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「商品開封後の御返却は硬くお断りします」
アヤは言うと僕を引き寄せ唇を重ねた

女も実は男を狩る
やり方が違うだけだ、武器も違う

そこいらの姐さんあんちゃん仔みたいに
付き合うの告白だのはしゃらくせぇ

後で揉めたときに あーだのこーだの言いたいから
告白だの付き合うって約束だので縛り合う

そりゃ、御国に届けを出すときで良かんべさ

故郷を離れて気に入った学校に入り
一人で一所懸命生きている女の子が

僕と決めて身を委ねてくれた

末永く上手く行けば上々
齟齬が有ったら僕の勘違いで良い

漢でいてぇと想った
アヤが全霊で惚れてくれているのを感じたからさ
いや勘違いかな(笑)

護りたい、生命一つ盾にして

「何見てるんだよ!」
アヤが胸の前で腕をクロスした
「いや、綺麗なおっぱいだな」
中高スポーツをしていたらしく大胸筋も発達している
乳暈は色白だから桜色、おぼこい乳首も可愛らしい
膨らみは僕好みの大きさだ
「どうせちっちゃいよ」
「DよりのCくらいだろ」
「Dだよ、ほんにウーマナイザー」
「そのおっぱいが世界一好きだ」

アヤが抱き着いてきた飽きるほどにキスを繰り返す
女の子は脱がしてみるまで判らず、けっこうプラスマイナスがあるんだけど、きっと女の子から男への評定もそうなんだろう。
アヤは誂えたみたいに僕の好みだった。

べたべたするのは二人きりの時だけ
授業や図書館で並んで座ることは有るけれど
手は繋がない

互いの存在を意識し合うだけで幸せだ
アヤが楽に楽しく過ごせるように傾注した

それはアヤも同じようで
互いが邪魔に為らず、自然に存在する
良い意味で空気の様な存在

互いに卒業までの単位は修得していて
後は興味のある講義を聞いているだけ

僕は心理学系が好きで1コマ聴講
哲学や医学部から法医学者の出向く法医学も冷かしていた

法医学のえぐい映像を見た後に一人焼肉でも決めようかとキャンパスを歩いていると、アヤが居た。

黒いリクルートスーツに身を固め文学部棟の前で男子学生と話をしている、
「単位取れてるんでしょ? レポート貸すだけじゃん頼むよ」
男子学生は押しが強そうだ、凄く図々しい感じがする スキニーにパーカーかよ似合ってないぜ、すっとこどっこい!

「だからさ、メアド交換しようよ、アヤちゃんだって損は無いでしょ?」
「五十嵐君とメアド交換して私にどんな得が?」
「いやいや、お互い様じゃん助けあい、頼むよ」
うちの学校、文系は心理学入門と哲学は必修で単位を取らないと他の学科に因らず卒業が出来ない、この時期、こんな学生が増える

「蓼丸さん、どうしたの?」
僕がアヤの名字を呼びながら近寄っていくと男子学生は嫌そうな目で睨み、舌打ちをして去った。

「お帰り」
僕たちは見つめ合った
「ただいま」
「どうだった?」
「内々定貰えそうだから、ゼミで教授に報告して涼次を探しに来たら捕まった」
「レポート貸せって? モディファイして提出して単位狙いの手口ね」
「以前居たサークルの仔なんだけど、LINEもメアドも好感してなかったのに」
「おまぃさま羽化するみたいに綺麗になったから狙われた?」
「そんな事無いよ」
いーや大有りだべさ、狩をする女の子は野生の美しさを内面から発するし、あれこれ気を使う事で脳が活性し羽化するみたいに変身する。

「お腹すいたぁ」
「一人焼肉行くところだったのさ」
「いくぅ」
「新宿だぜ」
「叙々苑?」
「そそ」

僕たちは部屋に戻り、アヤはユニクロに着替え地下鉄で出かけた。

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