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短歌

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#定型詩

卯月 短歌 前半

卯月 短歌 前半

ふかふかの草のにおいを染み込ませ夕陽を浴びて溶けちゃいたいな

うとうとと水面に揺れて眠りたい泣いて拗ねたり甘えてみたり

もの憂げな月を隠して雲になる疲れた海に優しい雨を

蒲公英の綿毛にひかる雨しずくそんな悲しい顔をしないで

この海をちぎって風に飛ばすからあなたの街に潮風届け 

陽だまりで穏やかな笑み浮かべたらそれだけでいい。幸せですか?

ほろり散る花びらさえも春ならば泣けない涙どこに隠

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弥生 短歌 後半

弥生 短歌 後半

最後まで冬は君だけ見送っていつかまたの日ひと匙のジャム

ちょこちょこと言葉散りばめセキレイが名残雪にも春のお知らせ

いつかねと約束できる今が好き月が満ちても欠けたとしても

まどろみに時間と君を奪い合う勝てなくたって好きが満ちてる 

溜息を水色にして雨の朝ときおり金魚尾ひれゆらゆら

感情の処理が上手にできなくてバネ定数を計算してる

この冬は氷砂糖の海であり青が戻れば風も寂しく

今はまだ

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