

ではこの価格で人が集まったのかというと…さっぱりでした。

大半は冷やかしか、入ってもすぐにやめるか。また、変な優しさを出して払えない月謝を待ってあげた結果、10年間近く未払いだった生徒などもいました(かなり後になって回収しましたが)。

総じて、ストレスばかりがたまる運営でした。

(ただ、それはわたし自身の未熟さも表していたのでしょう。「良い先生には良い生徒が集まる」とも聞いたことがありますから)

ここで、コンビニ店長の発言に戻るわけです。

もっともツイートにもありますが、当時のわたしはこの発言をあまり好意的にはとらえられなかったので、値上げに対してネガティブな思いを引きずったままダラダラと指導を続けていったのでした。

結局、段階を追って週2回2000円→週3回3000円、そしてかなり後になって週3回4000円と上げていきましたが、値上げを理由にいなくなる生徒さんはいませんでしたし、入会してくださる方もそこそこ多く。

これなら最初から4000円、むしろ店長が話してくれたように5000円でもよかったなあと、今はそう思います。

その後、わたしは今の仕事に専念することを決めたので、結局は月謝を5000円にすることがないまま、教室の運営そのものを止めました。

変にかたよった思いにこだわりすぎて自分自身の価値を見誤ってしまっていたのですね。加えて、他団体はどうあるか、相場はいくらか、そもそも武術というものをひとつのコンテンツとして客観的にとらえ、需要と供給のバランスをどう加味するか。

その辺のマーケティングが全然できていませんでした。

もっと極端に言えば社会を、人生をなめていた。

これでしょう。

この件でわたしが学んだこと。それは、フォロワーさんからいただいたリプライに対するわたしの返答がそれです。

そして、

・金額とは責任の重さであること。
・金額を決め責任の重さを明確にすること。
・金額で客層は著しく変わる。

これが大切なことなのだと思っております。

それで、仮にいま教室を再開したとして、月謝をいくらにすべきか?

答えは出ておりません😅

#あの失敗があったから

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