何者でも無い、で、いい。

ざっくり言うと僕の家は、父方が絵の、母方が音楽の家系。

だいぶ若い頃、自分の在りようが何一つも分からなかった頃の僕は、そんな家に生まれたってことを大事な種みたいに、両の手のひらの中にぎゅっとして、心の拠り所にしてたように思う。

思春期の頃の幼く可愛い挙動だ。

そしてこれは多分どこの世界のどこの時代のどんな人にも起こりうる心の動きだと思う。

権力を手に入れた王様たちでさえ不安に駆られると「なんで自分が権力を持ってて良いのか」の理由付けがほしくなり、今度は権威を求めるんだ、そうして沢山の神話が作られていった。

自信が無くなると自分の「血」にすがるんだ。
「民族」とかね。

自身の中に植えた、この「可愛く幼い種」が、間違った方向に大きく育っちゃったのが優生思想やダーウィニズムとかになるんだろうな。

大事なのは「今」なのに。

大丈夫
みんなただ在るだけで大丈夫なのにね。
意味が必要なら無理に作らんでもあとからきっと追いついてくる。

ちょっと背中押してくれる御守りくらいにして、不安が消えたら初詣の時にでも燃やしてから空にかえしてもらったらいいよ、てさ、心からそう思う。
ずっと執着して持っとくと、いつか御守りの方が主人になってしまうよ。

いいよ、ただ「在る」だけでじゅうぶんだ。


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