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香織の論文は無事に送信を終わり、学生課到着のチェックも済んだ

リビングのこたつ、ヨギボに座って呑んでいる
「あのな、女は自分を育てて、美しく咲いて、男を育てて収穫するんだ、聞いてるか涼次」
「へぇへぇ聞いてますだよ香織さま」
くだを巻いている香織、でも絶対芯からは酔ってない、曲がりなりにもproだったから 僕は牛筋と大根をデンビィのボォルにとり格闘を始めた からし欲しいな
  
「自分の身体から育てていくんだぞ、時間を使い金を使い智慧を使い アヤッペが育つように種も蒔いてやった」
「香織ンが居なかったら今の私たちは居ないね」

「そうだろうアヤッペ」
まずい
「だから、こいつ一晩貸して一晩で良いから」
香織が陶器のカップでビールを煽る
「香織姐さまに数々の御恩は有れど、それだけは聞きんせん」
アヤは瓶からビールを香織のカップに注ぎながら笑う

「アヤッペ、よう申した、佳く育ったのぉ」
「これと言うのも香織ンのお陰」

「ねぇ涼次」
香織はまたカップを煽る、僕は苦労して手に入れた瓶ビールを注ぐ
「何さ」
「男ってさ、女が苦労して育てたものを安易に手に入ると想ってるよね」
「でも、実際簡単には手に入らないじゃん」

「それな、男ってだけで特権みたいに考えてさ手に入らないと強引に搾取して略奪して簒奪して 強姦迄しようとする」
「女にもそういう奴も居るね、人間性の問題じゃん? 男女の間だけじゃなくて商売、仕事でも 相手の立場を思いやるのが愛じゃん」
「ほぉ 詳しく話せ」
「いや、僕の父さ、イタリアのエニオ小父さんから凄く佳い商品を任せて貰った、御蔭で会社は隆盛、あの実家も買えたのに支払い3ヶ月飛ばしを3回繰り返し、オーナーの不興を買うわ、エニオ小父さんの顔を潰すわ 取引中止に(笑) それで商売傾いてる」

「あのイケメンの涼次パパ?」
「なんでイケメンって知ってるんだよ」
「いや、客に成ったわけじゃないよ」
「アヤシイ」

「涼次に興味が有るからネットで調べた」
「あー親父出たがりだから、写真出てるかもね」

香織がiPhoneをアヤに見せる
「へぇ、本当に似ている」
あんまり嬉しくない

「似ているけれど雰囲気が違うね」
アヤが僕の想いを察したか察して居ないか言ってくれた
「顔はそっくりなのに、尊大で嫌な爺だった つまんない冗談しかけて一人で笑うし、白ける」
「やっぱ、客だったんかい香織?」

「与党のパーティにコンパニオンで呼ばれた時に会ったんよ」
「あぁそっちか」

「何、パパとブラザーになったと想った」
香織はネイルした爪を僕に突き出しクルクル回す
「香織、下品」
苦笑するしかない

「げぇっへっへっへ下品な女でございますよ、涼次を喰えないなら親父を喰ってやろうかと 助平そうだし」
「お好きにどうぞ 僕より助平だと想うよ」
「同じ顔で、おそらくあそこは涼次を凌駕するな」
「うん、風呂に入ったとき平常時は僕よりデカかったな」

「臨戦態勢時は?」
「あのな、実の父親の臨戦時なんて知らないと思わない?」

「そうだよな」
香織はビールカップに清酒を注いで、ぐっと煽った

「ねぇ、アヤッペ、こいつ巧いよね」
「うん、そだね いつもすっごく良い」
アヤは照れもせずに言う

「私の上を通った男の中でピカ一だよ」
「そうなんだ? 私、涼次しか知らないけど、良いんだステキ」

「でっかいのに無理しないし」
「やっぱりデッカイんだ」
アヤは右手を広げて親指から小指迄を観た、それよりちょっと長い 臨戦時20㎝の定規で測れない、試しにバイアグラ飲んだらメジャー計測で23㎝だった

「でかいでかい、イエローの平均は10㎝台上下臨戦態勢15㎝だよ、人種変わると30㎝台も居るけどさ」
「へぇ」

「大小じゃない真心、あれであのテクで心から愛されてる、良いなぁアヤ」
「おかげさまで」
アヤがビールカップを突き出して干した

「私、決めた」
香織は、また日本酒をぐびり
「もっともっと自分を創って良い女になろう 佳い自分を収穫するんだ」
「私も香織ンに負けないように良い女になる」

「で、涼次が着いてこなかったら棄ててやれ」
「え~」
「捨てたら私が拾うから」
「だめぇ、私が良い男に育てるから、漢にするから」

ホタテとタコ、僕も日本酒にしよう おでんにワサビって合わないかしら


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