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外国人の接客でそろそろ気を付けないと恥ずかしいこと。

僕は大学在学中に様々なアルバイトを経験した。得体の知れない病が流行る前だったので、外国人のお客さんの接客をする機会がたくさんあった。

おそらくバイトをされたことのある方ならだれでも感じたことがあると思うが、外国人のお客さんが来ると必ず頭の中に一つの疑問がよぎるはずだ。

「この人日本語しゃべれるか?」

日本には3つのタイプの外国人がいる。日本語を完全に理解するタイプ、日常会話程度ならなんとかいけるタイプ、完全に無理なタイプ。これは外見から判断することは極めて難しい。

勝手に判断して一人ひとり対応を変えると、対応を変えられたほかの外国人のお客さんは「なんであの人と対応が違うんだろう」と疑問に思うはずだ。

そこで多くの日本人は英語で接客することを試みる。しかし、明らかに観光客の集団だと識別できるような例外的な場合を除いて、僕はなるべく日本語を使うようにしていた。

日本に来たのだから日本語が聞きたいと思っている外国人が圧倒的に多い。やはり旅行者でも留学生でも外見で特別扱いされると、たとえ日本語が堪能でない場合でも愉快な気持ちをする人は多くない。もちろん緊急の要件や必要な会話をしたい場合は別だ。

観光客の多くはあいさつ程度の日本語は知っているし、使ってみたいと思う人も多い。留学生の場合はせっかく日本に住むことを決めたのだから、日本語を練習したいと考えている人がほとんどだ。

したがって、まずは日本語で話しかけてあげればよいと僕は思う。しかし、もっと大切なのはこの後だ。日本語で話しかけた後、お客さんがどのような対応をするかによってこちらの対応も変えなければならない。彼らのパターンは主に2つだ。

1パターン目は英語で「日本語がわかりません」と伝えるパターン。このパターンだったら無理に日本語を押し通すのは良くない。英語で対応しよう。

2パターン目は頑張って日本語で言葉をつなげようとするというものだ。ここで多くの人は英語に切り替えてしまう。しかし、これではせっかく彼らが頑張って日本語を話している努力が無駄になってしまう。

ここは焦らずにゆっくりと簡単な日本語で話してあげよう。ここで日本語が話せるとわかって、いきなりこちらが流ちょうな日本語でまくし立てると相手も折れてしまう。相手の日本語に合わせた日本語を使用することが求められるわけだ。

この時点ではもはや敬語や文章の形、店員としての見え方を気にするべきではない。たとえ「何、欲しい?りんご?」のような日本語を使っても外国人は怒るどころかありがたく思うし、ほかの日本人のお客さんも理解を示すだろう。間違っても「りんご一点お求めでお間違いないでしょうか」などと言うべきではないし、それを言うメリットはただの一つもない。僕はこうした簡単な日本語で会話するということを頻繁に行っていたが、ほかのスタッフからもお客さんからも苦情が来たことは一度もない。

最後にもう一度繰り返すが、全ての状況で日本語を使ったほうが良いとは思わない。緊急の要件、明らかに日本語がわからない観光客の集団、そもそもお客さんのマジョリティが外国人であるようなお店/施設、そして一度は日本語で挑戦してダメだったような場合には英語で会話することが逆に求められる(その場合も挨拶くらいは日本語でできるが)。

しかし外国人だと決めつけて、英語で話しかけたり、日本語を完璧に解するものと判断して、専門用語や難しい単語を羅列するのは、グローバル化を掲げる国のあるべき姿ではないのは事実だ。

接客で求められるのはお客さんの手助けをし、気分を良くしてもらうことだと僕は考える。それを考えればどの言語で話すか、どういった対応が求められるかは自ずと見えてくるのではないだろうか。

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