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2.少子化問題における自治体の役割について。(1200~1500字相当)

少子化とは出生率が下がり、若年層の人口が減る現象を言う。近年の高齢化問題とあいまって、労働力不足による経済の規模の縮小、現役世代への財政負担の増加、地域の活力低下が心配されている。では、こうした問題について自治体はどのように対処していくべきだろうか。わたしは、ある問題に対処する際、「人」、「物」、「金」、「仕組み」、「情報」といった視点から捉えると、整理がしやすいと考える。「人」とは、スタッフの確保や人材の育成、人と人との連携(コミュニケーション)を意味する。「物」とは、施設や設備であり、「金」は予算や費用、補助金のことだ。「仕組み」は、法令や制度をさし、「情報」は問題意識の共有や対処法の発信に役立つ。この考えを少子化問題に当てはめた場合、まず「人」に関わる取り組みとして、自治体の結婚対策事業があげられる。少子化の最大の要因は非婚化・晩婚化だとされている。その傾向に歯止めをかけるには、独身男女の交流の場を設けることが、やはり有効だろう。また、潜在保育士の掘り起こし、子育て支援者養成講座の開催なども、スタッフや人材の確保に役立つはずだ。次に「物」だが、たとえば都市の場合、24時間体制の保育園の増設が考えられる。その施設と近隣の小児科医が連携を取れれば、親は安心して仕事に専念できるだろう。また、田舎であれば、自治体が管理する空き家にリモートワークの設備をそなえることで、地方へ移住する家族を増やせるはずだ。さらに「金」については、多子世帯への経済的なサポート事業が考えられる。その一例としてあげられるのが、買い物ポイントの付与だ。これは自治体が補助金を出し、提携企業や店舗を募り、そこで買い物をした多子世帯に経済的な特典を与えるというものだ。子ども連れが増えることで、販売する側にも集客のメリットがあり、地域における子育て支援の機運を高める効果もある。そして「仕組み」としては、仕事と子育ての両立支援制度があげられる。これは、ワークライフバランス(仕事と家庭生活の調和)を推進する企業に対し、自治体が表彰などの奨励を行うものだ。男性社員も育児休暇を取得しやすい職場環境が整えば、子どもを持ちたいと考える夫婦は増えるだろう。こうした「人」、「物」、「金」、「仕組み」といった要素を自治体は「情報」として、整理し、分かりやすく発信していくべきだ。単なる知識の提供ではなく、行動に移すための「動線」も示し、住民と十分なコミュニケーションを取ることも望まれる。そうした取り組みの根底に求められるのは、全体の奉仕者としての公正で、総合的な視点だ。同時にそれぞれの自治体の特性に根差した、地方公務員ならではの身近で、細やかなサービスの提供も心がけるべきだろう。(1131字)制作2022.3/23

※文字数が多い場合、太字の部分は片方か、両方を削れます。
※検索ワードは、「内閣府 少子化 取り組み 参考事例」
※「金」、「仕組み」については 不妊治療への助成金制度などを述べる方法もあります。

小論文弁当のレシピ(調理の流れ)
①少子化の問題点とは、こういうことだ。
②その問題に対処するには、人、物、金、仕組み、情報といった視点から捉えると整理しやすい。
③まず「人」についての取り組みだが、次のような例がある。「物」、「金」、「仕組み」についても、それぞれ具体例を示す。
④自治体はそうした取り組みを「情報」として発信していくべきだ。その際、重要なのは、コミュニケーションだ。
⑤また、全体の奉仕者としての総合的視点、地方公務員ならではの細やかなサービスの提供も求められる。

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