ゲ謎(映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』)初見感想〜創作へのリスペクトと熱量が凄ぇって話!〜

ついに。
ついについに。
アマプラに、ゲ謎が来た!!!!!!

前回のSEED FREEDOM感想記事でもちょっと触れたんだけれど、育児してるとまあ映画館って気軽に足を運べない。
なので、話題の映画が数ヶ月待つことなくアマプラにやってくるこの流れは本当にありがたくて、有料でもいいのでぜひ色んな作品がアマプラとかで見られるようになってくれるといいなぁと願っていたりする。
もちろん、映画館で見た方がいい作品があるのは分かっている。
『トップガン マーヴェリック』や『犬王』なんかは映画館で見逃したことを非常に悔いている作品だったりする訳だが、その話はさておき。

初めにことわっておくと、私はゲゲゲの鬼太郎シリーズにほとんど触れたことがない。
もしかすると、子どもの頃にマンガかアニメにちょろっと触れたかなくらいで、あとはなぜか小学校の時の書道の先生がゲゲゲの話ばかりして授業をしなかったことが印象的ではあるけれど、接点としては本当にそれくらいだ。
主要キャラクターの名前と姿は分かる、最近のアニメで猫娘の等身が変わったという話は聞いたことがある、という温度感。

そんな私が本作に興味を持っていたのは、とにかく映画公開当初にSNSで話題になっていたからだ。
観に行った人たちの熱量がすごい。毎日話題をタイムラインで見る。
これは観なければ、と思った。
けれど残念ながら映画館上映中には機会に恵まれなかったので、アマプラにやってくるというニュースを聞き、大歓喜してその日のうちに公開開始日をスケジュールにメモしておいたのである。

そんな待望のゲ謎。
……見終えました。

気づいたら「墓場鬼太郎」「幽霊族」「水木」「目玉おやじ」でググりまくっている……。えっ、もう一時間経った!? やべえ、仕事しなきゃ!

これは、原作知らないと分からない内容だったから、じゃなく。
もっと深く知るために原作を知りたくなったから、だ。
二周目・三周目と何度も観る人が続出するのも頷ける内容だった。

映画自体の建て付けはアニメ六期の前日譚。
つまりアニメを追いかけていた人向けの作品であって、ちらっと見かけた製作者インタビューを見るに、ここまでの大ヒットは当初想定されていなかったようだ。
それがなぜここまで火がついたのだろう?

男主人公二人のバディ感が時代にハマったから?
閉ざされた村で次々と起こる怪奇、という王道なストーリーラインが面白かったから?

当然それらの要素はあるだろうけれど、私は何よりこの作品の奥にある「製作陣のリスペクトの深さと熱量」に当てられたように思う。
一本の映画では語り尽くせないほどの膨大な設定、シリーズごとに展開の異なる原作の読み込みと繋ぎ合わせ、原作準拠したい一方で現代の倫理観との板挟み、繊細なバランス調整……。
製作陣は当然原作者・水木しげるをリスペクトしながらも、本作がシリーズの歴史に残る作品になるような思いを込めて挑んだそうだ。
それはとてつもない覚悟と、クオリティへのこだわりと、顧客心理をくすぐるセンスが必要になる大仕事である。

そんな熱量はどれだけクールな仮面をかぶっていても作品越しに伝わってくるものだ。
私は、あるいはこの作品に熱狂した人々は、もしかすると映画自体だけでなく、それを作る人々に魅せられたのではないか……そう思わせられるような、素晴らしい映画だった。

製作陣のエピソードについては、二次ソースで申し訳ないが以下のリンクの「興行成績」の項目まで読むと目頭が熱くなるのでぜひオススメしておきたい。

ゲ謎、まだ観ていない人がいたら、ぜひ入村を。


前回の感想記事はこちらをどうぞ。
(意外とたくさんいいねをもらえてちょっと嬉しかったです)


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