Vtuberオタ兼シャニマスオタのお気持ち表明 ~天音かなたシャニマス案件に寄せて

 僕は俗にいう「バーチャルYoutuber四天王」なんてのがいた時代からVtuberのオタクである。Fワードに笑い、バーチャル礼拝をし、カラスを眺め、ポッキーゲームで鼓膜を破壊し、首を絞められたハム太郎の声を日々の潤いにしていたオタクだ。ゲーム部プロジェクトやアイドル部にもハマり、その顛末も見届けたし、もちろんにじさんじやホロライブにも明るい。

 僕は俗にいう2nd Anniversaryのときからシャニマスのオタクである。甜花に一目惚れをし、美しいガシャ演出とイラスト、歯ごたえのあるゲームシステム、良質なシナリオ、涙腺ガバガバになる楽曲を日々の潤いにしているオタクだ。ただ、Vtuberからシャニマスに入ったのではなく、自粛で暇にしてるところにコンテンツに触れたら、たまたまその数日後、にじさんじの月ノ美兎委員長がシャニマス実況を始めたにすぎない。

 そんな兼任オタクの僕にとって、Vtuberの中でシャニマス実況が爆発的ブームになったことは、ただ単純に嬉しかった。にじさんじやホロライブの企業勢から個人勢までシャニマスを実況していて、僕自身も様々なシャニマス実況生配信をリアタイしたりアーカイブを漁るなどをしていたのである(というか今もやってる)。

 しかし、ゲーム実況というのは、色々難しいものである。元々アングラな活動だったゲーム実況も、今では表舞台で日の目を浴び、「ゲーム実況配信者」は一つの職業としてすでに認知されつつある。Vtuberだってそうだ。ゲームを実況して、動画ならその視聴人数から広告費を、生配信ならスーパーチャットやプラットフォーム固有のポイントなどで収入を得ている。

 ……このままいくとダラダラと「ゲーム実況」という文化ものについて語ってしまいそうなので結論からいく。ゲームはよそ様の著作物なので、それを使って収入を得るという行為は権利的によろしくない。他人のふんどしで相撲を取る、は少し言い過ぎだが、少なくともそれを収入源にするのなら、ゲームを作った人間たちに許可を取る必要がある。

 シャニマス実況を始めたにじさんじの委員長は、2年かけて「無収益化するならシャニマスを実況していいですよ」という許諾を得たらしい(本人が嘘言ってたらどっかで指摘されるはずなので許諾は取ってるんだろうが、ソースが分からない)。後のVtuberシャニマスブームの火付け役となった委員長のその配信は、765ASのころからの委員長のアイマス知識と、観察眼や語彙力、そして少しのキモさから好評を博し、委員長自身もその後W.I.N.G.編攻略を中心に生配信を継続した。

 その裏で、4月下旬にホロライブの天音かなたもシャニマス実況を開始する。彼女の配信もリアルアイドルへの造詣の深さと、アイドルのイラスト1枚で10分弱語りつくせるスキルが好評を呼んだ。彼女はその後凛世にガッチガチに惚れ、限定ガシャや凛世コミュを中心に配信を続けていった。

 その天音かなたを皮切りに、他のホロライブ所属ライバーもシャニマス実況を開始する。……のだが、ここで少しこじれてしまう。

 シャニマス実況を開始した多くのライバーが、初見プレイの枠→運命の出会いガシャリセマラ枠のみでシャニマス実況を打ち切っていた。W.I.N.G.編にすら手をつけなかったライバーもいた。気分を害したのはもちろんシャニマスのファンである視聴者。もともとホロライブの配信はリスナーからのスーパーチャットの額が大きく、「無料のリセマラをしただけで金を稼いでゲームを捨てた」という状況に見えても仕方がなかった。目当てのアイドルを数時間かけて引き当て、そのお祝いにお金が飛んでいく状況には「違和感」という単語が脳裏に浮かんでも仕方がない。

 ……と、ここまででさらっとスーパーチャットの話を出しているが、ホロライブによるシャニマス配信は多くが収益化をした状態だった。現在はアーカイブがすべて非公開・削除されているので確認できないが、ほとんどがそうだったように思う。

 今思うとあまりに杜撰な行動だ。ただ、擁護をするつもりではないが、当時のリスナー心理からすれば、「運営側がライバーにゴーサインを出しているのだから、許諾は取れているのだろう」という考え方ができた。いや、むしろそう考えることしかできなかった。「許可をもらって配信するのが当然」だからである。

 しかし、その前提はその年の夏に崩れることになる。詳細は調べてもらえればいくらでも記事は出ると思うが、任天堂による著作物利用のガイドライン公開をきっかけに、ホロライブ運営のカバー株式会社が、様々な会社への配信における著作物利用許諾の取得を怠っていた、ということが発覚した。

 当然その中に、シャニマスが含まれていた。バンダイナムコエンターテインメントは利用規約で、著作物の営利利用を禁止している(https://legal.bandainamcoent.co.jp/terms/html5-jp 内の9.禁止事項より)。この騒動によって、上で言ったようにアーカイブがすべて視聴できない状態になっている。

 運営側の認識がおかしかったし、ライバー側もこれを信じすぎてしまい、確認を怠ったのがこの騒動の原因である。

 一方その裏では、数こそ多くないものの、にじさんじのライバーが数名シャニマス実況をしていた。委員長に見習ってスーパーチャットはオフ。この辺りはにじさんじ側の運営が上手く伝達していたのではなかろうか。

 そういうわけで、シャニマスオタクからホロライブは嫌悪の対象となった。無断収益化だけなら運営の落ち度で片付いたのかもしれないが、「お金だけもらってシナリオを読まずにやめた」ライバーたちの印象がとてつもなく悪い。Vtuberのオタクの僕ですら、当時そういったシャニマス配信をしたライバーからは距離を置いている。


 で、ここからがお気持ち表明パートなんですけど。


 僕は天音かなたにシャニマス案件が来て、本当に嬉しいんです

 この騒動で一番割を食ったのは間違いなく彼女だ。確かに、収益化に関しては認識が甘かった。それはホロライブ運営、そして彼女の落ち度ではある。そこは擁護できない。

 でも彼女は本当に真摯にシャニマスに向き合っていた。メロビのイラストで10分しゃべり、凛世のコミュを読んで涙し、ガシャに心血を注ぐ様子は本当に楽しそうで、応援できた。僕は別に天音かなたのヘビーリスナーではなく、チャンネル登録だけしてたまにアーカイブを覗く一般リスナーだが、それでも彼女は好きなVtuberのうちの一人である。そのきっかけはまぎれもなくシャニマスだった。

 にじさんじの委員長とでろーん(樋口楓)がシャニマス案件をもらった昨年10月でも彼女はシャニマスを続けていた。その夏に出た限定凛世も完凸している。僕はこのツイートを見たとき嬉しくてたまらなかった。

 そんな彼女が、3.5周年記念についにシャニマス案件をもらっている。僕はこれを自分のことのように喜んだ。本当に嬉しいし、本当に楽しみにしている。

 だからこれを読んでいるかもしれないホロライブを好かないシャニマスのファンの皆さまへ、これだけはお願いしたいんです。

 別にホロライブやそのライバーを嫌うのは自由です。嫌われるだけのことをしているのは分かる。スレに書きこんでもいいし、ツイートしてもいいです。それを止める権利はない。言わせてもらえれば、ホロライブ側とシャニマス側でゲーム実況ポリシーを通して話が出来てるんだから外野のオタクにぎゃあぎゃあ騒いで欲しくないが、個人の意見を発するのは自由なので、それも別に止めないし、好きにすればいい。

 でも決してシャニマス案件配信や、彼女のシャニマス配信に来て荒らさないでくれ、頼む。嫌なら見ないでくれ。

 これは同じ一人のシャニマスのファンとしての切実な願いです。

 シャニマスを大事にしている彼女の目に、それをなるべく触れさせないでほしい。ただそれだけです。

 

 おしまい。

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