卯月 短歌 前半
ふかふかの草のにおいを染み込ませ夕陽を浴びて溶けちゃいたいな
うとうとと水面に揺れて眠りたい泣いて拗ねたり甘えてみたり
もの憂げな月を隠して雲になる疲れた海に優しい雨を
蒲公英の綿毛にひかる雨しずくそんな悲しい顔をしないで
この海をちぎって風に飛ばすからあなたの街に潮風届け
陽だまりで穏やかな笑み浮かべたらそれだけでいい。幸せですか?
ほろり散る花びらさえも春ならば泣けない涙どこに隠そう
夕暮れが終わらないから抱き寄せた季節はいつも寂しいままで
ぐつぐつと君への媚薬苺ジャム魔法のお鍋ぐるぐるまわす
めいっぱい愛した冬にさようなら淡い記憶に栞に挟む
大丈夫、眠りの浅い真夜中も星は優しいおやすみなさい。
まだ冬を惜しんでいるの それなのに月は昇るし桜は散るし
三日月にお菓子をわけてあげようか 泣いて笑って転げまわって
僕はまだ君の笑顔を知らなくて星の繋いだ軌跡をなぞる
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