運命の時間
2020年3月30日 昨日まで元気だった母が私の目の前で突然倒れた。
突然の出来事にすぐ理解が出来ずどうしたらいいか分からなくなり、弱っていく母を見てハッと、我に返り緊急事態だと気づく。
ちょうどこの頃、新型コロナウイルスの感染拡大で世界的に問題視されている中、母はコロナに感染したんじゃいかと不安な声をあげていたが、倒れこんだまま力が入らず、目元がチカチカすると訴え 症状がコロナとは違うと私は感じ、違う病気かもしれないからとすぐに病院へ行こうと母に進めた。
(父と姉にもすぐに連絡し助けを求める)
救急で診てもらえる近くの病院を探し、電話で事情を伝えた。受け入れて貰えるか心配だったが
診てもらえることになり、考慮し救急車は呼ばずタクシーで病院まで行くことにした。
採血などの検査の結果、「大きな病院で診てもらいましょう。」と、先生が大学病院の紹介状を書いて下さり、そのまま大学病院へ行くことになった。
何時間にも及ぶ細かな検査をし、一度先生の報告を聞いた。
母は、高血圧で脈拍が通常の人より凄くゆっくりな為、心臓カテーテル検査をしてみましょうと言われた。
検査をするのに入院が必要なので入院準備を父と姉にお願いして、私は病院に1人残ることに。
1時間して先生が私の所に浮かない顔をしながら近寄ってきた。
「今カテーテル検査を進めていてレントゲンを撮ってみたら、脳から心臓に繋がってる血管の一部が裂けてたんです、ですので(心臓カテーテル検査中断)開胸して緊急手術になります。。」と言いづらそうに私に伝えた。
私は先生の言葉を受け入れる間も無く、父に電話で知らせすぐ戻ってくるよう伝えた。
そして、心臓外科専門の先生から母の容体について詳しく知る。
母の病名は「急性大動脈解離 」の中でも一番心臓に近く重い病気のAと診断された。
大動脈解離を起こした人の約20%は、病院に到着する前に死亡すると言われており、死亡率が10人中6人という恐ろしい病気。
母は心臓に一番近い部分の血管が裂けてしまっていた為、手術も大きなリスクを伴い死に至る場合もあると説明を受けた。
ストレートに入ってくる言葉の数々が胸に突き刺さった。
先生は「そうならないよう、最善を尽くします。」とおっしゃってくれて私は先生を信じて手術の成功を祈った。
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