見出し画像

世の中は知らない事だらけ。

二週間くらい前に植えられたビニールシートから芽が出てきた。

家から少し歩いた線路ぎわの一帯は畑になっている。オレはこの前を毎日散歩する。テレワークが続いてあまり家から出られない。Ⅰ階と2階の行き来では運動不足になるので、毎日同じ時間にぐるりと家の近所を散歩している。同じ時間同じ場所を歩いていると意外と小さな変化に耳をそばだてる事になる。風の匂いだったり湿り気だったり。毎日、線路沿いの道でたまに通りすぎる電車を背にガードレールに腰かせてボーッと目の前に拡がる畑とその上で広角レンズのように拡がる空を眺めたりしていた。

ある日、いつものルーチンでぼーっとしていると、目の前の畑に耕運機がやってきた。耕されていく土の面積が拡がっていくのをみていた。次の日、また次の日と耕された面積が拡がっていった。そうして毎日少しずつ
畑は変化して行く。
オレはその作業を毎日同じ時間に、10分か15分見学する事にした。数日がたった頃 全ての土地が耕された。
すると今度はもう少し小さな機械が運ばれている。

画像2


種まき機イメージ


その機械を耕運機が作った土の峰に沿って走らせながら↑の写真のような丸い穴の空いたビニールを貼っていく。機械の下から走った分だけどんどん穴の空いたビニールで土を覆っていいく。

一見ただビニールを掛けるだけの機械かと思っていた。
多分この後、種を植えるのだと。・・・
しかし実はこれが中々優れた機械だったのだ。
畑仕事などしたことがないオレはただ物珍しく眺めていただけだった。

たまたま畑の人と話す機会があり、聞いて見て分かったのだが、穴の空いたビニールを曳きながら土の峰を走るこのマシンにはセンサーが内蔵されていて、走りながら空いているビニールの穴にタネを植えて行けるのだという。走る速度をセンサーが感知して穴に正確に植える事が出来るという。
「まあ、このあとかなり手かけてやらないと、」
全部がちゃんとは育たないのだと教えてもらった。

穴の空いたビニールシートの波はどんどんとその面積を拡げて行く。毎日少しずつオレはその変化を目撃する。前の日の夜、雨が降った次の日は晴れるとビニールについた小さな水滴がレンズのようにキラキラ光ってまぶしいくらいだ。
やがて穴の空いたビニールシートの海はパースラインの奥までも拡がっていった。秋から少し肌寒くなるくらいの空色を映しながら。


二週間くらい経った今日、小さな芽が出てきた。
そして日に々ちょっとずつ大きくなっていく。
この苗のうち、どれくらいが生き残るのかオレは知らない。
どんなものに育つのかも。

アイコン


なにかワクワクすることが、みんなで起こせるといいね! サポートお願いしまーす!(^^♪