はじめに

45歳、独身、彼氏なし、実家住まい。それに無職と引きこもりを足すとあっという間に「無敵の人」のできあがり。それと吹けば飛ぶような少しの貯金。

団塊ジュニアと呼ばれ、女子高生ブームにも女子大生ブームにも乗れなかったスキマ世代で、厳しい受験戦争をくぐり抜けた先には就職氷河期が待ち構えていた。同級生のほとんどが結婚し、親となっている。生きているだけで少子高齢化と晩婚化に拍車をかけ続けているし、いつのまにか自分が社会に暗い影を落とす存在になっている。

4〜5年前から体調不良で、一人暮らしから実家に戻るはめになった。その間にブラック企業の社畜だった私は職も失った。完全に昼夜逆転してしまい、気力をなくして寝込んでしまうことも多く、別の病気も発覚して救急搬送もされた。体力面を考慮したら次は非正規雇用でしかたぶん働けないだろう。両親は健在だけど、いつ介護が必要になってもおかしくない後期高齢者だ。

その体調不良からだいぶ回復して、いままで全否定していた自分を取り戻すために書き始めた。45歳になった今は若いときに見えなかったものもたくさん見えてきた。そんな思いも交えながら狂ったように書いている。書くことしかできないけれど、書くことで受けいれられなかった自分を受けいれ、自分を救っている。

社会に出てから、自分は社会不適合者だとずっと思ってきた。働きながら「この仕事では貢献できないかもしれないけど、自分の書いた文章で誰かをふっと笑わせて、肩の力を抜くことができるかもしれない」と思うようになった。

張りつめた毎日を過ごしている誰かの心にリンクして、明日を生き抜くヒントになったり、一服の清涼剤になれれば本望だ。

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